末永くお酒を楽しもう。お酒が健康に与える影響や適量について解説
料理をさらに美味しくしてくれたり、その場の空気を和ませてくれたりするお酒。一日の最後に飲むあの一杯を励みに頑張っているという人も多いでしょう。しかし、飲む量や飲み方を誤れば幸せ以外のものを運んでくるというのも、目を背けてはいけないお酒の持つ一面です。本記事ではお酒が健康に与える影響や、適量とはどのくらいなのかを解説します。末永くその美味しさを楽しむために、ぜひ最後まで目を通してくださいね。
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お酒を飲みすぎたとき、平衡感覚がなくなったり気分が悪くなったりした経験はありませんか?これは、お酒に含まれる「アルコール量」の仕業。自分の適量を知っていれば、飲みすぎることなく楽しい時間を過ごせます。この記事では、アルコール量の意味や計算方法を解説するとともに、飲みすぎない日本酒の楽しみ方について紹介します。
目次
みなさんは「アルコール量」についてご存じですか?まずは、アルコール量の基礎知識から解説します。
「アルコール量」とは、読んで字の如くお酒に含まれるアルコール量のこと。純アルコール量ともいい、これはアルコール度数の高さによって異なります。一般的にアルコール度数が高ければ純アルコール量が多く、アルコール度数が低ければ純アルコール量が少ないとされています。
「たくさん飲むと酔う」というのはあながち間違いではありませんが、正確にはどれくらいの純アルコール量を摂取したかが大事。「今日は○○杯飲んだ」という飲んだお酒の量ではなく、摂取した純アルコール量が酔いの基準となり、私たちの体や精神に影響をもたらしているのです。
厚生労働省が推進する国民健康づくり運動「健康日本21」によると、節度ある適度な飲酒量は純アルコール量で「1日20g程度」と定められています。女性は男性に比べてアルコール分解速度が遅いため、基準の20gよりも少ない10g程度が目安です。
例えばアルコール度数5%のビールで換算すると、500mlが基準。過度な飲酒は体に悪影響を及ぼす可能性が高まり、節度ある飲酒とはいえません。このため厚生労働省は「生活習慣病のリスクを高める飲酒量」を、1日当たりの純アルコール量が男性で40g以上、女性で20g以上と定めています。
2021年に策定されたアルコール健康障害推進基本計画では、商品に含まれる純アルコール量のグラムでの表示を要請していますが、純アルコール量の記載があるのはまだ一部の商品で、記載がないものも多く、お酒に含まれているアルコール量を認識する機会があまりありません。
そこで、まずは普段飲んでいるお酒にどれくらいの純アルコール量が含まれているのか、実際に計算してみましょう。純アルコール量は、アルコール比重を考慮して以下の計算式で表します。
純アルコール量(g)=お酒の量または摂取量(ml)×アルコール度数/100×0.8(アルコール比重)
例えば、アルコール度数15%の日本酒の四合瓶(720ml)に含まれている純アルコール量は、720ml×0.15×0.8=86.4gとなります。
最近では、酒類メーカーのホームページなどで純アルコール量を開示する取り組みが始まっているので、そちらを利用してみるのもおすすめです。
純アルコール量の意味や計算方法について分かったところで、日本酒の適度な飲酒量を見ていきましょう。合わせて、他のお酒の適量についても解説します。
先ほど解説したとおり、厚生労働省が定める適度な飲酒量は純アルコール量で「1日20g程度」です。これはアルコール度数15%の日本酒1合に相当するため、日本酒の適度な飲酒量は1日1合が目安と言われています。
では、日本酒以外のお酒に純アルコール量はどれくらい含まれているのでしょうか。日本酒の適量である180mlに合わせて計算してみました。あくまで目安ではありますが、この表は自分の適量を知るのに役立ちます。また、1日20gはそれぞれどれくらいの飲酒量にあたるのかも併せて紹介します。
お酒の種類 | 180ml(一合)あたりの純アルコール量 | 純アルコール量20g |
---|---|---|
日本酒(アルコール度数15度) | 約22g | 約167ml |
ビール(アルコール度数5度) | 約7g | 約500ml |
ワイン(アルコール度数12度) | 約17g | 約208ml |
焼酎(アルコール度数25度) | 約36g | 約100ml |
ウイスキー(アルコール度数40度) | 約58g | 約63ml |
お酒を飲み過ぎてしまうと、せっかくの楽しい席も台無しに。正しい飲み方を知って、もっと日本酒を楽しみましょう。
和らぎ水とは、日本酒を飲むときに一緒に飲む水のこと。居酒屋などの飲食店では、チェイサーともいわれています。
アルコール度数の高い日本酒を飲み過ぎてしまうと、体調不良や深酔いの原因に繋がりかねません。そこで登場するのが和らぎ水です。日本酒を飲む合間に和らぎ水を挟むことで、体内のアルコール濃度を下げ、より楽しく長くお酒を楽しめます。
最近では、お酒に弱い方でも飲みやすい低アルコールの日本酒が登場しています。一般的な日本酒よりもアルコール度数が低いため、日本酒特有のアルコール感が少ないそう。
低アルコール日本酒と一口に言っても、ワインのようにフルーティーな日本酒から、ジュースのように甘い日本酒まで幅広く展開しています。飲み過ぎを避けたいときに、ぜひ試してみてください。
普段飲んでいる大きめのグラスではなく、気分転換も兼ねて小さな酒器で飲むのもおすすめです。グラスにお酒が入っていると、なんとなく早く飲まなきゃいけないという気分になり、ついつい何杯も飲んでしまう……という経験はありませんか?
小さな酒器であれば、注げるお酒の量は少なめ。自分のペースで、ゆっくりとお酒を楽しめます。
先ほど解説した通り、アルコール度数の高いお酒にはアルコール量が多く含まれ、1日の目安である20グラムを軽々と超えてしまいます。また、体内のアルコール濃度が高くなり、肝臓や胃腸などに悪影響を及ぼしかねません。アルコール度数の強いお酒は、水や炭酸水などで薄めてゆっくりと楽しみましょう。
お腹が空いているときにお酒を飲むと、酔いが早く回るという経験はありませんか?これは、空腹時はお腹が空っぽで、アルコールをすぐに吸収してしまうため。これでは楽しいお酒の席も、あっという間にお開きに……。
こんな状況を防ぐためにも、お酒を飲む際にはしっかり食事を取るようにしましょう。
飲み過ぎは禁物です。自分に合ったお酒の量を知って、自分のペースでお酒を楽しみましょう。