「にいがた酒の陣」攻略法! 日本酒「久保田」のファンが初出陣して分かったこと
3月に新潟市の朱鷺メッセで開催された「にいがた酒の陣2023」。コロナ禍を経て4年ぶりに帰ってきたビッグイベントに、日本酒「久保田」のファンも県外から駆け付けました。当日の現場の雰囲気や、より楽しむための攻略法を教えてもらいましょう。
特集
3月11日・12日に新潟市の朱鷺メッセで開催された「にいがた酒の陣2023」。コロナ禍を経て4年ぶりに帰ってきたビッグイベントに、日本酒「久保田」のファンも参加しました。県内の80の酒蔵が自信を持って酒の陣に送り出した日本酒の数は、なんと400種以上。その中から久保田ファンが飲んだ日本酒の感想をハイライトでお伝えします。
目次
コロナ禍により3年連続で中止となっていた「にいがた酒の陣」。昨年10月に安心して日本酒を楽しめるイベントを目指し、様々な制約を設けながら「にいがた酒の陣NEXT」として開催されました。来場者からは好評であった一方、これまで通りの形式での開催へ、多くの期待が寄せられたそう。
こうした酒の陣NEXTの結果や最近のコロナ禍の状況等を踏まえ、待望の 「にいがた酒の陣2023」が2023年3月11日(土)・12日(日)に開催されました。日によって出展酒蔵が異なっていた酒の陣NEXTと違い、県内の80の酒蔵が2日間通しで出展。会場となった新潟市の朱鷺メッセウェーブマーケットには、400種類を超える新潟の日本酒が集結しました。
感染対策として、今回は両日ともに午前の部・午後の部の2部制、各回3時間で入れ替えという新しい形式が取り入れられました。入場できる人数も限定され、1回あたり3,000人。入場チケットも指定座席ありのAチケット、座席なしのBチケットという2種類が用意されました。
待ちに待った「にいがた酒の陣」の復活を受け、日本酒・久保田をもっと楽しむ情報を発信するWEBマガジン「KUBOTAYA」では、朝日酒造スタッフと共に「にいがた酒の陣2023」へ現地レポーターとして参加してくださる久保田ファンを、久保田をよりもっと楽しむためのメルマガサービス「KUBOTA MAIL NEWS」にて事前に募集しました。
そして、応募者多数の中から当選となった4名の方々を、3月11日の午前の部へご招待。
当日は久々の開催とあって、会場に詰めかけた人々の気合は充分でした。あの一杯が喉を通るのを待ちきれない! とばかりに連なる長蛇の列に、急遽開場時間が早まる一幕も。
そんな熱気で溢れる会場で、現地レポーターも各自が思い思いの日本酒を味わった3時間となりました。
ここからは、現地レポーターに聞いた、当日飲んだ日本酒の感想をお伝えしていきます。さすがは久保田ファン、3時間という制限の中でも色々な種類の日本酒を味わっていましたので、その中からハイライトでご紹介していきます。
「酒の陣に行ったけれど気になっていたあの日本酒が飲めなかった!」という人や、「そもそもチケットが取れなくて行けなかった!」という人にとって、現地レポーターのコメントはこれからの日本酒ライフの参考になるはずです。
まずは新潟県内からご参加で、酒の陣に来るのは2回目という水澤さんの感想をご紹介します。
朝日酒造の蔵見学に参加してから、久保田の魅力に取りつかれたそうです。
・朝日酒造「久保田 萬寿」
「美味しいです。すっきりしてます。やっぱり王道ですよね。浴びるほど飲みたい(笑)。それが本音です」
・朝日酒造「久保田 萬寿 無濾過生原酒」
「初めていただきました。普段飲むものじゃなくて自分へのご褒美的な日本酒かもしれません。美味しいからこそガブガブ飲めない(笑)。ちょっとたしなむ程度で」
・ラグーンブリュワリー「翔空 SAKEマルゲリータ Unpressed」
「トマトの酸味が強いです。喉を通った時にバジルが香る。これは今までにないお酒で、でも洋酒でもない。お酒の新たなこれからというか、こういう路線もあるかなって。日本酒に興味はあるんだけど飲んだことがない外国の方が飲んで、『あれ、日本酒も飲みやすいんじゃないか』と感じさせるようなお酒です。ワインの酸味に近づけたんじゃないかな?」
※分類上、清酒ではなく「その他の醸造酒」となるお酒だそうです。
