漬物と日本酒の相性は? 漬物大国だからこそ知りたい日本酒との組み合わせ
2024.05.22

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漬物と日本酒の相性は? 漬物大国だからこそ知りたい日本酒との組み合わせ

ご飯のお供、お茶請けとして欠かせない漬物。日本には全国さまざまな漬物が存在していて、漬物大国です。しかし、食生活の多様化で毎日漬物を食べる方は少なくなってしまったのではないでしょうか。食材を漬けることで旨味が増し、ご飯のお供だけではなくお酒との相性も抜群、何より手軽につまめるのも肴としては最適です。漬物と日本酒の相性を知って、漬物で晩酌する楽しさを再認識しましょう。

目次

  1. 漬物の基本
  2. この漬物にはこのお酒
    1. 千枚漬け / 大根の浅漬け × 久保田 ゆずリキュール
    2. ピクルス / 野沢菜 / ぬか漬け × 久保田 百寿
    3. 刺身の塩麹漬け × 久保田 碧寿
    4. いぶりがっことクリームチーズ / 塩麹漬けサーモンと奈良漬のなめろう × 久保田スパークリング
  3. 全国の漬物と日本酒を合わせてみよう

漬物の基本

日本は世界的にみても漬物の種類が圧倒的に多い漬物大国。漬物とは、食材を塩や醤油、味噌などに漬け込んで保存性を高めた食品のこと。野菜を筆頭に、果物や魚介類、肉など様々な漬物があり、漬け込むことで脱水され、栄養も旨味も凝縮する優れた食品です。

日本での歴史も古く、奈良時代の木簡に青菜などの塩漬けの記載があり、平安時代の文献には塩漬けだけでなくぬか漬けの作り方や季節の食材を使ったものが記載されていることから、昔から漬物のバリエーションは豊富だったようです。江戸時代からぬか床が一般家庭にも普及し、全国の食卓にぬか漬けが欠かせない存在となりましたが、他にもそれぞれの風土が反映された漬物は各地で根付いています。北海道の松前漬け、山形県のおみ漬け、東京都のべったら漬け、石川県のかぶらずし、熊本県の高菜漬けなど挙げたらキリがないほど地域の気候を活かした漬物が存在しているのです。

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この漬物にはこのお酒

漬物をつまみながらお酒を1杯、普段何気なくやっている事も本当に美味しい組み合わせを知れば、もっとお酒が楽しくなり、漬物の選び方も変わってきます。ちょっとした一手間、アイデア次第でグンと相性が良くなるペアリングの技を紹介しましょう。

千枚漬け / 大根の浅漬け × 久保田 ゆずリキュール

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京都の三大漬物の一つと言われている千枚漬け。もともとは聖護院かぶと昆布を使って乳酸発酵させる漬物でしたが、現在は従来の長期保存の目的とは異なり、乳酸発酵させず酢漬けにして繊細に仕上げられているものがほとんどです。同じように大根の浅漬けも塩と砂糖少々、米酢で軽く揉み込みながら漬けたもの。

これら大根やかぶのあっさりとした無発酵漬物には「久保田 ゆずリキュール」が抜群の相性です。一般的な日本酒と比べて低アルコールなので刺激が少なく、上品な千枚漬けの味も壊さず、ゆずの爽やかな香りでフレッシュ感も加わります。ゆずリキュールには氷を入れてキリッと引き締めることで、かぶや大根のテクスチャーともよく合うようになります。

ピクルス / 野沢菜 / ぬか漬け × 久保田 百寿

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実は生野菜にぴったりとハマる日本酒は数少なく、オイルやハーブをつなぎ役にしてお酒とのペアリングを可能にしてきました。「久保田 百寿」はスッキリとした口当たりとキレのある酸、特に後半のアルコールの刺激と苦みがシャキシャキとした野菜とよく合う優れた1本。
香りと苦みのあるミョウガや旨味の多いミニトマトのピクルスと百寿の冷酒は非常に相性の良い組み合わせ。長野県の野沢温泉村で作られていたことから名前がついた野沢菜も、歯ごたえがありアブラナ科独特の香りに百寿の軽快さとボリューム感が合っています。

