母の日は日本酒と手料理をプレゼント。おうちで一緒に乾杯しよう
今年の母の日は5月12日です。連休の後すぐの週末。母の日は、おうちでゆったり過ごそうという方も多いかもしれません。今回は母の日のプレゼントにふさわしい華やかな香りの日本酒や一緒にふるまいたい手料理、日本酒の飲み方アレンジをご紹介します。
楽しむ
本格的に暑くなるこれからの季節は、キリッと冷えた酒が飲みたくなります。日本酒も、夏はロックで楽しむのも一つの楽しみ方です。ここでは、日本酒ロックの味わいの特徴や、グラス・氷の選び方、日本酒ロックにおすすめしたい酒などを紹介します。
目次
ロックで楽しむ酒といえば、ウイスキーや焼酎などが一般的です。一方、「日本酒ロック」を楽しんでいる人は、まだまだそう多くないかもしれません。
日本酒好きの人から邪道だと思われそうで日本酒ロックを試したことがない人や、そもそも日本酒に氷を入れる発想がなかったという人もいるのではないでしょうか。
ですが、実は日本酒ロックの歴史は古く、その味わいも格別です。日本酒好きの人にぜひ知っていただきたい、日本酒ロックの歴史や魅力について紹介します。
日本酒は、冷酒や常温、ぬる燗や熱燗などの燗酒、といったように好みの温度で楽しむことができます。また、同じものでも温度によって香りや旨味などの味わいが変化するのも、日本酒の面白いところ。そんな自由な酒だからこそ、日本酒ロックも邪道ではなく、立派なひとつの楽しみ方です。
そして、実は古来より日本の夏には、日本酒ロックが親しまれていました。なんと、奈良時代には既にその記録が残っています。わが国最古の歴史書である日本書紀の中に「氷室(ひむろ)の氷、熱き月に当たりて、水酒に浸して用(つか)ふ」という一文があります。
氷室というのは、いわば氷の貯蔵庫。冬の間に凍った池などから大きく切り出した氷を氷室に入れ、草などで覆って保存していました。暑い季節になると、氷室から出してきた氷をお酒に浮かべて楽しんでいたというわけです。
近代になって市場に氷が出回るようになるまでは、氷はとても貴重なものでした。そのため、氷をお酒に浮かべて飲むことができたのは、ほんの一握りの権力者だけ。そんな歴史に思いをはせれば、日本酒ロックも格別の味わいになることでしょう。
日本酒ロックは、冷酒とはまた違った軽やかな味わいが魅力です。
氷を入れて日本酒の温度が下がることで、お酒の味わいがなめらかになり、軽快な喉越しが際立ちます。
好みによってレモンやすだちなどを搾っても、さらに爽やかさが増します。
非常に飲みやすいため、ついついお酒が進んでしまいますが、日本酒ロックならその点も安心。
氷が日本酒に溶け出すために適度にアルコール度数が下がり、お酒があとに残りにくいというメリットがあります。日本酒が苦手な方やお酒に弱い方も、日本酒ロックにすると飲みやすくなるので、ぜひお試しください。
また、たくさん汗をかく夏にはアルコール度数が高いお酒は体に負担をかけることもあります。そのため、氷によってアルコール度数を下げた日本酒ロックは、夏にぴったりの飲み方とも言えるでしょう。
酒の種類によって適した飲み方があるように、日本酒ロックにも合う酒があります。氷を入れても強い個性を感じられる酒や、氷を入れることでまろやかな味わいを楽しめる酒など、おすすめをいくつかご紹介します。自分好みの酒で、日本酒ロックをお試しください。
フレッシュで爽やかさのある味わいが好きな人には、生酒がおすすめです。
一般的に、日本酒は原料である米・米麹・水を発酵させた「もろみ」という、ドロリとして白濁した液体を搾り、2回の火入れ(加熱処理)を行います。これにより、日本酒をおいしい状態で長く保存できます。これに対して、生酒とは火入れを行わないお酒です。
生酒は、もぎたてのフルーツのようなみずみずしい甘味と酸味が感じられるのが特徴で、ロックにしても爽やか。
生酒は、ラベルに「生酒」あるいは「生」などと記載されていることが多いので、購入するときはチェックしてみましょう。
氷を入れてもなお、力強い味わいが欲しい人には、加水処理をしていない原酒がおすすめです。
先に紹介したように、日本酒造りではもろみを搾って火入れをしますが、そこに水を加えて味わいや香り、アルコール度数などを調整する「加水」と呼ばれる工程があります。原酒とは、加水処理をする前の状態で出荷したものを指し、水を入れていない分、アルコール度数は20度前後と高めです。
また、原酒と似た名前の酒に次の種類があります。それぞれの違いも押さえておきましょう。