2人目は、千葉県からのご参加で、酒の陣に来るのは初めてという山口さん。
人生で最初に飲んだ日本酒が美味しくなかったため、それ以来日本酒には良いイメージがなかったそう。そんな時に久保田を飲み、初めて日本酒を美味しいと思ったんだとか。それが久保田を好きになったきっかけであり、日本酒好きになったきっかけでもあると話してくださいました。
・朝日酒造「朝日山 純米大吟醸 越淡麗」
「これ美味しいですね。同じ純米大吟醸の『久保田 萬寿』と比べると香りがそんなにないかなと思ったんだけど、いや、美味しい。日本酒の香りって良くも悪くも強いので、日本酒の香りが苦手な人、そこまで強いと…っていう人でも、これなら多分いけるんじゃないかな。いや、美味しい」
・朝日酒造「朝日山 香里音プレミアム」
「甘い。すごく甘いですね。ちょっとびっくりしました。新潟の日本酒らしからぬ、という感じがします。何をおつまみにするかって言われると、お米っぽい甘さとも違うから小一時間悩みます。ソーダ割りとかにして柑橘類なんかを足しても面白いかも」
・朝日酒造「朝日山 千寿盃」
「水でした。死ぬほどすっきりしている。多分、一番危ないやつですね。冷やで飲みやすいねって飲んで、飲みやすいね、飲みやすいね…、で…(笑)」
・魚沼酒造「天神囃子 純米吟醸 生原酒」
「これは美味しいですね。無濾過のせいか後味はちょっとピリピリします。あんまり色はついてないですね。でも香りはちょっと立つ。『天神囃子 特別純米酒』『天神囃子 特別純米生原酒』は奥から来る独特の戻りのような香りがあったのですが、それがないので、こちらの生原酒の方が飲みやすいです」
・大洋酒造「紫雲 大洋盛(たいようざかり)」
「めちゃくちゃ水ですね。それこそ『朝日山 千寿盃』と同じ感じでめちゃくちゃ水で、なんの料理も邪魔しない。食中酒ですね。新潟の日本酒って基本的に食事に合うものが多い。大洋盛は新潟の日本酒を調べるとおすすめとして出てくるものの一つですよね」
※村上税務署管内の酒販店のみの販売品ですが、今回特別に出品されたようです。
3人目は、新潟県内からご参加で、酒の陣に来るのは初めてという上村さん。
日本酒で失敗した苦い経験があったものの、新潟県に引っ越してきたのをきっかけに新潟の日本酒を飲んでみたところ悪酔いせず、体に合ったのか水のように美味しく飲めたことがきっかけでハマったそうです。
・朝日酒造「久保田 萬寿 無濾過生原酒」
「同じ萬寿ですが、『久保田 萬寿』の方がすっきりしていて、『久保田 萬寿 無濾過生原酒』の方が濃いです。『久保田 萬寿 無濾過生原酒』は、すごく飲みやすい、美味しい。エイヒレの炙りがほしくなってきた(笑)。今日飲食ブースで販売されている蒸し牡蠣とも合うんだろうな。各酒蔵さんそれぞれの良さがあると思うんですけど、色々な料理を食べながら一緒に飲むなら『久保田 萬寿 無濾過生原酒』が進む気がする」
・麒麟山酒造
「5種類ありましたが、それぞれ全然味が違う。でも麒麟山さんは多分、総じてちょっと辛口好きの人向けですね。ピリッとしてて美味しい。エイヒレの炙りか、するめか、辛口のビーフジャーキーがあるといいですね。逆にバレンタインデーにチョコレートと一緒にあげてもいいのかな。甘いものとも合いそうな気がします」
・白瀧酒造「キウイ由来酵母 by Jozen 純米」
「女性向けで、フルーティーな感じがすごく飲みやすいんですけど、日本酒とジャンルを分けた方がいいのかな。ちょっとワインやサングリア寄りな感じ。元がお米だなんてすごいです。女子会で飲むならすごくすすめるんですけど、日本酒好きの友達と飲むんだったら、同じ白瀧酒造の『上善如水 純米吟醸』、あとは玉川酒造『しぼりたてイットキー』や弥彦酒造の『彌彦 吟醸』、それから『久保田 萬寿 無濾過生原酒』かな」
最後は、新潟県内からご参加で、酒の陣に来るのは初めてという髙見さん。
地元である広島県は甘いお酒が多いと感じており、すっきり、ほんのりとした味わいの久保田は飲みやすく、好きになったそう。
・朝日酒造「久保田 萬寿」
「一番美味しいかも。雑味がない。ほかの朝日酒造の日本酒だって雑じゃないんですけど、飲んでいると他のものが出てくるというか」
・朝日酒造「久保田 純米吟醸にごり」
