日本酒「久保田」と楽しむ、山口県のご当地グルメ3選
毎回1つの都道府県にスポットを当て、久保田ファンと朝日酒造社員が一緒にご当地グルメと久保田を味わいながら、その地域やグルメにまつわるトークを楽しむオンラインイベント「久保田ご当地グルメ部」。今回は、山口県をテーマに開催しました。ファンや社員おすすめの、久保田と楽しめる山口県のご当地グルメをご紹介します。
楽しむ
柿は日本の国果であり、10月26日は「柿の日」だと知っていましたか? 昔から親しまれてきた柿ですが、そのまま食べても美味しい柿にちょっと手を加えると更に美味しく、お酒にもぴったりな1品にすることが出来ます。秋に旬を迎える柿を日本酒と一緒に楽しみましょう。
10月26日の「柿の日」は、全国果樹研究連合会のカキ部会が柿の販売促進を目的として2005年に制定しました。
なぜこの日になったのかというと、皆さんもよくご存知の「柿食えば鐘が鳴るなり法隆寺」という有名な俳句がきっかけ。正岡子規がこの柿の句を書いたのが10月26日であったといわれているからです。
正岡子規は柿が好物であったようで「柿落ちて犬吠ゆる奈良の横町かな」「渋柿や落ちて踏まるゝ石の上」など他の句にも柿を使っているものが多くあり、昔から柿というのは日本の生活に馴染んでいたのかもしれません。
柿の原産は中国という説もありますが、紀元前より日本や韓国に分布しており、縄文時代の遺跡から種が見つかっているため日本でもかなり古い時代から食されていたことが分かります。
17世紀に日本からヨーロッパへ、19世紀には北アメリカへ伝わり、その経緯から学名にディオスピロス・カキ(Diospyros kaki)と柿の名が付けられているほど。海外ではあまりメジャーではない果物ではありますが、最近は認知度も上がってアメリカやフランスでも「KAKI」と記載して販売しているようで、日本の果物が世界に広がっているのは喜ばしいことではないでしょうか。
柿の品種は豊富ですが、基本的に甘柿と渋柿に分けられ、タンニンという成分で甘いか渋いかの分かれ目となります。甘柿にもタンニンが含まれていますが不溶性のタンニンなので渋みが少なく、渋柿のタンニンは水溶性のため口に入れた瞬間から溶け出し、強烈な渋みとなっていきます。そのため、渋柿は焼酎や炭酸ガスを使用して渋抜きを行います。どちらもアセトアルデヒドを利用して水溶性のタンニンを不溶性に変化させるというもの。一般的に甘柿に比べて渋柿の糖度が高いため、渋抜きをすることで本来の甘さを感じられ、渋柿の方が甘い柿となるのです。
おけさ柿というのは「平核無(ひらたねなし)」「刀根早生(とねわせ)」という品種で、やや扁平な形の種の無い渋柿。
代表産地である佐渡の民謡「佐渡おけさ」から由来しています。また、種がないことが越後の七不思議についで8番目に不思議なことから、別名「八珍柿」と呼ばれることも。佐渡市の羽茂地区、新穂地区、赤泊地区、新潟市の巻地区、秋葉区などで生産されており、まろやかで上品な甘さが特徴です。
嬉しいことに柿はカロリーが控えめな上に栄養はとても豊富。
ビタミンCはレモン1個とほぼ同量、ポロフェノールは赤ワインの10倍も含まれており、βクリプトキサンチンやリコピンといった生活習慣病の予防に効果的な成分もあります。
特に、タンニンはアルコールの吸収を妨げ、カロテンは肝臓の機能を高め、カリウムの利尿作用によりアルコール成分を排出するという、実際に柿に含まれる成分は二日酔いに効くということも分かっています。
もちろん、そのまま食べても美味しい柿ですが、実はお酒との相性も抜群。栄養満点の柿をおつまみにも取り入れてみましょう。
柿生ハム
【材料】
・おけさ柿 : 1個
・生ハム :適量
・オリーブオイル : 小さじ1
【作り方】
① 柿を一口大に切り、生ハムを柿の大きさに合わせて切る。
② 柿に生ハムの乗せ、オリーブオイルをかける。
定番、生ハムメロンの柿バージョンで、柿の控えめな甘さが生ハムの塩気と肉のうま味を引き出します。
お酒は「久保田 萬寿」を合わせましょう。おけさ柿の滑らかな口当たりと後味スッキリした甘さは萬寿 のフルーティーな香りと同調し、ふくよかさと生ハムのボリューム感がつながります。
柿のスパイシートースト
【材料】
・おけさ柿 : 1個
・パン(バゲット、食パン8枚切りなど) : 適量
・バター : 10グラム
・カルダモン(細かく刻む) : 少々
【作り方】
① 柿とバターを小さめの角切りにし、スライスしたパンに乗せ、カルダモン少々をふる。
② トースターで1~2分焼く。
実は、柿はチーズやバターといったミルキーなものと相性が抜群です。片手でつまめる小さなトーストはおつまみに最適。サクッと焼かれたパン、熱が加わってとろりとなった柿、バターの芳醇さ、カルダモンの爽やかな香りが渾然一体となった一品。お酒は「久保田 碧寿」がおすすめ。複雑な乳酸とコクがある碧寿は、ミルキーで甘いこのトーストとは間違いないペアリングです。
柿のマチェドニア
【材料】
・おけさ柿 :1個
・砂糖 :大さじ1
・レモン汁 :小さじ1
・クローブ : 1粒
【作り方】
① 柿を一口大に切る。
② 砂糖、レモン汁、クローブをボウルに入れ、2~3時間置く。
マチェドニアとは、イタリア風のフルーツポンチ。本来は数種類の果物を使いますが、シンプルにおけさ柿だけです。
砂糖が溶けると柿も水分が出てきて角がなくとろりとした口当たりに。クローブの甘い香りが加わって、お酒に寄り添います。
このままデザートとしても良いですが、「久保田 スパークリング」に加えると、スパークリングの心地よい炭酸感と甘くスッキリした後味に柿の上品さとクローブのエキゾチックな香りで、食前酒にぴったりな1杯となります。
秋の味覚の代表である柿。食後に剥いて食べるだけでは勿体ない!
特に酒飲みに最適な栄養素もたっぷり、おつまみにも最高です。2ステップで仕上がる簡単レシピで、火も使いません。来客時にもサッと作れ、毎日の食卓であと1品という時にも便利な柿レシピ、是非お試しください。
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まゆみ
酒匠、料理研究家。 1日も欠かすことなく酒を呑み続ける驚胃の持ち主。酒と蕎麦と音楽を愛する。著書「うち飲みレシピ」「スバラ式弁当」。