・無濾過生原酒
もろみを搾ったまま、火入れも加水もしていない酒
・生原酒
無濾過生原酒を濾過して、香味を整えた酒
・原酒
搾ったお酒を火入れ後、加水調整せずに出荷する酒
原酒の味わいを一言で表すなら、「濃厚」。氷を加えても、しっかりとした酒の個性を強く感じられます。日本酒ロックの他、炭酸割りなどにしてもおいしくいただけます。
にごり酒の特徴である白く濁った色は、もろみを粗めに搾って液体に澱(おり)を残すことで生まれます。見た目の通り、濃厚でまったりとした口当たりが特徴で、豊かな香りと味わいを感じられます。炭酸ガスが残った発泡性のものや、もろみを搾ったときに最初に出てくる「あらばしり」など、バリエーションも豊富。
にごり酒は基本的に冷やして飲む酒ですが、アレンジの幅も広く、日本酒ロックもよく合います。お好みで、炭酸割りやレモンやライムを搾っても違った味わいが楽しめます。
生酒、原酒、にごり酒は、氷を入れてもくっきりとした個性が際立つ酒ですが、飲みやすい日本酒ロックが良い人には、純米大吟醸酒や純米吟醸酒をおすすめします。純米大吟醸酒の華やかな吟醸香や、純米吟醸酒の芳醇な味わいと華やかな香りのコントラストは、日本酒ロックにもマッチし、すっきりとしたまろやかな飲み口になります。
日本酒ロックは、氷と日本酒さえあればすぐに作れる手軽さも魅力です。しかしながら、本当においしい日本酒ロックを作るには、細部にちょっとしたこだわりを持つことが肝心。グラスと氷、この2つのポイントを押さえておきましょう。
日本酒ロックに限らず、日本酒はどんな酒器を選ぶかで味わいが変化します。ぜひ、見た目にも清涼感を与えるようなグラスを選びましょう。また、グラスの形状も大きなポイントです。大きな氷を浮かべ、お酒の味わいの変化をじっくり楽しみたいなら、背が低くて飲み口が大きめのグラスがよいでしょう。あるいは、喉越しや爽快感を存分に味わいたいなら、たっぷりと注げる背の大きいグラスにするなど、用途に合わせたグラスを選ぶとよいでしょう。
氷の質やサイズによっても、日本酒ロックの味わいは大きく変わるため、ぜひ氷にもこだわりましょう。
お酒の味わいを損ねないためにはロック用の氷を使うのがベストですが、自宅で準備する場合は、ぜひミネラルウォーターで氷を作ってください。その際、氷のサイズにも注意しましょう。小さい氷は溶けるスピードが速いため、一気に日本酒が薄まってしまいます。氷のサイズはできるだけ大きめにするのが鉄則です。
喉越しの良さや爽やかな味わいなど、日本酒ロックにぴったりの味わいの酒を3つ紹介します。
※こちらの記事内で紹介した商品の価格は2024年7月26日現在のものです。
透明感のある穏やかな香りで、ガツンとした旨味とキレのある酒です。
氷を入れることでシャープになり、爽やかな旨味を堪能できます。
原酒のためアルコール度19度の強い味わいがありながら、一転してスッと引く喉越しは正に劇的!
おすすめはロックや冷酒ですが、燗酒でも楽しめる食中酒に仕上がっています。
力強い辛口の味わいを表現した、シルバーのラベルが目印です。
朝日山 辛口ハード
1,800ml 2,485円(税込2,733円)
720ml 1,168円(税込1,284円)
果実を思わせる甘酸っぱい味わいと、なめらかな口当たりが特長的な純米にごり酒です。
冷やすと爽やかな風味が際立ち、リッチな甘味とともにすっきりとした余韻が楽しめます。
朝日山 純米にごり
720ml 955円(税込1,050円)
口当たりはやわらかく、ドライな飲み口を楽しめます。冷やすとほどよい酸味とキレを、常温になると酸味がたち、旨味の余韻を感じられます。さっぱりとした料理はもちろん、バターやマヨネーズなどを使ったコクのある料理ともお楽しみいただけます。ライムなど柑橘類のフルーツを薄くカットしたものをロックグラスに入れて、爽やかな香りとともにお楽しみいただくのもおすすめです。
久保田 千寿 純米吟醸
1,800ml 3,160円(税込3,476円)
720ml 1,470円(税込1,617円)
300ml 740円(税込814円)
本記事では、日本酒ロックに合うお酒として、「生酒」「原酒」「にごり酒」「純米大吟醸酒」「純米吟醸酒」などを紹介しました。それぞれ、そのままと日本酒ロックの味わいの違いを飲み比べてみるのも面白いかもしれません。大ぶりの氷とお気に入りのグラスを準備して、日本酒をロックで楽しんでください。