日本酒を飲んだことがない人の疑問を解決! よく聞く言葉「辛口」「淡麗」「キレ」って何?
2023.02.22

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日本酒を飲んだことがない人の疑問を解決! よく聞く言葉「辛口」「淡麗」「キレ」って何?

日本酒を飲んだことがない人にとって、どうしても分かりづらい言葉の多い日本酒の世界。説明を聞いたり読んだりしてもピンとこないという人も大勢いるはず。本記事ではそんな人たちのために、日本酒の世界で特によく使われる言葉から、絶対に押さえておきたい「辛口」「淡麗」「キレ」の3つをピックアップして解説します。

目次

  1. 飲んだことがない人には分かりづらい? 日本酒の世界の言葉たち
  2. 日本酒の「辛口」とは
  3. 日本酒の「淡麗」とは
  4. 日本酒の「キレ」とは
  5. 辛口で淡麗でキレのある日本酒を飲んでみよう
  6. 超頻出単語の意味が分かったら

飲んだことがない人には分かりづらい? 日本酒の世界の言葉たち

お猪口に注がれる日本酒

さまざまな用語がある日本酒の世界。
日本酒を飲んだことがない人にとって耳慣れない用語が多いだけでなく、日常的に使っている言葉が日本酒の世界ならではの意味合いを持っている場合もあります。

そのため、説明を読んだり聞いたりしても日本酒を飲まない人には分かりづらい、ということがあります。実際に飲んでみたら、説明を読んで思い描いた味わいと全然違った、なんてことが起こることも。

そこで今回は、日本酒に使う時はいつもと違う意味合いを持つ言葉や、そもそも日本酒の世界でだけ使われる言葉の中から、「辛口」「淡麗」「キレ」という3つをピックアップして解説します。
この3つの言葉は日本酒の世界では超頻出単語。本記事を読んでまずこの言葉の意味を押さえることで、日本酒を飲んだことがない人でも味わいを想像しやすくなり、日本酒を飲むことへのハードルがぐっと低くなるはずです。

日本酒の「辛口」とは

もっきりで注がれる日本酒

まずは、日本酒の味わいの表現としてよく使われる「辛口」について解説していきます。
「辛口で飲み飽きしない酒質に仕上げています」といった使われ方をする言葉です。

日常生活を送る中で「辛口」と聞くと、カレーの辛口や唐辛子やわさびといったものから感じられる、痺れるような辛い味わいを想像しがち。
ですが、日本酒の辛口は一般的にイメージされるこの辛口とは意味が異なり、「甘くない味わい」を指します。英語では「Dry」に当たる味わいを表現しているのが、日本酒の世界の「辛口」という表現なのです。
「Hot」や「Spicy」と表現されるような、唐辛子やわさびのピリピリ、あるいはヒリヒリとした辛さや塩辛さなどを表しているわけではないんですね。

下記の記事では、辛口の日本酒について詳しく解説しています。さらに知りたいという方は参考にしてください。

「甘くない味わい」と解釈をされている日本酒の「辛口」ですが、その対義語は「甘口」になります。こちらは「甘味のある味わい」を意味し、英語でも「Sweet」と表現されますが、ここで言う甘味も日本酒ならではの甘味を意味しているので油断は禁物。

一般的に甘味と言うと、チョコレートなどのお菓子から感じる、砂糖のような甘さを思い浮かべます。ですが日本酒における甘味は、日本酒の原料であるお米の糖分に由来するもの。日本酒を飲んだことがないと、甘口の日本酒を飲んだ時にチョコレートのような分かりやすい甘味を感じられずびっくりしてしまうかもしませんが、それはお米由来の糖分が砂糖のような甘さを感じさせないためです。

下記の記事では、甘口の日本酒について特集しています。さらに知りたいという方は参考にしてください。

日本酒の「淡麗」とは

おちょこに入った日本酒

「辛口」に次いで、日本酒を飲んだことがない人でもよく見かける言葉に「淡麗(たんれい)」があります。
日本酒の説明をする際に「淡麗な味わい、穏やかな香りに仕上げた日本酒です」といった使われ方をする言葉です。

