日本酒をより楽しめる。グラスの種類や選び方
2020.04.16

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日本酒をより楽しめる。グラスの種類や選び方

日本酒を飲むときは、どんなグラスを使っていますか?もし、どのグラスで飲んでもお酒の味は変わらないと思っていたとしたら、損をしているかもしれません。適当なグラスに注がず、こだわりを持って選ぶことで日本酒をさらに美味しく楽しめます。ここでは、グラスと日本酒の奥深さをご紹介します。

目次

  1. 奥が深いグラスの世界
    1. 素材で味が変化する
    2. 形状によって香りも引き立つ
    3. 大きさは温度に影響する
  2. 素材別の特徴
    1. ガラス
    2. 陶磁器
    3. 錫・銅
  3. 日本酒におすすめのグラス
    1. お猪口
    2. ぐい吞み
    3. ワイングラス・ブランデーグラス
  4. グラスで日本酒をより楽しく

奥が深いグラスの世界

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グラスと一口にいっても、その種類はさまざま。素材や形状など、バリエーションが豊富です。同じ日本酒でも、グラスが違うだけで味や香りが違うように感じられることもあります。まずは、グラスの違いで起こる変化をご紹介します。

素材で味が変化する

グラスを変えると、見た目が変わるだけではなく、実は、お酒の飲み口やキレも大きく変化します。変化が分かりやすい一例として、グラスの素材が挙げられます。
たとえば、無味無臭のガラス製のグラスは、お酒本来の味が分かりやすいため、日本酒の繊細さを楽しみたいときにおすすめです。陶器のグラスは、ガラス製のものより丸みのある柔らかい口当たりに感じられます。そのため、やや甘めの日本酒と相性が良い傾向にあります。

飲む日本酒に合わせてグラスの素材を選ぶことで、そのお酒の魅力をさらに引き出せます。

形状によって香りも引き立つ

グラスを変えると、日本酒の味だけではなく香り方の違いを楽しめることもポイント。日本酒の香り方は、グラスの形状によって大きく異なってきます。香りを楽しみたいときには、ぜひ飲み口がすぼまった形状のものを選んでみてください。グラスの中に香りが閉じ込められて、飲むときにしっかりと香ってくれます。香りが強くなることで、味わいもより芳醇に感じられます。

反対に、香りが強くない方が良いというときにはストレートのグラスがおすすめ。香りは穏やかに、すっきりとした飲み口になってくれます。

大きさは温度に影響する

日本酒は、温度の影響を受けやすいお酒でもあります。温度変化によって味が異なってくるので、その点に注目してグラスを選べばより長く美味しい状態を維持できます。冷たい日本酒は容量の大きいグラスで飲むと、時間の経過と共にぬるくなってしまう可能性が。そのため、小さなグラスで少しずつ注ぐ方が一番美味しい温度状態で飲めます。

温度変化による味の違いを楽しみたいときには、大きめのグラスでゆっくりと飲むのがおすすめ。グラスの大きさで味わいに変化をつけると、いつも飲んでいる日本酒も違った表情を見せてくれます。

素材別の特徴

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グラス選びで一番大きなポイントとなるのは、やはり材質。素材別にグラスの特徴をご紹介します。

ガラス

最もスタンダードともいえるガラス製のグラス。口当たりもお酒の邪魔をしないため、日本酒本来の味を楽しみたいときにおすすめの素材です。ガラスの厚さによって、口当たりが変わるのもポイント。繊細なうすはりのグラスは、シャープな飲み口に。厚みのあるグラスは、優しい口当たりになります。

陶磁器

日本酒といえば、やはり陶磁器で飲みたいという方も多いのではないでしょうか。陶磁器と日本酒は相性抜群。どんな味の日本酒にも合わせやすいのが魅力です。丸みのある柔らかな口当たりになるため、燗酒の際に使用すると飲み口が優しくなります。

錫・銅

錫(すず)や銅のグラスは、馴染みがない方も多いかもしれません。最も特徴的なのは、熱伝導率の高さ。温めるとすぐにグラス全体に熱が回ります。ただし、保温性効果は低いので燗酒を飲むときは小ぶりなサイズを使用するのがおすすめです。
熱さだけではなく、冷やすときにも錫や銅はその特性を発揮してくれます。冷たい日本酒を注ぐ前に、氷を入れておいて、グラスを冷やしてみてください。すぐにグラス全体が冷却されて、しっかりと冷えた日本酒を楽しめます。
また、錫や銅は水を浄化するともいわれています。そのため、日本酒の味わいがまろやかで柔らかいものに感じられるでしょう。