「意外と乳酸菌っぽさが強めですね。思った以上に酸味がありました。どっちかって言うと甘くない。今まで飲んだことのあるにごり酒は甘くて女性向けな感じがしたけど、『久保田 純米吟醸にごり』はごはん向けの味ですね。にごり酒ってご飯に合わないイメージがあったんですけど、これは居酒屋の料理と合いそう。びっくりしました。こういうにごり酒は初めてです」
・朝日酒造「朝日山 香里音プレミアム」
「お米が原料のはずなのに果物っぽい。だからカクテルや白ワインっぽいって思いました。女の子向け、女子にすごく人気だと思います。私はおっさん向けが好きなので…。合わせるおつまみとしては、肉団子をイメージしました。濃くて甘いからソーダ割りもいいですね」
・宝山酒造「蔵のにごり酒」
「『久保田 純米吟醸にごり』と同じにごり酒ですけど、こちらは酸味が少ない。ほんのりとした酸味があるけど強くはなく、適度な感じで、甘さがあります」
・宝山酒造「TAKARAYAMA 新之助 生原酒」
「すごく複雑で、でも雑味はなくて、新しい。舌の上に残る感じ。後味が好きだから美味しくて飲んじゃうんだけど、アルコール度数が高いからこれは酔っちゃう!」
最後に、当日飲んだ日本酒の中で最も印象に残ったものを聞きました。
「お世辞抜きで朝日酒造の『久保田 萬寿』。朝日酒造のお酒はバランスが取れているので、料理だったりその場だったりを十分に補ってくれるお酒。なのでこれからも久保田を普段飲むもののメインとして飲みたいと思います。
正直なので、1位が2つあってもいいですか? 尾畑酒造の『真野鶴 大吟醸無濾過生原酒』。造りが丁寧な酒蔵だとよく行く酒屋さんに聞きました。濃厚で美味しかったです。この2つが甲乙つけがたいです」
「今日一番美味しかったのは、朝日酒造の『朝日山 純米大吟醸 越淡麗』。今日最初の方に飲んだけど私の中で大ヒットでした。多分今日も買って行くし、家に帰ってからも定期的にポチることになると思います」
「今日一番美味しかったのは、朝日酒造『久保田 萬寿 無濾過生原酒』。すごく美味しかったです。今日最初に飲んだ日本酒ですが、飲み比べを進めていっても印象が残りっぱなしで、風味を未だに覚えているんですよね。記憶にすごく残ってます。もう1回飲みたいくらい」
「最初に朝日酒造が今日出品しているものを全種類を飲ませていただいて美味しさを感じてしまったので、他の酒蔵に対して厳しくなってしまったというのはあります。一番美味しかったのは2種類あって、朝日酒造の『久保田 萬寿』、お福酒造の『お福正宗 純米大吟醸 しぼりたて 生原酒 越淡麗磨き40』。
どちらもすごく美味しくて、ただこの2種類は方面が違ってて。『久保田 萬寿』はずっと飲めて清らかな気持ちにさせてくれて、研ぎ澄まされた日本酒の美味しさを感じさせてくれるんですよ。『お福正宗 純米大吟醸 しぼりたて 生原酒 越淡麗磨き40』は、研ぎ澄まされた感じの『久保田 萬寿』とちょっと違って、ふくよかさというか、日本酒の豊かさ、日本酒って楽しいんだよと言ってくれるようなお酒です」
現地レポーターとして参加した4名の久保田ファンからは、酒の陣の魅力として、気になっているけれどもボトルでの購入に踏み切れない日本酒を少量だけ試せることや、たくさんの日本酒をいっぺんに飲み比べて味わいの違いを楽しめることが挙げられました。
また、現地レポーターとして参加したことによって、自分の知らない酒蔵のおすすめの日本酒や、その日本酒にまつわるエピソードを共有し合えたのが収穫という声も。
KUBOTAYAでは、今後も久保田ファンの皆様と一緒にコンテンツ作りをしたいと考えています。参加者の募集は「KUBOTA MAIL NEWS」より行います。登録は無料ですので、ぜひ下記URLから登録してお待ちください。
https://www.asahi-shuzo.co.jp/kubota/mailnews/
久保田ファンの皆様と作った記事は他にもこんなものも。見逃していたという方はぜひチェックしてくださいね。
また、朝日酒造の日本酒のつくり手たちにインタビューし、彼らは「美味しい」にどんな想いで向き合っているのか、話を聞いた連載もあります。下記の記事はその第1回になりますので、久保田を飲みながらぜひ読んでみてください。