日本酒「久保田」と楽しむ、鳥取県のご当地グルメ4選
毎回1つの都道府県にスポットを当て、久保田ファンと朝日酒造社員が一緒にご当地グルメと久保田を味わいながら、その地域やグルメにまつわるトークを楽しむオンラインイベント「久保田ご当地グルメ部」。今回は、鳥取県をテーマに開催しました。ファンや社員おすすめの、久保田と楽しめる鳥取県のご当地グルメをご紹介します。
楽しむ
6月16日は「和菓子の日」です。日本酒「久保田」ファンの方々に日本酒に合うご当地グルメについておすすめいただいた際に、和菓子の名前もいくつか挙がりました。ファンの方々の推薦をもとに、朝日酒造社員が実際に取り寄せて美味しかったご当地銘菓をご紹介します。「日本酒には羊羹」など、和菓子と日本酒を合わせて楽しんでいる方も少なくはありません。まだ試したことがない方も、この機会にお好きな和菓子と日本酒を一緒に楽しんでみてはいかがでしょうか?
「古鏡(こきょう)」は、山形県鶴岡市にある「つるおか菓子処木村屋」の創業以来、130年以上愛され続けてきた銘菓です。
鶴岡市にある出羽三山は、かつては「西の伊勢参り、東の奥参り」と称されたパワースポットであり、そのうちの一つ、羽黒山の祭殿の目の前の池からは、平安時代や鎌倉時代のものとされる古い鏡が多数発掘されています。その鏡を模していることに由来し、この名前が付けられています。発掘された鏡は数百面あり、そのうちの190面は重要文化財に指定されているそうです。
厳選された小豆を使ったつぶ餡を鏡のように丸い形にし、その中に薄い求肥(ぎゅうひ)餅を入れ、外側には砂糖をまぶしています 。地元の人だけでなく観光客からも人気の、山形県を代表するお土産です。
手の平サイズの古鏡ですが、持ってみると想像よりもずっしりとした重量感があります。実際に食べてみると、餡がぎっしり! といった見た目に反し、とても品のいい甘さが印象的です。また、外側にまぶされたシャリシャリとした砂糖、しっとりしたつぶ餡、真ん中に入っているもっちりとした求肥餅と、控えめな甘さもさることながら、食感でも飽きないような創意工夫が施されていました。
そんな古鏡と「久保田 純米大吟醸」との組み合わせはどうですか?」とファンの方からご提案いただきました。実際に一緒に味わってみると、古鏡と純米大吟醸のどちらかが目立ってしまうということなく、両方の美味しさをバランス良く堪能できます。純米大吟醸の華やかな香りがふわっと感じられるペアリングです。
「鳥取では知らない人はいないくらい有名」と教えていただいたのが、「打吹(うつぶき)公園だんご」です。倉吉市にある石谷精華堂の銘菓で、白あん、抹茶、小豆あんのあんこに包まれたお餅を串に刺したものです。白、緑、茶の三色の見た目が可愛らしいだんごです。
石谷精華堂は1880(明治13)年に創業し、それから140年以上だんご一筋で作り続けています。なぜだんごなのかというのは、1333(元弘3)年、流刑の身となった後醍醐天皇を隠岐島より船上山にお迎えした際に、甘茶だんごを振る舞ったという故事に由来しているそうです。
取り寄せて箱を開けた瞬間、思わず「可愛い!」と声に出してしまうほどの小さいだんごです。一粒は1.5cmくらいの大きさですが、その小さなだんご、噛むとまず中の餅の柔らかさに驚き、その後口いっぱいに上質でしっかりとした甘さや豊かな味わいが広がります。
合わせてみたのは、上品で穏やかな「久保田 千寿 純米吟醸」。だんごを一口食べて久保田を飲むと、なめらかな口当たりのこしあんにスッと久保田が溶け込んでいきます。控えめな「久保田 千寿 純米吟醸」だからこそ、あんこの風味を損なわず、むしろあんこの味や香りを引き立てる、まさに名バイプレイヤーです。