温もりのある木のグラスは、口に近づけると、ほのかに木の香りを感じられるのが魅力です。お酒の臭みを和らげてくれるので、日本酒もさらに飲みやすくなります。
また、木のグラスは他のグラスと比較すると、厚みがあります。口当たりが優しく、重厚な味わいを感じることができるでしょう。

日本酒におすすめのグラス

グラスは、種類によっても特徴や魅力が異なります。ここからは、見た目もおしゃれで日本酒に合う、おすすめのグラスの種類をご紹介します。

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盃は、神事などの儀式でも使われる伝統的な酒器です。日本酒を注ぐための器というイメージが強いですが、以前は汁物を入れるなど、食事用の器としても使用されていました。
円形で浅く、平面的な形が特徴的です。その形状から、注がれた日本酒と鼻との距離が近くなるため、香りを強く感じることができます。また、味わいの面では甘味が強く引き立つ傾向。
高級感と格式の高さを演出できるので、結婚式やお祝い事をはじめとする、特別なときの酒器として最適です。

お猪口

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日本酒と聞くと、お猪口をイメージされる方も多いかもしれません。盃と同様に、日本酒のための酒器といえるでしょう。小ぶりなサイズ感なので、少しずつ飲めるのがお猪口のメリット。温度が変わる前に飲み干せるので、一番美味しい温度で日本酒を飲みたいときに最適です。また、液面が狭いので、香りは穏やかになります。
現在では錫や木などさまざまな素材のものがありますが、最もベーシックなのは陶磁器製。銚子や徳利とセットになっていることも多いです。燗酒にも冷酒にも使えるので、ワンセットあると便利な酒器でもあります。

ぐい吞み

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お猪口と混同されやすいのが、ぐい吞み。明確な違いが定められているわけではありませんが、お猪口より一回り程度大きめのサイズ感が特徴です。また、お猪口が徳利や銚子などから注がれるのに対して、ぐい吞みは酒瓶から注がれることが多いです。

「ぐいぐい呑める」や「ぐいっと掴んで呑める」が語源となってぐい吞みと呼ばれるようになったこの酒器も、日本酒にふさわしいといえます。お猪口では物足りないと感じたときは、ぜひ、ぐい吞みに注いでみてください。ただし、ちょうどいいサイズ感だと普段よりお酒が進んでしまうかもしれないので、飲み過ぎには注意しましょう。

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盃と同様に、お祝い事に使用されることが多い枡。枡でお酒を飲むときは、どの部分に口を付けるかご存知でしょうか。枡酒は角に口を付けるのではなく、直線の部分に口を付けて飲むのが本来の飲み方とされています。
木や漆塗りのものがほとんどで、特に木製のものは、日本酒を飲むときに木の香りを感じられるのが魅力の1つ。鏡開きで使用される、樽酒の木の香りをより強く引き立たせてくれます。

また、枡は中にグラスを置いて日本酒をなみなみと注ぐ「もっきり」スタイルも楽しめます。もっきりの飲み方は、特に決まりはありません。まずは、グラスの中の日本酒を飲みます。枡に残った分は直接飲んだり、グラスに注いでから飲んだりと、気分で変えてみるのもおすすめ。

ワイングラス・ブランデーグラス

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日本酒にワイングラスやブランデーグラス?と、お思いかもしれません。ワイングラスやブランデーグラスの特徴は、何といってもその形状。香りが立つように作られているため、日本酒もより芳香になります。グラスの側面がストレートに近いほど、香りも直接的にはっきりとしたものに。また、ガラス製がほとんどで、口当たりも繊細でキレがでるのも特徴の1つ。
ワインのようにステアリングして、香りを楽しみながら飲むのもおすすめです。

グラスで日本酒をより楽しく

奥が深いグラスの世界。グラスの種類の分だけ、日本酒が楽しめるともいえます。気になった素材や形状を見つけたら、ぜひ試してみてください。いつものグラスで何となく飲むのではなく、好みの素材や大きさのもので飲むと、日本酒もより美味しく感じられます。