「にいがた酒の陣」攻略法! 日本酒「久保田」のファンが初出陣して分かったこと
3月に新潟市の朱鷺メッセで開催された「にいがた酒の陣2023」。コロナ禍を経て4年ぶりに帰ってきたビッグイベントに、日本酒「久保田」のファンも県外から駆け付けました。当日の現場の雰囲気や、より楽しむための攻略法を教えてもらいましょう。
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新潟は、おいしい米と綺麗な水に恵まれ、そのお米と水から作られるおいしい日本酒も、とても種類が豊富です。数多くの有名銘柄があり、日本酒生産量もトップクラスの新潟。ここでは特におすすめの新潟・長岡市の日本酒をご紹介します。絶品な新潟のお酒で晩酌したり、お土産として選んでみてはいかがでしょうか?
目次
上質な米と清らかな水を使った新潟の酒は、まさしく日本酒を代表するにふさわしい味わいです。新潟では、なんと1000年前から日本酒造りが行われていたそうです。また、新潟の酒造りの発展を後押ししたのは、かの上杉謙信が酒や麹に対しての税金を免除したことによる、との話も残っています。そんな新潟の酒の特徴と、おいしい新潟の酒を選ぶコツも合わせてご紹介します。
新潟の酒の味は「淡麗」なのが特徴ですが、最近では辛口から甘口まで幅広くあり、好みによってテイストを選ぶことができます。
新潟の酒の生産量が多い理由は、その独自の環境によるもの。まず、夏場の長い日照時間によって、上質な米が採れる米どころであること。また、新潟県内の水は雪解け水由来の水で、ほとんどが硬度が30~50mg/Lのミネラル分の少ない軟水のため、おだやかでキメの細かいタイプの酒の醸造が可能となります。そして、冬場の12月~2月は温度変化が少ないので、酒造りの際に安定した発酵温度が保てるのです。さらに、日本三大杜氏の一つである、「越後杜氏」を輩出した土地でもあります。こうした自然環境や歴史により、新潟での酒造りが盛んなのです。
新潟の酒を語る上で外せないのは、長岡市でしょう。長岡市は、全国で第2位、新潟県内でも最多である16蔵もの日本酒蔵元数を誇っています。この長岡に残る日本酒の文化を継承するために、「長岡市日本酒で乾杯を推進する条例」もあるほど。そのため、長岡市内の居酒屋やレストランでは必ずと言っていいほど地産の日本酒を提供しており、気軽に乾杯できます。
そんな新潟県長岡市では、毎年4月頃に「越後長岡蔵開き」という日本酒イベントが開催されます。初開催の2019年は、朝日酒造、お福酒造、長谷川酒造、吉乃川の4つの酒蔵で、各蔵の見学やお酒・甘酒の試飲、音楽コンサートなども開催。「蔵開き」を同日開催することで、産地イメージの一体感を生み出し、地域内外や県外の皆様にもお越しいただきたいとの想いから企画がスタートしたイベントです。
朝日酒造は来迎寺駅、吉乃川と長谷川酒造、お福酒造は宮内駅が最寄りの駅ですが、イベント当日は、酒蔵の間をシャトルバスが運行しているので、車での移動の必要がない点も安心です。
(今年も4月に「越後長岡蔵開き」を、朝日酒造、お福酒造、柏露酒造、長谷川酒造、吉乃川の5つの酒蔵で開催予定でした。しかし、新型コロナウイルス感染症の影響により、お客様の感染防止及び製造部門の安全管理面を考慮し、中止とさせていただくことにいたしました。)
明治時代からお米本来の旨味を生かした酒造りをしている「お福酒造」。その製造法の一つである寒造りで仕上げた純米大吟醸です。蔵内で低温貯蔵させた清楚で上品な芳香と、熟成によるまろやかな味わいが特徴です。10度程度の花冷えで飲むことで、ふっくらとした上質な辛口のテイストが味わえます。
