お酒が飲めない人を「下戸」と呼ぶ不思議。気になる意味や由来、下戸でも楽しめる日本酒を紹介
「下戸(げこ)」とは、お酒が飲めない人、もしくはお酒に弱い人を指す言葉です。この記事では、どうしてお酒が飲めない人を「下戸」と呼ぶのか、その気になる意味や由来、さらに下戸でも楽しめる日本酒を紹介します。
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日本酒ラベルでたまに見かける「BY」という表記。何を意味するか、よく分からない方もいるのではないでしょうか。BYはBrewery Yearの略で「酒造年度」を意味し、日本酒業界ならではの年度の切り方です。この酒造年度の区切り方や、紛らわしい製造年月との違いなどを解説します。
日本酒のラベルに、「H29BY」や「2017BY」などと書かれているのを見たことがあるのではないでしょうか?BYってなんだろう、と思っていて調べずにそのまま、、なんて方もいるのではないでしょうか。
BYはBrewery Yearの略で、「酒造年度」という意味となります。これは、日本酒ならではの年度の区切り方です。つまり、「H29BY」は「平成29酒造年度」を、「2017BY」は「2017酒造年度」を意味します。
この酒造年度の区切り方などについて紹介します。
年度とは、事業活動や学業といった各分野の便宜に立脚して設けられる1年の区切りのことです。一般的な年度というと、いわゆる企業などが使っている会計年度があり、4月1日から翌年3月31日までの期間を指します。
一方で、酒造年度は、7月1日から翌年6月30日までの期間を指します。これは、日本酒造りの主な時期が9月頃から4月頃となり、その準備を始めるのが7月頃からとなるため、7月1日を年始めとして数える方が適していたためです。
酒造年度は、そのお酒が造られた年ではなく、搾られた日で決まります。先ほどのH29BY(平成29酒造年度)であれば、平成29年7月1日から平成30年6月30日までの間に搾られたお酒、と言うことになります。平成29年7月から平成30年6月までの間に造られても、搾られたのが平成30年7月1日であればH30BY(平成30酒造年度)になるということです。
ちなみに、酒造年度の表記には、一般的には元号が使われることが多い傾向にあります。
酒造年度の始まりは、1896年10月に制定された「酒造税法(現在の酒税法)」です。酒税は酒類の出荷量を元に計算されるため、その数量を把握するためには期間を区切る必要がありました。その当時は、酒蔵の多くが10月頃から酒造りを始めていたため、10月1日から翌年9月30日までを酒造年度としていました。
1965年、国税庁の通達により、酒造年度が現在の7月1日から翌年6月30日までの期間に変更となりました。これは、酒造りの前に原料米割り当て等が必要となり、前年度の出荷量の実態を把握した上で割り当てができるようにするためです。
日本酒のラベルにある年の表記で、もう一つ「製造年月」があります。BYと製造年月はどう違うのでしょうか?
BYは、先ほども説明した通り、そのお酒が搾られた年度を意味します。一方、製造年月は、瓶詰された日を意味します。
日本酒は、もろみを搾ってからろ過、火入れをし、数カ月から数年に渡って貯蔵・熟成し、瓶詰されます。そのため、例えば「H29BY、製造年月:令和3年9月」という商品があった場合は、平成29年7月から平成30年6月までの間のどこかで搾られて、約3~4年貯蔵した後、令和3年9月に瓶詰めされた商品、ということになります。何年も熟成させた日本酒だと、BYと製造年月が大きく異なるということもあります。
なお、BYは表示義務はありませんが、製造年月は表示義務があるため、全ての日本酒に表示があります。
BYは表示義務がないにも関わらず、ラベルに書かれているというのは、酒蔵の想いやこだわりの表れです。搾った後、瓶詰めをするまでの貯蔵の期間で、よりお酒の美味しさを引き出しているはず。
BYの意味を知ると、日本酒の選び方や楽しみ方がまた少し広がります。今度日本酒を買う時、ラベルにちょっと注目してみてくださいね。