20代の日本酒リアルボイス――自分の好きなものに掛け合わせた日本酒の楽しみ方
20代に久保田の日本酒を飲んでもらい、正直な感想や意見をもらう「20代の日本酒リアルボイス」。今回はフリーライターの伊藤美咲さんに「久保田 千寿 純米吟醸」「久保田 純米大吟醸」を「午後の紅茶」とともに飲んでいただきました。今の20代は、日本酒に対してどんなことを感じているのか?お酒に触れ始めたばかりの世代が日本酒をどう捉えているのか、今夜の一杯のお供にぜひお楽しみください。
特集
20代に普段よく飲んでいるお酒を聞くと、ワインやチャミスル、ストロングゼロなどの回答は出てきますが、日本酒という声はなかなか出てきません。話を聞いてみると、日本酒は「ハードルが高そう」「友達と飲むお酒ではない」という印象があるそう。今回はそんなイメージを覆し、日本酒の魅力を知ってもらおうと、日本酒「久保田」を初めて飲むという20代に集まってもらいました。果たして日本酒の魅力は20代に伝わるのでしょうか?
目次
「若者のアルコール離れ」が言われて久しい昨今。アルコールの中でも特に日本酒は、20代から遠い存在となってしまっています。もちろん日本酒好きで、日本酒を楽しんでいる20代もいますが、まだまだ少数派。
20代に美味しい日本酒を知って欲しいと活動している、日本酒「久保田」を造る朝日酒造は、今の20代は実際のところ日本酒をどう思っている?というのを知るべく、20代を集めた座談会を開催しました。
座談会に集まったのは、20代前半の大学生や会社員など13名。本当は全く日本酒を飲んだことがない20代を集めようと思いましたが、意外にも募集ではほとんどいない状況に。日本酒を全く飲んだことがないという2名と、それ以外の11名は、日本酒は一度は飲んだことあるけれども、「久保田」を飲んだことがないという人たちに集まってもらいました。
日本酒、そして「久保田」への初チャレンジ!20代からはどんな声が聞けるでしょうか。
乾杯の1杯目は、日本酒初心者でも飲みやすいスパークリング日本酒の「久保田 スパークリング」。きめ細やかな泡立ちとマスカットのような香りで、甘酸っぱい味わいとともに軽やかな爽快感を楽しめる日本酒です。アルコール度数も12度と、一般的な日本酒よりはアルコール度数が低いのも魅力です。
一口飲んだ参加者たちの反応は・・・
甘くてめちゃめちゃ飲みやすい!
スパークリングワインよりクセがなくて飲みやすい!スパークリングワインはもう少し渋みが強いので、それより全然飲みやすくて、こっちの方が好き。
他のスパークリング日本酒だと、炭酸がなくなった後に一気に日本酒の辛さだけがくるというのがたまにあるけど、そういうのが一切なくて、すっきりしてるから飲みやすい。
と、飲みやすいという声があちこちから。これは幸先のいい反応です。
当日は、生ハムやサーモン、いちご、白桃、モッツァレラチーズ、生クリームを用意して、自由に組み合わせて楽しめるようにしました。そのまま飲んでも美味しい「久保田 スパークリング」に食べ物を合わせてみると・・・
生ハムがベストマッチ!塩味のある物を食べた後に飲むとより甘さを感じる。
桃と生ハムそれぞれ合わせてみたけど、桃より生ハムの方が合う。甘いものよりもしょっぱいものの方が合う。
単体だと甘いけど、サーモンと合わせたら意外に合う。
モッツァレラチーズと合わせると甘味を感じておいしかった。和食と合わせるイメージがあったが、これは発見!
と、塩気のあるものと一緒に食べた方が「久保田 スパークリング」の甘味をより楽しめる、ということを皆さん実感。日本酒と食べ物のペアリングで生まれる美味しさを、ちょっと感じてもらえたかも。
続いて飲んでもらったのは、シュワシュワ感なし、正真正銘の日本酒「久保田 千寿 純米吟醸」です。上品で澄んだ香りと、綺麗ですっきりとした味わいでバランスのよい日本酒です。
久保田には17種類の日本酒がありますが、その中でも過去イベントなどで出した際に、20代の方から飲みやすいと好評だった銘柄をチョイス。さて、反応はいかに?