蔵元:お福酒造
タイプ:純米大吟醸
精米歩合:50%
アルコール度数:16度
1751(宝暦元)年の創業以来、越後でお酒を作り続けてきた「柏霧酒造」。酒造好適米の山田錦を35%まで磨き上げ、全量使用し、長期低温発酵で生まれた大吟醸酒です。華やかな香りと繊細かつ深みのある味とスッキリとした後口に仕上げました。木箱が上品なイメージで、贈答用としてもぴったりです。常温〜冷酒でお楽しみいただけます。
蔵元:柏露酒造
タイプ:大吟醸
精米歩合:35%
アルコール度数:16度
1842(天保13)年から酒造りの伝統を守り続けている「長谷川酒造」。そんな長谷川酒造を代表する純米大吟醸が「越後雪紅梅」です。契約栽培米「越淡麗」を小タンクで丹念に仕込み、気品ある華やかな香りと甘美な味わいが楽しめます。名前の通り、パッケージの濃い梅色がアクセントになっており、上品な桐箱に入っているので、贈答用としてもぴったりです。
蔵元:長谷川酒造
タイプ:純米大吟醸
精米歩合:40%
アルコール度数:16度
1548(天文17)年の創業以来、伝統を守りつつチャレンジを続けている「吉乃川」。「みなも」は、「いまの毎日を豊かにするお酒」をコンセプトに、30年ぶりに生まれた新ブランドです。味や香りの異なる日本酒をブレンドして生み出した一本が、「吉乃川 みなも 純米大吟醸」です。食の時間のひと時をゆったり味わうためのお酒を目指しており、その通りキレのいい辛口で香りもバッチリ。普段よりも少しこだわった食の時間に、おいしいご飯とともに楽しみたい一本です。
蔵元:吉乃川
タイプ:純米大吟醸
精米歩合:40%
アルコール度数:15度
1830(天保元)年の創業時の屋号「久保田屋」を冠した「朝日酒造」を象徴する銘柄、「久保田」。その中でも長年愛されている「久保田 萬寿」は、華やかな香りに、重厚な味わいが広がります。深みのある心地よい余韻が、とっておきの料理とともに特別なひと時を彩ります。
蔵元:朝日酒造
タイプ:純米大吟醸
精米歩合:麹米50%・掛米33%
アルコール度数:15度
新潟では、県内各地の酒屋さんやお土産屋さんでお酒を買えます。その中でも新潟ならではの日本酒が一堂に会するお店があります。その名も「ぽんしゅ館」。「越後魚沼のドラマを食で語る」というテーマの通り、新潟の酒蔵と新潟名物のグルメを多数紹介しています。新潟のおいしいものに必ず出会えること間違いなし。新潟駅、長岡駅、越後湯沢駅に店舗があり、駅に直結しているのでとても便利です。
「ぽんしゅ館」の名物は、500円でお猪口5杯分の利き酒が楽しめる「唎酒番所」です。新潟駅店ではなんと111種類もの日本酒の中から選ぶことができます。あまりに多くて迷ったときは、「スタッフが選ぶ今月のおすすめ銘柄」や日本酒ナビゲーターや酒匠による「目利きのお勧め」から選ぶこともできます。
またショップも併設し、新潟越後が誇る定番酒から季節限定酒を多数取り揃えています。有名どころを買おうか、ご当地ならではの珍しいお酒を買おうか迷ってしまいそう。新潟のお米や調味料、お菓子など、食品も充実。お土産選びにもおすすめのスポットです。いつも観光客やお仕事帰りの人々で賑わっています。
新潟の酒が持つたくさんの魅力をご紹介しました。
新潟には今回ご紹介したお酒のほかにも、まだまだ色々な銘柄があります。新潟に足を運んだ際は、お気に入りの日本酒と出会ってみませんか。お米や魚介類など、日本酒にぴったりのグルメとともに、新潟の食を思い切り堪能してみましょう。