新潟の調味料「かんずり」を楽しもう。一緒に味わいたい日本酒も紹介
2020.11.24

楽しむ

新潟の調味料「かんずり」を楽しもう。一緒に味わいたい日本酒も紹介

かんずりは新潟県発祥の調味料で、唐辛子を発酵させて作られたものです。さまざまな料理の美味しさを引き立ててくれると大人気のかんずりは、焼き鳥や冷奴、ポテトサラダなど、日本酒のおつまみとの相性も抜群。この記事では、かんずりの作り方や魅力、おすすめの使い方とアレンジレシピとともに、一緒に味わいたい日本酒を紹介します。

目次

  1. 「かんずり」とは
    1. 新潟県に伝わる伝統的な調味料
    2. 3~4年間、手塩にかけて作られる
    3. 辛さと旨味、甘味がマッチした味わい
    4. 種類が豊富で楽しみ方は無限大
  2. 「かんずり」の使い方と保存方法
    1. かんずりのさまざまな使い方
    2. かんずりの保存方法
  3. 「かんずり」を使ったアレンジレシピ
    1. かんずりタレを絡めた焼餅
    2. サバのかんずりトマトソース煮
    3. かんずりでピリ辛ポテトサラダ
  4. かんずりを使ったおつまみ×日本酒
    1. 冷奴×久保田 千寿 純米吟醸
    2. 焼き鳥(タレ)×朝日山 純米吟醸
    3. 栃尾の油揚げ×久保田 碧寿
  5. かんずりを使った料理やおつまみと、日本酒を楽しむ。

「かんずり」とは

紐で束ねた唐辛子

かんずりは古くから新潟県民に愛されてきた調味料です。使い方やアレンジレシピなどの前に、まずはかんずりの魅力や種類を紹介します。

新潟県に伝わる伝統的な調味料

かんずりは新潟県妙高市に伝わる調味料で、唐辛子の発酵食品です。妙高市は豪雪地帯で、冬は厳しい寒さが訪れます。そんな妙高市を含む上越地域では「手前かんずり」が古くから作られ、冬には鍋に入れたりそのまま舐めたりして体を温めていました。

一説によると、かの有名な上杉謙信もかんずりを食べていたと伝えられています。現代の日本では全国でかんずりが愛されていて、食通からは「西の柚子こしょう、東のかんずり」と称されることも多いそうです。

3~4年間、手塩にかけて作られる

かんずりの原材料は唐辛子、食塩、柚子、米麹。かんずり作りは、1年目の4月に唐辛子の栽培を始めるところがスタートです。

【1年目】唐辛子の栽培→収穫→塩漬け→雪さらし→元仕込み
【2年目以降】手返し→熟成醗酵→寒ざらし
【発酵の完了後】瓶詰め→袋詰め→出荷

かんずり作りの最大の特徴のひとつは、雪が詰まった畑の上に唐辛子をまく“雪さらし”。唐辛子の強いアクを雪が吸い取り、辛味がやわらかくなるとともに、塩抜き効果もあります。
もうひとつが、寒さが厳しい11月~12月の空の下に樽を置く“寒ざらし”です。味が引き締まり、マイルドな味わいに仕上がります。
3~4年間かけて大切に、そして手塩にかけて作られています。

辛さと旨味、甘味がマッチした味わい

かんずりは唐辛子の発酵食品なので、ピリッと辛い味わいが特徴的です。真っ赤な見た目からは激辛をイメージするかもしれませんが、辛味だけでなく甘味と旨味も強く感じられます。

種類が豊富で楽しみ方は無限大

かんずりは、スタンダードなものから発酵を止めずに仕上げた「生かんずり」や、6年かけて仕込んだ「生かんずり吟醸六年仕込み」など種類が豊富です。かんずりと一緒にシソの実や山菜などを漬けた「かんずり漬」も人気。おつまみと相性抜群の「かんずり酒盗(しゅとう)」、かんずりを使った「チーズせんべい」や「柿の種」などの変わり種もあります。いろいろな楽しみ方ができるのも、かんずりの魅力の1つと言えます。    

