日本酒のラベル表記の見方とは。各項目の意味と商品選びのポイントも紹介
2020.12.24

知る

日本酒のラベル表記の見方とは。各項目の意味と商品選びのポイントも紹介

ラベルには、その日本酒の特長が記されています。正しい見方を把握していれば、商品を選ぶ際の参考にできます。より好みの日本酒を見つけられるよう、本記事で解説するラベル表記の見方や商品選びのポイントをチェックしてみてください。飲んだ日本酒のラベルをコレクションする際に役立つ、うまく剥がして保存する方法も必見です。

目次

  1. 日本酒のラベルの基礎知識
    1. 日本酒のラベルは、いわば商品のプロフィール
    2. 多種多様なデザインのラベルが存在する
    3. 義務付けられた表示項目がある
  2. 日本酒のラベルの見方【造り編】
    1. 特定名称酒
    2. 精米歩合
    3. 原材料名
  3. 日本酒のラベルの見方【味わい編】
    1. アルコール分
    2. テイスティング分類
    3. 日本酒度
    4. 酸度
    5. 製造時期
  4. 日本酒のラベルの剥がし方と保存方法
    1. ラベルの剥がし方①お湯に浸ける
    2. ラベルの剥がし方②シール剥がしを使う
    3. ラベルの剥がし方③ドライヤーで温める
    4. 保管方法
  5. ラベル表記の見方を把握し、自分好みの日本酒を探そう

日本酒のラベルの基礎知識

久保田百寿・千寿・万寿

日本酒に貼り付けられているラベルには、その商品の情報が明記されています。こちらで解説するのは、ラベルからわかる情報とその役割などについてです。

日本酒のラベルは、いわば商品のプロフィール

酒によって書かれている内容が異なるラベル。これらは、商品のプロフィールのような役割を持っています。その酒の特徴やコンセプトなど、味のヒントになる情報が表されている他、製造した酒蔵の思いが書かれていることもあります。

ラベルが貼られる場所は主に3カ所あります。
①表ラベル→銘柄や商品名をデザイン性に富んだフォントで表示。酒造の個性が表れる。
②肩ラベル→表ラベルの上部に貼られている小さなラベル。よりアピールしたい日本酒の特徴を記載。
③裏ラベル→味や香りの参考になる商品の情報を記載。

多種多様なデザインのラベルが存在する

近年日本酒の魅力が多様化するなかで、ラベルのデザインも多様化しています。銘柄名を筆文字で大書する昔ながらのスタイルだけでなく、これまでの日本酒のイメージを覆すようなイラストやキャラクター、図など多彩な技法が用いられることも。デザイン性の高い日本酒のラベルは、日本酒の魅力に触れる若者や女性が増えることにも貢献しています。

義務付けられた表示項目がある

日本酒のラベルには記載するよう義務付けられている項目が複数あります。なかでも代表的なのは以下の項目です。

・酒類の品目
・原材料名
・製造時期
・内容量
・アルコール分
・製造者の氏名又は名称
・製造場の所在地
・保存または飲用上の注意事項
・未成年飲酒防止に関する表示

この他、輸入品の場合は原産国名の表記が必要であったり、外国産清酒を使用したものはその旨を表示しなくてはならなかったりと、いくつかの決まりがあります。義務付けられた項目はどの商品においても確認できるので、比較しやすく、商品選びの大きな手助けとなるはずです。

日本酒のラベルの見方【造り編】

木箱に入った米

日本酒のラベルに記載されている項目を具体的に見ていきましょう。まずは【造り編】から。どのような製法でつくられ、どのような特長を持った酒なのかが分かる項目とその見方を紹介します。

特定名称酒

名称の説明リスト

表示義務ではありませんが、日本酒ラベルには「特定名称酒」が書かれていることが多いので、まずはそこをチェックしましょう。

日本酒は、特定名称酒と「普通酒」または「一般酒」に分類されます。特定名称酒とは、原料や精米歩合などの要件を満たした日本酒のことで、大きくは吟醸酒・純米酒・本醸造酒の3種類に分けられます。
それぞれの味わいや特徴を知っておけば、好みに合う日本酒を選びやすくなるでしょう。

