初心者向けチャートで見つかる! 日本酒「久保田」の選び方
名前やボトルを一見しただけでは、どんな味わいかイメージしづらいのが日本酒です。本記事では、どれを飲んだらいいのか分からないという初心者向けに、おすすめの日本酒「久保田」のタイプが分かる診断チャートを公開します。たどり着いたタイプの「久保田」を足掛かりに、日本酒の世界へ踏み出してみませんか?
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華のあるフルーティーな香りを持つ日本酒の人気が高まっています。奥深い世界を日頃から存分に楽しんでいる日本酒通だけでなく、日本酒ビギナーでも飲みやすいのが理由です。本記事では、フルーティーな日本酒とはどういった日本酒を指すのか、おすすめの銘柄5選を交えて紹介します。
目次
“フルーティー”と表現される日本酒は、華やかな香りのものが一般的です。まずは、フルーティーな日本酒の香りの特徴と味わい、香りが際立つ理由から解説していきます。
感じ方は人それぞれのため、絶対的な定義は存在しませんが、一般的にフルーティーと表現される日本酒は「吟醸香」と呼ばれる華やかな香りを特徴としており、具体的には吟醸酒であることが大半です。吟醸酒は「吟醸造り」という低温で長時間発酵させる製造方法によって造られますが、その過程で吟醸香が生まれます。
フルーティーな日本酒を探したいのであれば、吟醸酒を中心に探しましょう。
なお吟醸酒は、精米歩合60%以下の「吟醸酒」と、50%以下の「大吟醸酒」の2つに分類されます。さらに、米・米麹・水のみを原料とし、醸造アルコールを加えずに造られる吟醸酒は、「純米吟醸酒」と「純米大吟醸酒」と呼ばれています。
ちなみに「精米歩合」とは、玄米を削り残った割合を%で示したもの。例えば、精米歩合が60%だと、玄米を外側から40%削り取った状態のことです。
フルーティーかどうかは香りのことであり、味わいとはまた別の話。フルーティーな日本酒と言っても、まろやかな味わいもあればシャープな味わいもあります。
製造過程で醸造アルコールを添加するかしないかは飲み口にも影響します。一般的には、まろやかな味わいが好みなら醸造アルコールの添加されていない純米吟醸酒や純米大吟醸酒を、キレのある味わいが好みなら添加されている吟醸酒や大吟醸酒を選ぶと良いでしょう。
原料となる米の表面に多く含まれる脂質には、香り成分を抑制する働きがあります。そのため、表面を削るほど脂質成分が取り除かれ、酵母によって生成されるフルーティーな香りが強調されます。
そのため、よりフルーティーなものを希望するなら、精米歩合が50%以下の大吟醸酒・純米大吟醸酒に的を絞るのも1つの方法です。大吟醸酒・純米大吟醸酒の中でもできるだけ精米歩合の数値が小さいものを探すのもよいかもしれません。
なお、精米歩合は日本酒の香りだけでなく味わいにも影響します。一般的に精米歩合の数値が大きいほどコクのある味わいとなり、精米歩合の数値が小さいとすっきりとした透明感のある味わいとなります。
いつも同じ日本酒ばかり飲んでいる、もしくは「日本酒の選び方が分からない」という人は、日本酒のラベルに記載されている情報をチェックしてみると、新たな情報を発見できます。こちらでは「大吟醸酒」と「甘口」に焦点を当て、フルーティーな日本酒の選び方を紹介します。
フルーティーな日本酒を探す際は、精米歩合の数値が低い「大吟醸酒」がおすすめです。ラベルを確認して“精米歩合50%以下”の大吟醸酒や純米大吟醸酒を選んでみましょう。
他の日本酒と同様、フルーティーな日本酒も甘口と辛口があります。甘口・辛口を見きわめる指標となるのは「日本酒度」「酸度」「アミノ酸度」の3つです。
甘口の日本酒を見つけたい時は、まず日本酒度を要チェック。「やや甘口」とされる-1.5から-3.4、もしくは「甘口」とされる -3.5から -5.9を選ぶと良いでしょう。また、あくまでも目安ではありますが、酸度は低い方が甘口に感じやすいとされています。アミノ酸度は高いほどコクと旨味を感じられ、甘口と分類されます。
朝日酒造は、日本屈指の酒どころとして有名な新潟県で「美味しい日本酒」を追求し続けています。そんな朝日酒造がおすすめするフルーティーな日本酒を5つ紹介します。
※こちらの記事内で紹介した商品の価格は2022年10月1日現在のものです。
洋梨やメロンを思わせるフルーティーな香りと、甘味のあるジューシーな味わいの純米大吟醸。30年以上愛され続けている「久保田」らしいキレも感じられます。
日本酒に触れる機会が少ない30~40代のお客様にも親しみを覚えてもらえるように、英字の「KUBOTA」ロゴを用いたラベルに2020年秋にリニューアルしました。
また「少量で楽しみたい」という願いを叶える300mlサイズも新登場。日本酒の飲み比べをする時にもぴったりなサイズ感です。上品な華やぎは、乾杯酒にもおすすめです。前菜や、フルーツなどのデザートとのマリアージュを楽しんではいかがでしょうか。
「久保田 翠寿」は、加熱殺菌を行わず低温貯蔵した大吟醸の生酒です。みずみずしさや若々しさを感じさせるリンゴのようなフルーティーな香りが華やかに広がります。上品でありながら旨味もしっかりと感じられる味わいが魅力。