「淡麗」とは、余計な味がなく、飲んだ時にさらっと喉を過ぎていくような味わいのこと。もっと馴染みのある表現に置き換えるなら、「すっきり」や「あっさり」「さっぱり」といったものになります。「クセがない」とも言い換えられるため、飲みやすい、どんなお料理とも比較的合わせやすい、といった点が魅力です。

そんな「淡麗」の反対に当たるのが「濃醇(のうじゅん)」。コクがあること、より簡単に言い表すなら濃い、しっかりとした味わいを意味します。

ここまでの解説を踏まえると、日本酒の世界でしばしば見かける「淡麗辛口」という言葉も、どんな意味なのかなんとなく想像がつくかもしれません。
「淡麗辛口」とは、すっきりとしていて、かつ甘くない味わいのこと。
濃醇辛口」という表現もあり、こちらはしっかりとした濃いめで、かつ甘くない味わいを表現しています。

同様に「淡麗甘口」「濃醇甘口」という言葉もあります。前者はすっきりとしていて甘味のある日本酒、後者はしっかりとした濃厚な味わいで、かつ甘味のある日本酒、ということになりますね。

日本酒の「キレ」とは

お猪口に注がれる日本酒

最後に「キレ」という言葉を解説します。
日本酒の世界では「冷やすとほどよい酸味とキレを感じられます」などの使われ方をする言葉になります。日本酒に限らず、ビールにも使われているのをよく見かけますね。

日本酒の「キレ」とは、日本酒を飲んで口の中に広がった味わいが消えていく様子のこと。
「キレがある」「キレが良い」と言われる日本酒は、口の中に広がった味わいがすっと引いていき、後味が軽やかですっきりしている、と評価されているのです。

ということは、「キレが良い日本酒」=「淡麗な日本酒」ということか! と考えるかもしれません。
ですが実際には、濃醇でキレが良い日本酒もあります。つまりコクがある味わいでありながら、後味はすっと引いていく日本酒、ということになりますね。

さらに気に留めておきたいのが、口に含んだあと、その味わいの消え方がゆっくりとしている日本酒であっても、「キレが良い」と表現する場合があること。その余韻の美しさへの褒め言葉として「キレが良い」という言葉を使っているのです。

そんな「キレ」の対義語が「押し味」。
「押し味」とは、口に含んだ味わいの余韻がしっかりと残り、長く続くことを意味しています。

押し味のあるものが好評であることの多いワインと比べ、日本酒はキレが良いものが高評価となる傾向です。
儚く散っていく桜の花や瞬きの間に消えてしまう花火など、一瞬の美に心惹かれる日本人らしい感性なのかもしませんね。

辛口で淡麗でキレのある日本酒を飲んでみよう

久保田 千寿

日本酒の世界における「辛口」、そして「淡麗」や「キレ」の意味を知れたところで、せっかくならその特徴を持つ日本酒を実際に飲んでみるのはいかがでしょうか。

1985年に誕生した「久保田 千寿」が目指したのは、淡麗辛口の味わい。
喉をさらっと通るキレがありながらまろやかさも感じられます。

久保田 千寿
1,800ml    2,588円(税込2,846円)
720ml    1,157円(税込1,272円)
300ml    538円(税込591円)

※商品の価格は2023年2月22日現在のものです。

超頻出単語の意味が分かったら

日本酒を飲んだことがない人にとって、どうしても分かりづらいものが多い、日本酒の世界の言葉たち。
本記事を読み、特によく登場する「辛口」「淡麗」「キレ」という言葉の意味を押さえたことで、記事を読む前よりも日本酒との距離が縮まったのではないでしょうか。
「辛口」「淡麗」「キレ」を持った日本酒を気軽な気持ちで一杯飲んでみて、頭で理解した味わいを実際に体感してみれば、さらにその距離が縮まりますよ。