
父の日のプレゼントに!おすすすめの日本酒や選び方のポイントも紹介
大切な方へのプレゼントや、ハレの日の贈り物にぴったりなお酒。味も価格も多種多様なのは日本酒の魅力ですが、好みがわからない・予算が定まらないなど悩むことも。今回は、贈ったお相手に喜んでもらえる日本酒の選び方をご紹介します。
知る
「『久保田』という有名な日本酒があることは知ってる」「でも、種類が多いしどれを選べばいいのか分からない…」そんな思いを抱えている「久保田」ビギナーって意外に多いのではないでしょうか。そこで、今回は久保田の新しい美味しさ・楽しみ方を体験できる「未来日本酒店/KUBOTA SAKE BAR」の店長に、久保田の魅力を徹底レクチャーしてもらいました。
目次
欧米、そしてアジアでも高い人気を集める、日本が誇る名酒「久保田」。
造っているのは、米どころ・酒どころとして名高い新潟県にある蔵元、朝日酒造です。1830年に朝日酒造が創業した当時、「久保田屋」という屋号で親しまれていたことから、こだわりの酒に久保田と命名。令和の現代に至っても、人々から愛され続ける酒造りに定評があります。
久保田の魅力のひとつが「酒造りは米づくりから」を合言葉とした、米にこだわった酒造り。
米は日本酒の香りや旨味を大きく左右するもの。そこで、地元の米と水にこだわり、農家と連携しながら、酒造りにとって最良の品質となる米づくりを、丁寧に行っています。
時代の先端をゆく設備環境を整えながらも、伝統の技も用い、ローカルとともに歩み続ける酒。それが、朝日酒造の久保田なのです。
今回お話をお伺いしたのは、渋谷PARCOにある「未来日本酒店/KUBOTA SAKE BAR」の店長を務める、謝翠翠(シャ・スイスイ)さん(以下、翠さん)。
台湾生まれ・台湾育ちで母国で日本酒と出会い、その魅力に惹かれて来日した、異色の日本酒愛好家とのこと。
「『久保田』の魅力をひと言で表すなら“懐の深い酒”であるということですね。初心者にも飲みやすく、酒通でも飲み飽きない。いろんな面で魅力を持ったお酒、それが久保田なんです。
初めて久保田を飲んだのは、恥ずかしながらこの店を開くことになったとき。台湾でも久保田のことが話題にのぼることはありましたが、正直、有名なお酒すぎて『そのうち、飲む機会があるだろう』くらいに思ってしまっていたんです」
日本酒を語る目は真剣さと愛情があふれています
「でも、日本に来て、実際に飲んでみてビックリ!純粋に『美味しい!』と思いましたし、種類によってきちんと作り分けられていて、しかもひとつひとつが違う魅力を発揮している。
こんなに美味しい日本酒を、これまで飲まずにいたなんて…ととても後悔しました」
そんな翠さんには、ひそかな野望があるとのこと。
「近年、日本の若い人たちが日本酒を飲まなくなってきていますが、それはとても残念なこと。日本にはこんなに優れた文化があるのに、それを知らず、飲まず、過ごしてしまってはもったいないと思います。
飲まない人が多いのは、単純にこれまでにつくられた『日本酒を飲む人=年配の男性』という古臭いイメージが強いだけだと思います。ですから、この渋谷の街から『日本酒を飲む人=カッコイイ人』というイメージを創り上げていきたいと思っているんです」
続いて、翠さんに、さまざまな種類がある「久保田」の、それぞれの魅力を語っていただきました。
特別本醸造・1,800mL/2,010円(税別)、720mL/920円(税別)
「晩酌用としておすすめなのが、こちらの百寿。キレがあって和食に合うので、普段のなにげない食卓にピタリとハマります。香りが控えめで、ほどよい辛口感。飲み疲れせず、飽きずに飲める、まさに定番の酒。私のおすすめは熱燗ですが、常温でも冷酒でも美味しいですよ」
吟醸・1,800mL/2,430円(税別)、720mL/1,080円(税別)
「辛口を好きな女性におすすめしたいのが、こちらの『千寿』です。すっきりとした味わいで、上品な香りがポイント。米本来の旨味と酸味がほどよく感じられ、煮物でも焼き物でもコッテリ系の炒め物でも、なんにでも合わせられる実力派です。熱燗でもおすすめします」
純米吟醸・1,800mL/3,310円(税別)、720mL/1,500円(税別)
「休日の午後、疲れた体を癒したい…そんな、少しだけ贅沢に過ごす日におすすめが『紅寿』です。鶏肉のトマトソース煮込みやガーリックを効かせたステーキなど、しっかりした味付けの料理との相性がバツグン。バナナのような清涼感のある香りが、食欲を湧き立たせてくれます。こちらはぜひ冷酒で!」
純米大吟醸・1,800mL/3,400円(税別)、720mL/1,570円(税別)
