お供え物にお酒は大丈夫?意外に知らないお彼岸のマナー
2022.09.15

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お供え物にお酒は大丈夫?意外に知らないお彼岸のマナー

春と秋、年2回あるお彼岸。お彼岸という言葉は知っているけど、実は詳しくは知らないという人も多いのではないでしょうか。お彼岸の意味や由来、意外と知らないお彼岸のマナーについてご紹介します。

目次

  1. 春と秋、年2回ある「お彼岸」とは
  2. 意外に知らないお彼岸のマナー
    1. お彼岸にはどんなことをする?
    2. お彼岸のお供え物は何がいい?
    3. お供え物にお酒は大丈夫?
  3. 故人を思い出して

春と秋、年2回ある「お彼岸」とは

お彼岸 彼岸花

お彼岸は、春分の日と秋分の日、それぞれを中日とした前後3日の7日間の期間のことを指します。つまり、今年2022年であれば、春のお彼岸は3月18日から3月24日まで、秋のお彼岸は9月20日から9月26日の7日間です。

彼岸という言葉は、もともとは仏教用語で「仏道に精進して煩悩を脱し、涅槃(ねはん)に達した境地」という意味があります。私たちが生きているこの世は「此岸(しがん)」で、超克すべき煩悩や迷いは川、そして悟りの地である涅槃であり、あの世の世界は煩悩の川の向こう岸の「彼岸」にあると考えられています。

では、なぜ春分の日と秋分の日を中心とした期間がお彼岸となったのでしょうか。春分の日と秋分の日は、太陽が真東から昇って真西に沈み、昼と夜の長さが同じになる日です。仏教では、西に極楽浄土があると考えられており、春分の日と秋分の日は極楽浄土と通じやすい日とされたため、この期間がお彼岸となりました。

意外に知らないお彼岸のマナー

お彼岸は、ご先祖様を供養し感謝をささげる期間とされていますが、お墓参りをするだけでいいのでしょうか?お彼岸にどんなことをすればいいのか、一つ一つご紹介します。

お彼岸にはどんなことをする?

お彼岸 お墓参り

まず、お彼岸で大事なのはお墓参りです。お彼岸の期間の7日の間に行きましょう。

お墓に行ったら、まずはお墓の掃除を行います。お墓の敷地内のゴミを拾ったり雑草を取り除いたりした後、墓石に水をかけながら雑巾やスポンジで水拭きをします。また、花立や線香皿などのパーツも、一つ一つ取り外して水洗いします。
掃除が終わったら、花立にはきれいな水を注いで新しい仏花を、水鉢にも新しい水を入れて、お供え物を置きます。そして、お線香に火をつけて合掌します。

家にお仏壇がある場合は、お仏壇も同じく掃除をして、お供えをしましょう。

お彼岸のお供え物は何がいい?

お彼岸 お供え物

お彼岸のお供え物として一般的なのは、ぼたもちやおはぎです。ぼたもちは春のお彼岸、おはぎは秋のお彼岸の際にお供えします。その他、故人が好きだった食べ物や飲み物、果物、お菓子なども定番です。果物は、丸いものを選ぶとよいとされていて、丸の「円」が故人との「縁」につながると考えられています。

逆に、お供え物として避けた方がよいものとしては、肉や魚、また五辛と呼ばれる仏教の修行中に食べることが禁じられているネギ、ニンニク、ニラ、ラッキョウ、ショウガなどがあげられます。

お墓に果物やお菓子などをお供えする場合は、直接置かずに半紙や懐紙などを敷いて置くようにしましょう。
また、お供え物が飲食物の場合は、帰宅する際に必ず持ち帰るようにしてください。そのまま置いておくと腐ったり、動物たちに食べられたりということが起こるためです。持ち帰ったお供え物は、自宅で食べましょう。物によっては、お墓のその場で食べてしまっても大丈夫です。

お供え物にお酒は大丈夫?

故人がお酒好きだったので、お供え物にお酒を持っていきたいという人もいるかもしれません。

お墓にお酒をお供えするのは、基本問題ないとされていますが、墓地によってルールがあるかもしれないので確認をしましょう。
お酒をお供えする場合は、コップなどを持参して注いでお供えします。コップがないからといって、水鉢にお酒を入れるのはNGです。コップがない場合は、そのまま置かずフタを開けてお供えをするようにしましょう。ご先祖様が食べるのは香りと言われているので、お酒の香りが楽しめるようにフタを開けてあげることが大事です。
ちなみに、墓石にお酒をかけるのは絶対にやめましょう。墓石にお酒の成分が浸透し変色したり、お酒の糖分によって墓石がベタベタになってしまうからです。

なお、お仏壇にはお酒はお供えしない方がいいという説もあります。仏教の戒律に飲酒戒というのものがあり、酒が禁止されているため、お酒をお供えできないとされています。

故人を思い出して

お彼岸のマナー、どれくらい知っていたでしょうか?なんとなくお墓参りやお供えをしていた、という人も多かったのではないでしょうか。
お彼岸の7日間は、故人を思い出しながら、故人の好きだった食べ物や酒を楽しむ時間を持つのもいいかもしれません。