お酒が飲めない人を「下戸」と呼ぶ不思議。気になる意味や由来、下戸でも楽しめる日本酒を紹介
2023.03.01

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お酒が飲めない人を「下戸」と呼ぶ不思議。気になる意味や由来、下戸でも楽しめる日本酒を紹介

「下戸(げこ)」とは、お酒が飲めない人、もしくはお酒に弱い人を指す言葉です。この記事では、どうしてお酒が飲めない人を「下戸」と呼ぶのか、その気になる意味や由来、さらに下戸でも楽しめる日本酒を紹介します。

目次

  1. 「下戸」とは
    1. 「下戸」の意味
    2. 「下戸」の由来
    3. 中国が発祥という説も
  2. 合わせて覚えたい「右党」「左党」
    1. 「右党」「左党」の意味
    2. 「右党」「左党」の由来
  3. 下戸でも楽しめる日本酒
    1. 久保田 スパークリング
    2. 香里音
    3. ノムネ
  4. 下戸も上戸もお酒を楽しもう

「下戸」とは

お酒を飲む人

お酒の席でときどき耳にする「下戸」という言葉。聞いたことはあるけれど、詳しい意味や由来を知らないという方が多いのではないでしょうか。まずは下戸の基礎知識から。下戸の意味や由来について紹介します。

「下戸」の意味

「下戸」は「げこ」と読みます。古くから日本では、お酒が全く飲めない人や、飲めてもごく僅かでお酒に弱い人のことを「下戸」と呼んでいました。あくまで、アルコールに弱い人のことを指す言葉で、宗教上の理由や病気などで飲めない人のことは下戸と呼びません。

一方で、お酒が好きでたくさん飲める人のことを「上戸(じょうご)」と呼びます。「泣き上戸」や「笑い上戸」という言葉を聞いたことがある方も多いでしょう。これらは、お酒を飲んだ際に出る癖のことを意味しており、「泣き上戸」はお酒を飲んだときに泣いてしまう人、「笑い上戸」はお酒を飲んだときによく笑う人のことを表します。

そのほかにも、お酒を飲むと怒りやすくなる「怒り上戸」やお酒を飲んでも表情が変わらない「空上戸(そらじょうご)」など、上戸にもさまざまなパターンがあるようです。

「下戸」の由来

古くからお酒が飲めない人のことを「下戸」と呼んでいる私たちですが、この言葉の由来は諸説あり、一つは約1300年前に制定された大宝律令がきっかけといわれています。

大宝律令とは、701年に日本で初めて行政法と民法、そして刑法の3つがそろえられた本格的な法律のこと。この法律では、家庭の階級が家族の人数や資産によって大戸(たいこ)・上戸・中戸(ちゅうこ)・下戸の4つに分類されていました。最上級が大戸、最下級が下戸を表しています。

この階級制度に従って、婚礼の際に飲むことができるお酒の量も上戸は8瓶、下戸は2瓶と決められており、それが後にお酒が飲める人を「上戸」、飲めない人を「下戸」と呼ぶようになったのです。

中国が発祥という説も

また、「下戸」という言葉は中国から伝わってきたともいわれています。

その昔、史上初めて中国全土を統一した秦の時代に、かの有名な万里の長城には、山の上に位置し寒さの厳しい「上戸」と、平地に位置し人の出入りが多い「下戸」という門がありました。それぞれの門では、兵士たちが門番をしています。

そんな彼らを労うために、上戸の兵士たちには体を温めるためのお酒を、下戸の兵士たちには疲れを癒すために饅頭を与えました。それがきっかけで、上戸はお酒が飲める人、下戸は飲めない人を指す言葉となったといわれています。

合わせて覚えたい「右党」「左党」

お酒を飲む人

とある状態を表す「右党(うとう)」と「左党(さとう)」とは、いったいどのような意味なのでしょうか?下戸・上戸と合わせて覚えておくと、お酒の席で大活躍できるかもしれません。

「右党」「左党」の意味

実は下戸や上戸のほかにも、お酒にまつわる言葉はこの世にたくさん存在しています。なかでも「右党」と「左党」は、下戸・上戸と同じ意味を表す言葉として知られており、お酒が飲めない人を「右党」、飲める人を「左党」と表します。

また、お酒が飲める人のことを上戸、左党のほかに「左利き」と表す場合もあります。

「右党」「左党」の由来

お酒が飲めない人を「右党」、飲める人を「左党」と呼ぶようになった由来は諸説あるといわれていますが、最も有力視されている説は江戸時代まで遡ります。

当時の大工や鉱夫は、右手に叩くための槌(つち)、左手に削るためのノミを持っていました。このことから、右手のことを「槌手(つちて)」、左手のことを「ノミ手」と呼ぶようになり、この「ノミ手」が「飲み手」と同じ発音であったことから、お酒が飲める人のことを「左利き」と呼ぶようになったといわれています。それが派生して、お酒が飲める人を「左党」、飲めない人を「右党」と呼ぶようになりました。

下戸でも楽しめる日本酒

「下戸だからお酒が飲めない」と諦めてしまうのは、もったいない!実は、お酒に弱い方でも飲みやすい低アルコールのお酒が販売されているのをご存じですか?今回は、下戸でも楽しめる日本酒を3本紹介します。

※こちらの記事内で紹介した商品の価格は2023年3月1日現在のものです。

久保田 スパークリング

久保田 スパークリング

「スパークリング」と聞いてワインを想像する方も多いかもしれませんが、今回紹介するのはスパークリングの日本酒です。アルコール度数12%と一般的な日本酒よりも低く、下戸の方でも飲みやすいでしょう。

マスカットを思わせる華やかな香りが特徴で、口に含むとシュワシュワと奏でる軽やかな爽快感を感じます。純米酒の味わいをしっかりと演出しつつ、スパークリング特有の甘酸っぱさも忘れません。久保田ならではのキリッとしたシャープな酸味も健在です。

ちょっとしたパーティーや女子会などで、気軽に楽しめるのも魅力。500mlと少量タイプのため、飲みすぎることもなさそうです。

久保田 スパークリング
500ml    1,295円(税込1,424円)

香里音

香里音

甘酸っぱくジューシーな果実を彷彿とさせる、新感覚の日本酒といえば「香里音 純米」。アルコール度数10%と、下戸の方でも飲みやすい味わいです。

冷やすと甘酸っぱさが際立ち、少し温度が上がってくるとビターチョコのような味わいに感じられます。日本酒特有のアルコール感が苦手という方は、冷やして飲むのがおすすめです。

300mlのみのサイズ展開で、下戸の方でも飲み切りやすい少量タイプ。友人や家族と一緒に楽しむ場合は、他の日本酒と飲み比べしても面白いかもしれません。

香里音
300ml    480円(税込528円)

ノムネ

ノムネ

今回紹介する日本酒の中で最もアルコール度数が低い「ノムネ」は、アルコール度数8%。日本酒特有のアルコール感が少なく、比較的飲みやすい日本酒です。

果実のような酸味と甘さが特長の純米酒をベースに、シュワシュワと心地よい発泡感を楽しめます。アルコール度数が低く甘さもある日本酒のため、日本酒ビギナーにもおすすめです。

ノムネ
250ml    440円(税込484円)

下戸も上戸もお酒を楽しもう

下戸の方でも、アルコール度数が低い低アルコールの日本酒なら、お酒の席をより楽しく過ごせるかもしれません。もちろん、無理して飲む必要性は全くなく、自分に合った量を嗜むのが一番です。低アルコール飲料も利用しながら、素敵な時間を過ごしてください。