「このお酒を飲んだとき、こんなに美味しいのにこの値段!?と驚きました。香りが華やかで、久保田らしいキレと旨味がある一本です。ホームパーティやお花見、宴会などの席での最初の一杯は…ビールもいいですが、ぜひこれにしてほしいですね。フルーツやデザートともよく合いますよ」
純米大吟醸(山廃仕込)・1,800mL/5,030円(税別)、720mL/2,230円(税別)
「日本酒が好きな人なら、絶対にハマるのがこの『碧寿』。すっきりとした飲み口ながらも、山廃仕込み(※)ならではの奥行きの深い旨味が楽しめます。燗酒でも美味しいし、キンキンに冷やしても美味。炭火で焼き上げた焼き鳥や、スモーク系の料理にマッチすると思います」
※山廃仕込み:自然の乳酸菌で雑菌の繁殖を防ぎつつ酵母を活性化させてアルコール発酵を促進する、昔ながらの日本酒醸造方法の一つ。
純米大吟醸・1,800mL/8,110円(税別)、720mL/3,640円(税別)
「速醸仕込み(※)と山廃仕込み、造り方の違うふたつの酒を絶妙にブレンドした一本。味が美味しいのはもちろんですが、食事中にいただくことで、料理の味を格段に引き立ててくれるんです。ちょっとお値段は張りますが、その価値はプライスレス。仕事あがりにご褒美の一杯におすすめ。お刺身や、京風の煮物など、食材の旨味を生かした料理との相性がバツグンです」
※速醸仕込み:人工の乳酸を添加して日本酒を醸造する方法。1910年以降に普及し、現在では主流の醸造方法である。
吟醸(原酒・生酒)・1,830mL/3,120円(税別)、720mL/1,400円(税別)
「気温の低い冬に仕込む“寒造り”で造られていて、原酒(※)ならではの濃厚な味わいが魅力。力強さを感じる味わいで、飲むとパワーがもらえる気がします。千寿本来の飲みやすさとキレをそのまま受け継いでいるので、どんな料理にも合わせられます」
※原酒:アルコール度数を調整するために加水されていない日本酒を指す。アルコール度数20%前後のものが多い。
純米吟醸・料飲店先行発売商品
「こちらは、当店などお酒を飲むことができるお店でしか味わえない一本。ひと言でいえば、とても“きれい”なお酒です。料理の邪魔をしないので、何にでも合わせることができますが、逆にお酒だけを飲みたいときにも十分に楽しめます。ちょっと一杯だけ引っかけて家に帰りたい…そんなときは、ぜひ、この純米吟醸を飲みに来てください」
今回お話を伺った翠さんが店長を務める「未来日本酒店/KUBOTA SAKE BAR」は、「久保田」だけでなく、全国の酒蔵から集めた名酒がずらり。美味しいおつまみもあり、日本酒ファンから注目を集めるお店です。
このお店にきたらぜひ試してもらいたいのが「YUMMY SAKE×KUBOTAテイスティングキット」。
10種類の日本酒を情報なしで飲み、それぞれどれくらい好みかをスマートフォンに登録することで、味覚を判定。「アワアワタイプ」「スルスルタイプ」「キュンキュンタイプ」…といった12種類のオリジナルタイプから、自分がどのタイプの日本酒が好みかを教えてくれます。
10種類すべてをテイスティングしたら、判定を待つのみ。
すぐに結果がスマホ画面に表示されます。今回チャレンジした編集スタッフの好みは…
ビュンビュンタイプ!
きれいでスッキリとした、穏やかで優しい味わいの日本酒を好むことが判明。久保田でいうならば「千寿 純米吟醸」がピッタリ。こうして判定されたタイプは、お店の日本酒メニューに記載されているので、あとは自分のタイプのお酒を選べばいいだけ。
「分からないから適当に頼んでみたけど、まったく好みじゃなかった…」なんて失敗もなくなるんです。
既に自分がどんな日本酒が好きかを知っている方でも、YUMMY SAKEで新しい出会いや発見があるかも!
さまざまなシーンや食事に合わせた味が楽しめる日本酒「久保田」。
ぜひお気に入りの一本を見つけてみてください。お近くの方は「未来日本酒店/KUBOTA SAKE BAR」で好みの味を見つけるのもオススメです。
未来日本酒店/KUBOTA SAKE BAR
住所/東京都渋谷区宇田川町15-1 渋谷PARCO B1F
営業時間/11:00~23:30(L.O. 23:00)
※現在、新型コロナウィルスの感染防止対策のため、営業時間を11:00~22:00に短縮しています。
Photo_Kohji Kanatani Interview & Text_Megumi Waguri Edit_Yasushi Shinohara
未来日本酒店/KUBOTA SAKE BAR 店長・謝翠翠(シャ・スイスイ)さん