酒蔵の伝統行事の「呑切り(のみきり)」とは|酒造り用語
2021.08.31

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酒蔵の伝統行事の「呑切り(のみきり)」とは|酒造り用語

「呑切り(のみきり)」とは酒蔵の伝統行事のひとつです。毎年夏になると、日本酒を貯蔵しているタンクの呑み口を1本1本開栓し、着色はないか、香りや味の熟成度合の品質検査を行うことです。

呑み口を切る

呑み口を切る

貯蔵タンクの栓を「呑み口」と呼んでおり、原酒を抜き出すために吞み口を「切る」ことから「呑切り」と呼んでいます。さらに、その年に初めて行う呑切りを「初呑切り(はつのみきり)」と言います。今期全体の酒質の把握、味わいや出荷時期の調整等、品質管理において重要な行事です。

呑切りをする杜氏

呑切りをする杜氏

朝日酒造では、今年は8月30日に初呑切りを行いました。今期の酒造りで仕込んだタンクの呑み口を開栓。その役目は例年杜氏が担い、今年も山賀杜氏と大橋杜氏の2人で、すべてのタンクの呑み口を切りました。手間暇かけて入念に育ててきた〝我が子〟に出会える、緊張と喜びの一瞬です。

切り鼻

切り鼻

さらに初呑切りの時には、片口という容器で原酒の香りを吟味する「切り鼻」も行います。厳かな雰囲気の中、蔵人だけではなく、社長や役職者も、ひとつひとつの原酒をゆっくりと吟味します。杜氏と蔵人は、緊張の面持ちで彼らの表情を見つめていました。