日本酒好き必見!酒蔵の伝統行事「呑切り」をレポート
酒造年度の冬から春にかけて仕込んだ日本酒の貯蔵状態を確認することを「呑切り(のみきり)」と呼びます。呑切りは酒蔵の伝統行事のひとつです。新潟県長岡市の朝日酒造で行われた呑切りの様子をレポートします。
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酒造年度の冬から春にかけて仕込んだ日本酒の貯蔵状態を確認することを「呑切り(のみきり)」と呼びます。呑切りは酒蔵の伝統行事のひとつです。新潟県長岡市の朝日酒造で行われた呑切りの様子と、呑切りの雰囲気を体験できる人気のイベントをレポートします。
酒蔵では、一般的に夏場の6月から8月にかけて呑切りが行われます。日本酒を貯蔵しているタンクには、「呑み口」と呼ばれる栓が付いています。中にある原酒を抜き出して品質を検査するために呑み口を「切る」(開ける)ことから、「呑切り」と言われています。
その年に初めて行う呑切りを「初呑切り(はつのみきり)」と言います。今期全体の酒質の把握、味わいや出荷時期の調整等、品質管理において重要な行事です。朝日酒造では、今年8月25日に初呑切りを行いました。朝日酒造には、純米大吟醸クラスの商品を造る旗艦的存在の朝日蔵と、主力となる松籟蔵の2つの蔵があり、それぞれに杜氏がいます。呑切りでは、朝日蔵の大橋杜氏と松籟蔵の渡辺杜氏、二人ですべてのタンクの吞み口を切ります。準備から蔵人が総出であたり、朝から始めて一つ一つのタンクをすべて切り終えると日が暮れている、数時間に渡る作業です。
さらに、片口という容器で原酒の香りを吟味する「切り鼻」も行います。口が広い片口に注がれ、酒の香りが広がります。蔵人だけではなく、社長をはじめ役職者も香りを吟味します。
作業する音、タンクの番号と酒の銘柄を読み上げる声が静かに響く中、片口に入った原酒が丁寧に確認されていきます。大切に育ててきた原酒と対面する静かな時間が流れます。呑切りは蔵にとって、大事な節目です。
その後の検査も経て、全タンク内の原酒の熟成が順調に進んでいることが確認されました。商品が飲み手に届くまで、今後も入念な製造工程が続きます。
朝日酒造では、一般の方が原酒にふれることができるイベントを8月29日、30日の2日間開催しました。
「貯蔵原酒100本のきき酒会」と名付けられたイベントでは、タンク100本分から取り出した原酒が朝日酒造エントランスホールにズラリと並び、参加者は好みの銘柄を堪能できるというものです。
昨年よりチケット数を増やした今年もすぐに完売という人気ぶり。2日間で約1,000名が来場し、酒蔵ならではの伝統行事の一端を体験しました。
会場のエントランスホールでは、お目当ての酒から順番にきき酒を楽しむ方、途中休憩しながら参加者同士で感想を語り合う方、蔵人と造りの工程や味わいについて話す方、それぞれのスタイルで原酒を体験していました。
毎年恒例で参加されるという地元の方から、海外からの留学生まで、「一度にいろんな種類が飲めるだけではなく、同じ商品でもタンクごとの味わいが試せるなんて面白い。」「飲んでいるうちに、自分の好みが分かってきた気がする!」「蔵の方と話したことで、より日本酒に興味を持った。」など、好みの味わいや新しい発見に喜ぶ顔も。
イベントの後半には、蔵人による「酒造り唄」の披露もあり、参加者の皆さんの手拍子も歌声に重なり会場に響き渡りました。
酒蔵ならではの伝統行事の雰囲気をこういったイベントで体感するのも、日本酒を楽しむ一つのきっかけになるでしょう。