しつこさのない甘味、キレのある後味で料理の邪魔をせず、全体としてすっきりとした飲み口となっています。ハーブやスモーク素材など、香りを楽しめる冷製料理と合わせるのがおすすめです。
厳冬の寒造りによる低温発酵と氷温貯蔵を経て、4月の春の訪れとともに限定出荷される純米大吟醸が「爽醸 久保田 雪峰」です。ボトルやパッケージの清冽な白さは、春まだ浅き新潟の雪の溶け残る大地と、雪の下からの芽吹きを感じさせます。
マスカットや洋梨のようなフルーティーでフレッシュな香りが華やかに広がります。甘味と酸味の調和だけでなく米の旨味も大切にした味わいは、ほろ苦さのある山菜や菜の花などの春の味覚とも相性抜群。このお酒の持つ爽やかでフレッシュな香りをより楽しむためには、軽く冷やしたり常温で飲むのがおすすめです。
「爽醸 久保田 雪峰」が他の日本酒と違う点は、人気のアウトドアブランド「スノーピーク」との共同開発商品であるということ。すっきりとしていながら甘味があり、きれいな飲み口なのにどこかに初々しさや素朴さがある。自然の中で春を満喫しながら飲むのにぴったりなそんな味わいが、アウトドアで日本酒を楽しむという新しいカルチャーの到来を予感させます。
「朝日山 香里音 プレミアム」はアルコール度数が12度と「香里音」よりも高く、飲みごたえのある日本酒です。また、白桃のような濃厚な甘味が特徴ですが、一般的な甘口に比べるとシャープな口当たりで、キレのある酸味も感じられます。
食前酒としてはもちろん食事と一緒に楽しむこともでき、特にチーズやスパイスが入った料理との相性が抜群。また、甘味と酸味のバランスが良いお酒なので、デザートのお供にもぴったりです。
ジューシーな果実を連想させる甘酸っぱい味わいと、ブーケをイメージした香りを楽しめる新感覚の日本酒です。「香里音」の特長は、味わいの変化。冷やすと甘酸っぱさが際立ち、反対に温度が上がってくるとビターチョコを思わせる味わいに感じられます。
料理と合わせるなら酸味や甘味があるものが良く、食後のデザートとして、バニラアイスにかけるのもおすすめです。バニラの芳醇な香りと「香里音」の甘酸っぱくジューシーな味わいが絶妙にマッチ。奥深さと甘味を感じられる“バニラアイ酒”は、お酒初心者だけでなく、お酒好きでも満足できる一品です。
日本酒は温度帯やグラスの形状によって味わいが変わる魅力的な飲み物です。こちらではフルーティーな香りを最大限堪能できるおすすめの飲み方を紹介します。
日本酒は冷やすことで華やかな香りを感じられ、喉ごしがすっきりします。そのため、フルーティーな日本酒は、ぜひ冷やして飲んでみてください。おすすめは5~10℃です。これ以上冷やすと、せっかくの香りが感じづらくなってしまいます。
器の素材や厚さにこだわることもおすすめです。器を変えると、日本酒の味わいや香り方が変わります。例えば、シャープな切れ味の大吟醸酒には、薄く作られたガラス製の器が相性◎。華やかな香りをしっかりと味わうなら、飲み口のすぼまった、釣鐘型の酒器がおすすめです。グラスの中に香りを閉じ込めることができるため、飲む時にしっかりと香りを楽しむことができます。
ワイングラスも、香りを楽しむために綿密に計算されたデザインです。気分を変えたい時にぜひ試してみてください。
美味しい食事を楽しみたいなら、お酒と料理のマッチングが気になるところです。フルーティーな日本酒に合う料理について紹介します。
フルーティーな日本酒の特徴は、華やかな香味です。その特徴を踏まえると、相性の良い料理は「濃いめの味付けでボリュームのあるメイン料理」というよりは、「さっぱりとした味わいの前菜」をイメージするのがおすすめ。
実際、フルーティーな日本酒はその際立った香り立ちのため、食中酒よりも食前酒(あるいは食後酒)として楽しむ方が向いている場合が多いと言えるでしょう。
フルーティーな日本酒はライトで爽やかな風味のものが多いため、こってりと重く濃厚な味付けの料理と合わせると負けてしまいがち。素材に手を加え過ぎず、あっさりと薄めに味付けされた料理と組み合わせることで、お酒と料理が互いに引き立て合う食事の理想形が実現します。
そうした料理の例として、白身魚の刺身や酒蒸し、おひたしなどが挙げられます。淡白な味わいの和食はフルーティーな日本酒に特にぴったりと言えるでしょう。
フルーティーな日本酒と相性が良いのは和食だけに限りません。洋食でも、ホタテ貝柱のカルパッチョ、白身魚のポワレなどのような、淡白な食材を使用したライトな味わいの料理となら好相性。イメージとしてはシャンパーニュや軽めの白ワインなどが、フルーティーな日本酒の位置づけに近いと言えます。
フルーティーで爽やかな香りを持つ日本酒は、同じようにフレッシュな味わいのフルーツとも相性が良いです。甘さが控えめの洋風スイーツや和菓子ともマッチします。フルーツを使ったスイーツならより一層合うでしょう。また、カクテルとして楽しむのも一案。特にレモンやライムなど柑橘類のジュースとよく合います。
いわゆる“日本酒らしさ”を感じさせるアルコールのツンとした香りや、こってりと重い味わいとは異なるフルーティーな日本酒。
日本酒はあまり得意ではない人にも好まれやすい一方で、さまざまな日本酒を飲んできた人にも新たな味わいとして愛されています。日本酒の世界を広げているフルーティーな香りと洗練された味わいは、日常に華やぎを添えてくれることでしょう。