1月15日はいちごの日! 日本酒との組み合わせで大人ならではの味わいを
1月15日はいちごの日。1月はいちごが一番美味しい時期とも言われています。馴染みあるいちごも、日本酒と合わせることで大人ならではの味わいが楽しめます。今年のいちごの日は、少し贅沢なひとときを味わってみませんか?
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日本酒は、ビールやハイボールに比べて若い世代には馴染みが薄いのではないでしょうか。ハードルが高いイメージを払拭する、カクテルにして飲みやすい「ぽんしゅグリア」は面白くて新しい日本酒の飲み方です。気軽に飲める日本酒カクテルの魅力を掘り下げてみましょう。
目次
日本屈指の酒どころ新潟県だから生まれたと言っても過言ではない、サングリア風日本酒カクテルが簡単に作れてしまう “カクテルの素” が「ぽんしゅグリア」です。
カップに、国産ドライフルーツ、甜菜糖、はっか糖が入っていて、開封前なら常温でも保存できる優れもの。ドライフルーツに使用する果物類は規格外のもので、フードロス削減にもなっています。はっか糖は明治初年から作られた新潟銘菓で、湯沢・塩沢・六日町方面の菓子店が元祖、現在では南魚沼を中心に小出、十日町、長岡でも製造されています。
ワクワクする果物と可愛らしいパッケージのぽんしゅグリアは、日本酒初心者や若い方に受け入れやすいでしょう。ワンカップなのでそのまま飲める手軽さもポイントです。
作り方は至って簡単、日本酒を注ぐだけ。発泡系、淡麗辛口系、濃醇うま口系、銘柄も気にせずなんでもあり。
外蓋とプルトップ式の内蓋を取って日本酒を注ぎ、砂糖が溶けるまで待ちます。マドラーなどでかき混ぜると早く溶け、ドライフルーツを少し潰すようにしても良いでしょう。
ぽんしゅグリアは長岡市の株式会社FARM8が開発した商品。同じく長岡市の朝日酒造「久保田」との相性はバッチリです。
組み合わせは無限大、自由に楽しめるぽんしゅグリアですが、種類が多くて悩んでしまうのではないでしょうか。そこで、実際に試してみて美味しかった組み合わせを紹介します。
低めのアルコール度数でほんのり甘め、シュワッと炭酸が強い「久保田 スパークリング」に相性が良いのは「ゆず」。
注いでから混ぜてしまうと炭酸も抜けてしまうので、手を加えずにそのまま飲みましょう。砂糖が溶けきらなくても「久保田 スパークリング」が甘いので十分。ゆずの苦みと爽やかな香りが徐々に心地よく混ざり合っていきます。瓶の底に残った砂糖でもう1杯飲めるお得感もあり。2杯目はドライゆずも柔らかくなってくるため少しずつ食べながら口に含むと、ゆずの酸とはっか糖の爽快さ、上品な甘さで味に幅がつき、満足度の高い2杯目となります。
淡麗辛口の日本酒にはスイートなぽんしゅグリアを合わせるのが定番ですが、「久保田 千寿 純米吟醸」の軽快な酸とキレの良さを消してしまうのは勿体ない。そこで千寿 純米吟醸のすっきり感を残しつつフレーバーを加えるには、「柿」「みかん」「梨」がおすすめです。
これら3つは、数少ない日本原産の果物。甘すぎず、控えめな香りが日本酒と合わないはずがありません。柿はほんのりと彩りを添える程度の変化が奥ゆかしく、みかんは程よい甘みと酸がお酒の酸と丁度良く混ざり合い、梨は吟醸の香りを増幅させてくれます。
「久保田 純米大吟醸」にはフルーティーな香りを助長するような果物を合わせると更に華やかになります。「りんご」は間違いない相性で、りんごの酸とすっきりした甘さは純米大吟醸に厚みをもたらせてくれます。「レモン」の酸と苦みは後半のキレを良くしてくれ、「もも」はふくよかさと甘みが増し、余韻が長くなります。
ぽんしゅグリアは日本酒初心者だけが楽しむものではありません。上級者はドライフルーツのブレンドと燗酒に挑戦してみてはいかがでしょう。
「プラム」のカップに「愛媛オレンジ」2切れ、「キウイ」1切れを加え「久保田 千寿 純米吟醸」を。
「いちご」のカップには「メロン」2切れ、「りんご」1カットを入れて「久保田 純米大吟醸」をそれぞれ注ぎます。
カップのまま湯煎して40℃まで温めます。冷酒だとドライフルーツの味が出るまで時間がかかりますが、燗酒にすることでしっかり味と香りが出てくれます。
日本酒も口当たりがまろやかになりドライフルーツとよく馴染み、「久保田 千寿 純米吟醸」はプラムの甘酸っぱさと愛媛オレンジの芳醇な香り、キウイの酸が複雑さを加え、千寿 純米吟醸らしいスッとキレる後味はそのままです。
「久保田 純米大吟醸」は、お酒が持つ本来の香りと似たドライフルーツを加えているためふくよかな燗酒に。いちごとの相性は抜群で、そこに吟醸香に幅を持たせるメロン、りんごの酸が重なることでコクがありふくよかでありながら、綺麗にキレます。
一番のおすすめは燗冷ましです。最初から冷酒で注ぐより一度燗酒にした方が全体に味が馴染んでバランスもよく、自分好みの味に出来るからです。
香りを嗅ぎながら温め、「ここだ!」と思ったところですぐ氷に入れて急冷することで、決まった味になり最後まで好みのまま飲み切ることが出来ます。日本酒やカクテルの新たな一面を発見することができ、久保田に馴染みのある方にこそ試して欲しい方法です。
若い世代や日本酒に抵抗がある方にも美味しく飲めるぽんしゅグリア。手軽で簡単に出来るカクテルですが、温めたりブレンドしたりと実験のように楽しめる奥深さもあります。日本酒を使用するのが基本ですが、実はノンアルコールでもOK。特に良かったのが、プレーンヨーグルトを入れて冷蔵庫で一晩寝かせる方法。ドライフルーツがプルプルと変化し、ヨーグルトの酸とよく合います。日本酒の成分である乳酸との相性は抜群なので当然の組み合わせ。
皆さんも楽しみながら自分だけの “ぽんしゅグリア” を見つけてみてくださいね。
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まゆみ
酒匠、料理研究家。 1日も欠かすことなく酒を呑み続ける、驚胃の持ち主。郷土料理を大事にし、添加物の無い食卓を心がけている。ブログ「スバラ式生活」は人気。著書に、うち飲みレシピ、スバラ式弁当がある。