「吟醸酒」を名乗るためには、「精米歩合が60%以下の白米を使い、吟醸造りという製法で造られていること」という条件を満たす必要があります。吟醸香とよばれる特有の華やかな香りと、クリアな味わいが楽しめます。
吟醸酒の中でも、精米歩合が50%以下のものは「大吟醸酒」に分類されます。

「純米酒」とは、原料が米と米麹、水のみを原料とした日本酒です。醸造アルコールを添加せずに造られ、お米の旨味や甘味、コクをしっかりと感じられます。
純米酒は精米歩合や製造方法によって、「純米酒」「特別純米酒」「純米吟醸酒」「純米大吟醸酒」に分けられます。

「本醸造酒」とは、醸造アルコールが含まれている日本酒で、精米歩合は70%以下と規定されています。純米酒に比べ、キリッと引き締まった味わいが楽しめます。本醸造酒の中でも精米歩合が60%以下のものは、「特別本醸造酒」と表示されます。

精米歩合

精米歩合も表示義務ではありませんが、特定名称酒を記載する場合は、精米歩合の表示は義務となるので、併せてチェックしましょう。

精米歩合とは、玄米を削り残った割合を%で示したもの。つまり、精米歩合が60%とされていれば、玄米を外側から40%削り取った状態ということになります。造りを知る上で、精米歩合の表記も大変参考になります。

お米の外側には、たんぱく質や脂質などの栄養素を多く含む部分があります。一般的には外側の部分を削り、精米歩合の数値を小さくするほど「すっきりときれいな味わいの日本酒」になるとされます。
一方、精米歩合の数値が大きい日本酒は、コクのある芳醇な味わいになります。お米の外側の栄養素を多く含む部分は、残しすぎると雑味になりますが、適量を残すことでコクやうまみの素となるのです。

原材料名

原材料名は、水を除いて、使用量の多い順に記載されます。品目が清酒・日本酒となっているお酒は、基本的には米と米麹は含まれていますので、チェックするポイントは「醸造アルコール」の記載があるかどうかです。
醸造アルコールの記載がないと純米酒に、醸造アルコールの記載があると本醸造酒のカテゴリとなります。
醸造アルコールを含むことによって、飲み口がスッキリとし、雑味が抑えられ味や香りが引き立つといわれます。

原料米の使用割合が50%を超えている場合のみ、原料米の品種を使用割合と併せた表記が可能です。原料米は蔵のこだわりが表れる部分でもあり、また酒米の種類によって味わいにも違いが生まれるので、酒を選ぶ際は要チェックです。        

日本酒のラベルの見方【味わい編】

徳利からお猪口に注がれる酒と升に入った米

味わいに関しては表示義務がありませんが、商品選びに欠かせないポイント。こちらでは、味わいをイメージするのに役立つ項目とその見方をお届けします。    

アルコール分

アルコール分は表示が義務付けられているので、必ずラベルに記載があります。アルコール分によって味わいは大きく変わるので、チェックしましょう。

酒税法の定義により、清酒は1度以上22度未満と定められています。日本酒はアルコール分15度~16度のものが多い傾向にあります。
原酒などの日本酒はアルコール分が19度前後あり、濃厚な香りと味わいが特徴でパワフルな飲み口のものが多いです。お酒に飲み慣れていない方や強くない方には、やや飲みにくいかもしれませんが、日本酒好きな方には人気があるお酒でもあります。
逆に、アルコール分10度以下の低アルコール分の日本酒もあり、初心者でも飲みやすい味わいとなっています。

