日本酒「久保田」と楽しむ、長野県のご当地グルメ3選
毎回1つの都道府県にスポットを当て、久保田ファンと朝日酒造社員が一緒にご当地グルメと久保田を味わいながら、その地域やグルメにまつわるトークを楽しむオンライン飲み会「久保田ご当地グルメ部」。今回は、長野県をテーマに開催しました。ファンや社員おすすめの、久保田と楽しめる長野県のご当地グルメをご紹介します。
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日本酒の「久保田」の名前は、一度は聞いたことがあるという人も多いのではないでしょうか?でも、久保田を造る酒蔵の社名は朝日酒造株式会社。いったい久保田という名前はどこから来たのでしょうか?意外に知られていない久保田の名前の由来や、名前に込められた想いなどを紹介します。
目次
日本酒の銘柄として知られている「久保田」。この久保田という名前の由来は、実はあまり知られていません。
この名前の由来には、久保田を造る朝日酒造の歴史が深く関わっています。
新潟県長岡市に酒蔵を構える朝日酒造は、1830(天保元)年に創業しました。
創業当時の地域は朝日村と呼ばれ、その村の組頭として名主を支えていたのが、創業家の平澤家でした。資料によると、宝永年間(1704~1711年)の少し前に酒造りを始めたと推察されています。
1830年に、平澤家の四代目当主の由右衛門は、酒造業の事業分割を図って、当時3歳になったばかりの次男の與三郎に酒造業をのれん分けし、屋号を「久保田屋」と称しました。この屋号が、まさに日本酒「久保田」の名前の由来となります。
久保田屋は開業した当初は200石から300石程度でしたが、初売りから順調に売れたと伝えられています。父の教え通り、品質第一を家訓としており、品質本位で得た世間の信頼で、その後の不況や重税時代も切り抜けていきました。
当主の由右衛門も「小川屋」として酒造業を続けていましたが、幕末に入って厳しい経営となり、新時代への生き残りをかけて、1868年に平澤家の酒造業を久保田屋に一本化しました。
久保田屋として創業してから150年余り経った1984年。「高品質な美味しいお酒を届けていこう」との想いから、社運を賭けた一大プロジェクトが始動しました。「X銘柄」作戦です。
日本一の淡麗辛口を造ろうと試行錯誤の酒造りを続け、淡麗辛口ながらまろやかさとキレ味を感じさせる酒が出来上がりました。
完成した酒には、創業の精神に立って真剣によいものを造っていこうという決心を込めて、創業時の屋号から「久保田」と名付けました。
創業時の世相動乱の中で「酒造りを守り抜いた」先人の熱意、「灘に追いつけ追い越せ」と大正期の不況下でも工場の増設を続けたたくましさ、昼夜の別なく品質向上に精魂傾けたしぶとさが込められています。
ラベルに書かれた、独特の久保田という書。これは、新潟県出身の書家の坂爪叟玄(さかづめそうげん)氏によって揮毫されたものです。
久保田という名前を決めた後、坂爪氏のもとに依頼をしに行ったところ、坂爪氏からは創業時のとっくりの「久保田」の文字を使ってはどうかと提案がありました。しかし、創業時の精神をただ受け継ぐだけでなく、当時としての今を、「新しい美味しさ」への挑戦を表現したいという強い思いがあり、坂爪氏に懇願しました。
書いた「久保田」の文字は600枚を超えるほど。その中の数枚を坂爪氏は提出し、朝日酒造が選んだ最後の1枚が、久保田の“顔”となったのです。
久保田の名前でもう一つ特徴的なのは、「萬寿」や「千寿」と言った名前です。
久保田が誕生した1985年当時、日本酒には級別制度があり、「特級酒」「一級酒」「二級酒」と分類されていました。特級は品質が優良であるもの、一級は品質が佳良であるもの、二級は特級及び一級に該当しないものと分けられ、級によって酒税の割合が定められていました。
商品名もそのまま特級や一級と級がついているものが多かった中で打ち出したのが、一級としての「久保田 千寿」と二級としての「久保田 百寿」でした。
吉祥を意味する寿に、千や百を組み合わせた造語でしたが、今では久保田という名と同じくらい、萬寿、千寿という名前が知れ渡っています。個別の銘柄名が知られているというのは、日本酒の中でも珍しいのではないでしょうか。
「久保田 千寿」「久保田 萬寿」などの「寿」シリーズから始まり、アウトドアで楽しむ「久保田 雪峰」、さらにはアルコールを含まない「久保田 こうじあまざけ」と、今では全17種類まで幅を広げた久保田。
その中から、今回は日本酒が初めての方や飲み慣れていない方におすすめの久保田2本をご紹介します。
※こちらの記事内で紹介した商品の価格は2021年12月15日現在のものです。
誕生から30年以上経ち、その引き継がれてきた技を用いて、新しい美味しさを追求したモダンな日本酒が「久保田 純米大吟醸」です。
上質で華やかな香り、甘味と酸味が調和した味わい、久保田らしいキレのよさが、口の中でハーモニーを生み出します。
友人との気軽な家飲みや行きつけのバルで。気取らないプレゼントにも。上質な日本酒を、カジュアルに楽しみたい方におすすめの一本です。
久保田 純米大吟醸
1,800ml 3,400円(税込3,740円)
720ml 1,570円(税込1,727円)
300ml 750円(税込825円) ※化粧箱なし
2021年4月から発売している、久保田の初のスパークリングである「久保田 スパークリング」。
きめ細やかな泡立ちとマスカットのような爽やかな香りで、軽やかな爽快感を楽しめる、米から生まれたスパークリングライスワイン。ベースの純米酒の味わいを引き出すため、アルコール分は12度と一般的なスパークリングワインと同程度にし、甘酸っぱい味わいでボリュームはありながら、久保田ならではのキリっとしたシャープな酸味が口当たりすっきりと感じさせます。
久保田 スパークリング
500ml 1,200円(税込1,320円)
お酒の名前には、酒蔵の様々な想いが込められています。その想いを知ってお酒を味わうと、また一味違うはず。
普段飲んでいるお酒の名前の由来を調べてみると、きっとそのお酒がもっと好きになりますよ。