百寿の燗酒に合わせたいのはぬか漬け。温めたことで控えめな乳酸の香りが立ち、隠れていた米のふくよかさが出てきて酸が丸みをおび、ぬか漬けの香り、酸味とマッチします。燗酒にすることで穀物感も出てきて、長芋など根菜のぬか漬けにも最適です。

刺身の塩麹漬け × 久保田 碧寿

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食材を漬け込めば漬物、ということで刺身を塩麹に漬け込んでみましょう。こんなに手軽でありながら、ねっとりとした食感と凝縮した旨味で熟成したかのような美味しさ。普通の刺身には戻れないほどです。

刺身100gに対して塩麹大さじ1程度。刺身がサクの場合はぴったりとラップに包んで一晩冷蔵庫に置き、切って盛りつけます。既に刺身用に切られているものであれば、ビニール袋などに塩麹と一緒に入れておけば1時間ほどで完成。魚の種類は好みで構いませんが、サーモン、鯛や平目などの白身魚がおすすめ。もちろん、ブリなど脂が乗った魚も脂に負けない旨味が出て芳醇さを感じられます。

合わせるのは「久保田 碧寿」。複雑な酸とふくよかなコクがねっとりとした塩麹漬けと絡み合い、旨味の余韻が続き、美味しさを倍増させる組み合わせです。

いぶりがっことクリームチーズ / 塩麹漬けサーモンと奈良漬のなめろう × 久保田スパークリング

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一手間加えることで、漬物を立派な一品料理に仕上げ、お酒のおつまみとして最適に完成させることができます。秋田県の代表的なたくあん漬け、いぶりがっこ。家の囲炉裏の上で大根を干していたことが始まりで、燻煙されスモーキーな香りが特徴的です。このいぶりがっこを薄くスライスし、同じように薄く切ったクリームチーズを挟むと手でつまめる最高のおつまみ。クリームチーズのミルキーな香りがスモーキーさを和らげつつ、チーズも燻煙されたような風味になってお互いを引き立てあい、いぶりがっこのポリポリとした食感がアクセントで手が止まらぬ美味しさです。「久保田スパークリング」は、濃厚かつスモーキーなつまみの味わいともマッチしながら、弾ける爽快感を心地良く楽しめます。

塩麹漬けサーモンと奈良漬のなめろうは、刺身の塩麹漬けを多めに仕込んでまでもぜひ作って欲しい絶品おつまみ。奈良漬は、奈良県の伝統的漬物で、塩漬けした瓜やキュウリなどの野菜をべっ甲色になるまで何度も酒粕に漬け込んだもの。この奈良漬と塩麹漬けのサーモンを細かく刻み、ざっくりと和えるだけ。ねっとりして熟成したかのようなサーモンと酒粕の風味が強い奈良漬が驚くほどの一体感で、旨味と香りが口いっぱいに広がります。
これらメイラード反応があるものは熟成酒と合わせると完璧ですが、意外にもほどよくキリっとした「久保田スパークリング」とも相性の良さを発揮します。麹っぽい香りと爽やかさを持ち、甘やかな味わいのスパークリングが塩気の強い漬物を包み込んでしまいます。特になめろうの塩麹と酒粕の香りとは程よく同調し、違和感なく食べ進めることが出来るでしょう。

全国の漬物と日本酒を合わせてみよう

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今はさまざまな漬物がスーパーや百貨店で手に入りますが、それぞれ風土や気候に合わせた地域独特の漬物も根強く残っています。変わりばえのない漬物とお酒の組み合わせと思い込んでいても、いろいろ試してみると意外な相性の良さを発見出来ます。何より子供はごはんのお供に、大人はお酒と一緒に、家族全員で楽しめる便利な漬物は食卓に欠かせませんね。ぬか漬けや浅漬けといった定番の漬物から地元の特産物の漬物まで、いろんな漬物と日本酒の相性を試してみてください。

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まゆみ

まゆみ

酒匠、料理研究家。 1日も欠かすことなく酒を呑み続ける驚胃の持ち主。酒と蕎麦と音楽を愛する。著書「うち飲みレシピ」「スバラ式弁当」。