テイスティング分類

続いてテイスティング分類の項目です。「甘口」「辛口」「中口」など、一目でわかるよう簡潔に記してある商品は、初心者にとっても分かりやすくてありがたいものです。
もちろん感じ方には個人差がありますが、テイスティング分類の記載内容を参考に、香りや飲み口をイメージしながら商品を選んでみてください。

日本酒度

日本酒度とは日本酒の比重を表した数値で、甘口、辛口を判断する目安のひとつ。プラスになるほど糖分が少なく辛口、マイナスになるほど糖分が多く甘口ということになります。
ただし、日本酒の甘辛さはアルコール度数や酸度とのバランスによっても変わります。日本酒度はあくまで目安ではありますが、好みの日本酒を見つける指標になるでしょう。

酸度

日本酒の味を生み出すための重要な成分として挙げられるのが有機酸。有機酸は日本酒に酸味・旨味をもたらしており、この含有量を相対的に示しているのが「酸度」になります。
酸度が高いものはコクを感じる濃厚な味わい、逆に低いものはさっぱりとした味わいの日本酒が多いです。さらに、酸度が高ければ辛口に感じ、逆に酸度が低いと甘口に感じることが多いです。
酸度のみで味わいが判別できるわけではありませんが、ひとつの目安にしてみてはいかがでしょうか。

製造時期

製造時期は瓶に詰めて出荷できる状態にした時期であり、実際に造られた時期とは異なります。
数年前に搾られた日本酒でも、今日詰めたのであれば製造年月は今月(または今日)となるため、店頭の商品ラベルに記された製造時期で新酒や古酒などの判断は不可能です。とはいえ、瓶詰めされて日が浅い酒のほうがフレッシュな味わいである傾向にあります。    

日本酒のラベルの剥がし方と保存方法

ファイルに貼られた久保田百寿のラベル

ラベルデザインが気に入った日本酒や思い出深い一本などは、ラベルを記念に残しておくのも手です。そんなときに役立つ、失敗しないラベルの剥がし方と保存方法を紹介します。

ラベルの剥がし方①お湯に浸ける

瓶全体を1~4時間くらい水に浸けて、ラベルを浮かせ取る方法です。ラベルのほとんどは水溶性のりで貼ってあるため、水に浸けておくことで剥がれやすくなります。水で剥がれにくい場合や時間を短縮したいときはお湯を使いましょう。

ラベルの剥がし方②シール剥がしを使う

ラベルにシール剥がし専用のスプレーを噴射して剥がし取る方法です。接着面までスプレーの成分をしっかりと浸透させるために、噴射後2~3分置いておくのがコツ。備え付けのヘラやカッターナイフで、スプレーを吹きかけながら丁寧にラベルを剥がしていってください。    

ラベルの剥がし方③ドライヤーで温める

ラベルに熱風を送ることで粘着力を弱め、剥がしやすくする方法です。他の方法と比べ時間はかかりますが、ラベルへのダメージが少ないので、繊細な素材で出来たラベルにおすすめの剥がし方です。どうしても剥がれにくい場合は少しだけ湿らせてからドライヤーを当ててみましょう。

保管方法

続いては、剥がしたラベルを綺麗に保存するコツをお届けします。

①ラベルを剥がしたら、のりの面を上にして乾燥させる(下にすると残ったのりでくっついてしまうため)
②乾いたら、台紙となる和紙や画用紙へ、のりや両面テープで接着する
③湿気で粘着がもどるとラベル同士がくっつくので、重ねずに保管する

台紙に貼り付けたものはクリアファイルなどに入れれば、まとめて保管できるのでおすすめです。特別なラベルは額に入れて飾るのも良いでしょう。

ラベル表記の見方を把握し、自分好みの日本酒を探そう

日本酒のラベルは、その商品がどのようなこだわりの元で造られたか、どのような味わいであるのかなどが読み取れる場所です。正しい見方と比較のポイントを把握することで、自分に適した日本酒が探しやすくなるでしょう。ラベルを参考に、ぜひお気に入りの一本を見つけてみてください。