思いがけない美味しさを発見 ! 定番中華料理×日本酒
2022.02.07

楽しむ

思いがけない美味しさを発見 ! 定番中華料理×日本酒

なかなか合わせようとは思わない中華料理と日本酒。今回は定番中華料理を揃え、日本酒「久保田」と合わせてみました。果たして美味しい組み合わせは見つかるのでしょうか?

目次

  1. 先入観を捨て、中華料理と日本酒をペアリング
    1. エビチリ×久保田 碧寿
    2. 麻婆豆腐×久保田 千寿 吟醸生原酒
    3. 八宝菜×久保田 紅寿
    4. 焼き餃子×久保田 純米大吟醸
  2. 先入観を捨てた先には意外な美味しさが

先入観を捨て、中華料理と日本酒をペアリング

中華料理と日本酒をペアリング

「中華料理には紹興酒でしょ」、「日本酒には和食じゃないと」と、それぞれ鉄板の組み合わせがあるがゆえに、なかなか合わせようとは思わない中華料理と日本酒。
ところで、中華料理はついつい白米が進むのは自明の理ですよね。麻婆丼のように中華料理をご飯の上に乗せたメニューもたくさんあるのがその証拠です。そう考えると、米からできている日本酒と中華料理の組み合わせ、実は試す価値ありなのでは? とワクワクしてきます。

そこで今回は先入観を捨て、中華料理と日本酒「久保田」のペアリングに挑戦しました。
ちなみに揃えた中華料理はコンビニやスーパーでも揃えられる定番メニューばかりです。本格的な中華料理店で試すもよし、おうちで手軽に試すもよし。皆さんもぜひ一緒にチャレンジしちゃいましょう。

エビチリ×久保田 碧寿

エビチリ×久保田 碧寿

辛味だけでなく、エビの旨味、ケチャップソースの酸味といった味わいが上手にまとまったエビチリには、同じく辛味、旨味、酸味がバランスよく含まれた日本酒が良さそう。そこで、久保田らしいキレ、どっしりした旨味、爽やかな酸味を持った「久保田 碧寿」と合わせてみます。

エビチリを食べたあとに碧寿を口に含むと、碧寿の酸味とエビチリのソースの酸味がまるで違和感なく共存します。加えて、碧寿の辛味、旨味、酸味との対比効果でエビの甘味が強められるのか、まるでエビの殻のギリギリのところまで余さず味わっているような立体感が出ます。これはビールと合わせた時には味わえない美味しさでは? とひとつ発見です。
碧寿は温かいエビチリに合わせてお燗で用意すると、さらに料理にぴたりと寄り添います。身体も温まるうえ、冬らしさも感じられるペアリングです。

麻婆豆腐×久保田 千寿 吟醸生原酒

麻婆豆腐×久保田 千寿 吟醸生原酒

麻婆豆腐に合わせる日本酒には、麻婆豆腐の後を引く辛味を受け止める骨太さが欲しいところ。また、辛さ一辺倒でなく豆腐や肉の旨味も感じるので、ある程度コクもある日本酒が釣り合うだろうと考え、「久保田 千寿 吟醸生原酒」を組み合わせました。

実際に一緒に味わってみると、「久保田 千寿 吟醸生原酒」のきらめきを感じるフレッシュな口当たりと、麻婆豆腐のキレのいい辛味が喧嘩することなく共存します。それぞれの濃厚な味わいも片方だけが強すぎることなく調和しました。口の中に余韻として残る麻婆豆腐の辛味も、「久保田 千寿 吟醸生原酒」と合わせることでより華やかさが増すようで、目が覚めるような明るさを感じるペアリングです。熱々の麻婆豆腐をビールで流し込みながら一心不乱に食べるのも最高ですが、たまには日本酒と合わせてゆったりと時間をかけて味わってみましょう。

八宝菜×久保田 紅寿

八宝菜×久保田 紅寿

具材の旨味がぎゅっと詰まっているためか、見た目に反してこってりした味わいを持つ八宝菜。ペアリングする日本酒には、調和のとれた辛味と酸味、ほのかな甘味を持つ「久保田 紅寿」を選びました。

合わせてみると、八宝菜のとろみあるまろやかな塩味に、紅寿がするっと溶け込んでいきます。野菜の甘味と紅寿の甘味もよく馴染み、味わい豊かに広がります。そののち、紅寿のやさしい酸味が、八宝菜の魚介類の旨味を包み込み、リッチで一体感のある味わいにクラスアップしてくれます。料理と日本酒両方の味わいは食べ進むほど馴染んでいき、ほどよい華やかな余韻も味わえるペアリングです。
八宝菜に合わせる日本酒を探す際は、八宝菜の旨味に負けてしまわないよう、軽快なタイプの日本酒は避けた方がいいかもしれません。参考にしてみてください。

焼き餃子×久保田 純米大吟醸

焼き餃子×久保田 純米大吟醸

最後に合わせるのは焼き餃子です。 今回はひと嗅ぎではっきり分かるフルーティーな香りを持った「久保田 純米大吟醸」と共に味わってみました。

餃子を一口食べてから純米大吟醸を飲んでみます。すると、純米大吟醸の持つ軽やかな酸味が、小麦の皮の甘味、肉のジューシーさ、野菜のまろやかな甘味といった、餃子から感じる素材ごとの旨味を引き立ててくれます。純米大吟醸は炭酸を入れても美味しく飲めるので、「餃子を言えばビールでしょ」と言う人は、まずは純米大吟醸の炭酸割りから試してみるのもおすすめです。

今回は「醤油+酢+ラー油」という王道だけでなく、餃子が有名な静岡県在住の久保田ファンの方に教わった「バルサミコ酢+ポン酢+ブラックペッパー」というアレンジタレをつけた焼き餃子も試してみました。バルサミコ酢の独特の渋みと純米大吟醸の甘味が、各々のフルーティーさで結び付き、焼き餃子と日本酒の味わいの足並みがさらに揃うような印象を受けます。最後に、酒器に少し余った純米大吟醸に、同じく余ったアレンジタレを少し混ぜると、これをおつまみにお酒が飲めるような危険な一杯が完成。飲みすぎには気をつけながら試してみてください。

先入観を捨てた先には意外な美味しさが

どうなるだろうと思った中華料理と日本酒という未知の組み合わせも、試してみたら思いがけない美味しさを発見できました。皆さんも、合わないだろうという先入観を捨て、中華料理と日本酒のかけ算を楽しんでみてください。