スパークリングの方が飲みやすい。特有の味が残る感じがして、甘いお酒が好きな人には向かないかもしれない。
スパークリングと比べたらやっぱりキレがあるので、日本酒が苦手な人だと辛口な方ではあるかも。
と、甘さのあった「久保田 スパークリング」と比較すると辛く感じるという人がいる一方で、こんな声も。
フルーティーな甘さというか、純粋に甘い!
米のおいしい甘い部分を不自然なく凝縮して、おいしいところだけを集めたお酒という感じ。
と、お米の甘さを感じるという声も多く、正反対の感想。お酒の経験値や味の好みによって、味わいの感じ方には違いが出るようです。
「久保田 千寿 純米吟醸」も食べ物と合わせてみると、こんな発見も!
果物とサーモンと生クリームを合わせて、生クリームが一番合う。しょっぱいのより甘いものの方が美味しく感じる。甘さがあった方が、日本酒飲み慣れていない人とかにはいい感じに緩和されて、飲みやすいのかな。日本酒苦手な人は、甘いものと合わせると飲みやすくなりそう。意外といいかも。
日本酒に合わせる食べ物と言えば、刺身や天ぷらなどの和食が定番ですが、日本酒初心者の方には甘いものと一緒に飲んでみるのをおすすめする、というのがよいのかもしれませんね。
そのままはちょっと苦手という人も、こうしたらどうだ!?と用意していたのは、「久保田 千寿 純米吟醸」にトニックウォーターとレモン果汁、氷を入れて作るレモンサワー。
そんなアレンジの提案に、参加者たちからも驚きの声が。
日本酒を割ったことない。もったいないと思っちゃうし、怒られる感じがした。
高級なレモンサワーという感じもするけど、個人的には日本酒そのまま飲みたい。
日本酒を割って飲んではいけないと思われがちですが、そんなことありません!日本酒も色々割って楽しんでいいのです。
日本酒そのままの味わいが美味しいと感じた人にとっては、レモンサワーはちょっと物足りなかったり、もったいないと感じてしまったりするようです。
一方で、先程そのままは特有な香りで飲みにくいと話していた人は、レモンサワーを飲んでみたら、なんと今日飲んだ中で一番好きという結果に!
飲みやすくなった!日本酒って分からなくなる。日本酒苦手な人もこれならイメージ変わると思う。
うまいですね!これ知っていれば、日本酒苦手な人に飲み方教えて、だんだん好きになってくれるかもしれない。徐々にサワーの量減らして、日本酒に近づけて。
今回はレモンサワーにしましたが、紅茶やコーヒー、フルーツジュース、ヨーグルトなど、日本酒は色々割って楽しめるもの。日本酒苦手な人にとっては、アレンジして飲むのが日本酒の入り口としてよさそうです。
「若い人たちがみんな日本酒を嫌いなわけじゃなくて、飲めたらかっこいいなという憧れでもある」
参加者からこんな言葉を聞き、ハッとさせられました。つい20代という言葉で一括りにして、20代=日本酒に興味がないと考えがちですが、決してそいう訳ではないのです。
また、20代には甘い日本酒や低アルコールの日本酒がいいだろう、と考えてしまいがちでしたが、甘いスパークリング日本酒を好きという人もいれば、辛口な日本酒をそのまま飲むのが好きな人もいて、同じ20代でも味わいの感じ方や好きな味わいは十人十色です。
今回の座談会に参加して、「日本酒の美味しさを知れて良かった」という感想を多くいただきましたが、この美味しさをどう知ってもらうかというのがポイント。それは、決して米や酒造りのこだわりなどではありません。
日本酒をそのままだと苦手と感じた人も、割り方などの工夫をするとその苦手意識を克服し美味しさを体感したように、「日本酒って意外と色々な飲み方ができる」と知ってもらうこと。
「美味しさがあんまりわからないものというイメージだったが、料理と合わせることで美味しさが分かった」「料理に合わせやすくて、洋食和食問わずなんにでも使える」というように、料理と合わせた時に生まれる美味しさがあること。
こんなちょっとしたことで、「おじさんくさいイメージが消えた」と話す参加者もいました。
日本酒を飲みたい方法で飲んで、食べたい料理と一緒に楽しむ。日本酒は決してハードルが高いものではなく、もっと気軽に楽しんでいい。それをもっと知ってもらいたい、と感じた座談会でした。