白あん、抹茶あん、小豆あん、それぞれのあんこと日本酒の甘味や酸味がマッチして、重層的な味わいが楽しめる王道ペアリング。これならだんごを10本くらいペロッと食べられてしまいそうです。
続いても、「久保田 千寿 純米吟醸」とおすすめの和菓子をご紹介します。滋賀県から、株式会社たねやの「ふくみ天平(てんびん)」です。
天平棒一本でほうぼうの国々を周った近江商人をイメージさせるこの最中は、1983年の発売以来たねやの代名詞となっています。ふくみ天平のユニークなところは、最中の皮と餡が別個に包装されている点。食べる人自らが、食べる直前に餡を皮で挟み、最中を完成させます。この食べ方は、それまで和菓子職人だけが知っていたできたての最中の美味しさを味わってほしいという思いから考案されました。
職場でお世話になった人が滋賀県出身だったため、お土産としてふくみ天平をもらう機会がちょくちょくあったというファンの方。ふくみ天平の好きなところは「皮と餡が分かれているので、ぺちゃっとした最中にならない点と、あとは餡の中のお餅がアクセントとなって美味しいんです」とのこと。
「これを一口食べて、お酒を二、三回飲んで、っていう感じで」ふくみ天平をお酒のアテとして楽しんでいるファンの方は、きれいですっきりとした味わいの「久保田 千寿 純米吟醸」が一番合うと教えてくださいました。「パリパリとした皮や餡の甘味に対して、酸を持った千寿 純米吟醸がよりうま味と甘味を引き立ててくれます。うまくなじんで喧嘩せず、ふくみ天平も進むしお酒も進みます」との解説を聞き、取り寄せて同じペアリングに挑戦。いい相乗効果があるというファンの方の言葉通り、見事に調和しています。
最後を飾るのは、全国的にも有名な山梨県の代表的な銘菓「桔梗信玄餅」です。きな粉をまぶしたお餅に黒蜜をかけて食べるお菓子で、一度は食べたことがある人も多いのではないでしょうか。
なんといっても特徴的なのは、その包装。今でこそ類似の商品もありますが、風呂敷柄のフィルムで包み、きな粉一杯の容器に自分で黒蜜をかけて食べるスタイルは、発売当時は斬新なものでした。機械化が進んだ今でも、この包装は一つ一つ手作業で結んでいるとのこと!熟練職人であれば、本結びにかかる時間はおよそ6秒で、1日12万個もの桔梗信玄餅を手作業で包んでいるそうです。これは驚きです。この手作業により、手作りの温かさが生まれているのです。
ちなみに、桔梗信玄餅の名前に“信玄”とありますが、武田信玄とは実は関係がないそう。山梨県を代表するお土産になって欲しいという想いから、山梨県を代表する武将の武田信玄の名前を付けたそうです。
手包みされた風呂敷をほどき、黒蜜をかけて一口。もっちりとした食感のお餅に、黒蜜のとろりとしたコクと風味、そしてきな粉の上品な甘さが三位一体となり、口の中に幸せが広がります。
桔梗信玄餅と一緒に楽しむならお茶でしょと思ってしまうところですが、お酒好きのファンの方は、日本酒とも合うと太鼓判。「久保田 純米大吟醸」が合うとおすすめいただいたので試してみると、合わせた瞬間のゴージャス感は最高ですが、桔梗信玄餅の甘味に負けて、後半は酒の辛味が目立つようになってしまいました。そこで、他の久保田とも合わせてみることに。「久保田 千寿 純米吟醸」だと、酸味が加わり味わいも広がりますが、後半は洗い流してしまうので物足りない感が出てしまいます。最後に「久保田 萬寿」と合わせてみると、きな粉×黒蜜の濃厚な甘味に萬寿の豊かな味わいが調和し、鼻に抜ける感じや余韻まで楽しめました。
ということで、桔梗信玄餅とのベストペアリングは「久保田 萬寿」に決定です。