「かんずり」の使い方と保存方法

瓶に入った唐辛子ソースと生の唐辛子

かんずりは焼き鳥などのおつまみだけでなく、うどんやラーメンなどさまざまな料理に活用できます。ここでは、かんずりの魅力を堪能できる使い方や保存方法を紹介します。

かんずりのさまざまな使い方

調味料として万能なかんずりは、料理の引き立て役として活躍します。

①料理につけて薬味にする:焼き鳥、うどん、蕎麦、うなぎの蒲焼、おでんなど
②汁やタレに溶かす:味噌汁、ラーメン、天ぷらつゆ、しゃぶしゃぶのポン酢など
③他の調味料に混ぜる:マヨネーズ(かんずりマヨネーズ)、醤油(かんずり醤油)など

かんずりの保存方法

開封後のかんずりを自宅で保存する場合は、必ず冷蔵庫に入れてください。開封前は常温で保存可能ですが、直射日光は厳禁です。賞味期限は開封前後にかかわらず1年間。ただし、これはあくまでもスタンダードなかんずりの話です。商品の種類によって適切な保存方法や賞味期限は異なるので、ラベルの表記を確認しましょう。    

「かんずり」を使ったアレンジレシピ

かんずりは薬味としてだけでなく、料理のアクセントにもなる優れもの。普段食べている料理にプラスして、味わいをグレードアップしてみてはいかがでしょうか。こちらでは、かんずりを使ったアレンジレシピを3つ紹介します。

かんずりタレを絡めた焼餅

【材料(2人分)】
・餅(角切り):4個
・焼き海苔(全型):1枚
<かんずりタレ>
・醤油:大さじ3
・砂糖:大さじ2
・みりん:大さじ1
・かんずり:大さじ1

【作り方】
①焼き網で餅を焼く。
②かんずりタレを絡める。
③お好みの大きさにカットした海苔を巻く。

いつもの醤油をかんずりタレに変えるだけの、簡単アレンジレシピです。焼いたお餅にかんずりタレを絡めると、醤油やみりんの甘味とかんずりの辛味がベストマッチ。かんずりの割合を調節して、好みの味わいを見つけてください。

サバのかんずりトマトソース煮

【材料(2人分)】
・サバ:200g
・キノコ:100g
・玉ねぎ:Mサイズの1/4個
・ワイン:50cc
・水:150cc

A
-かんずり:大さじ1
-トマトペースト:大さじ1

【作り方】
①サバを一口サイズにカットし、塩コショウ(分量外)をかけて5分前後置く。
②フライパンにオリーブオイルを入れ、小麦粉(分量外)をまぶしたサバを皮から焼いて取り出す。
③玉ねぎをしんなりするまで弱火で炒める。
④キノコを加えたら中火にして炒め、Aを加えて混ぜながら炒めて全体に絡めていく。
⑤ワインを加えて中火で1分ほど炒めたら、水を入れて2~3分ほど煮込む。
⑥サバをフライパンに戻してさらに数分煮込み、塩コショウで味を整えたら完成。

かんずりが入った和風ピリ辛トマトソースが、日本酒と相性抜群な一品。サバとキノコを一緒に摂取することで、コレステロール低下に期待できます。

かんずりでピリ辛ポテトサラダ

【材料(2人分)】
・ジャガイモ:5個
・玉ねぎ:Mサイズの1/4個
・きゅうり:1本
・マヨネーズ:大さじ3
・かんずり:大さじ1
・酢:大さじ1

【作り方】
①茹でたジャガイモの皮を剝き、荒つぶしにする。
②キュウリと玉ねぎをスライスしてからお好みの大きさにカットする。
③ボウルにすべての材料を入れ、よく混ぜたら完成。

ポテトサラダは日本酒と好相性で、特に本醸造酒や純米酒に良く合います。かんずりの量を調節したり、お好みの具材を入れたりしてアレンジしてください。

かんずりを使ったおつまみ×日本酒

冷奴や焼き鳥、油揚げにかんずりをかければ、日本酒がより一層美味しく感じられるでしょう。こちらでは、おつまみとかんずりの合わせ方、それぞれのおつまみに合う日本酒を紹介します。

※こちらの記事内で紹介した商品の価格は2020年11月24日現在のものです。

冷奴×久保田 千寿 純米吟醸

久保田 千寿の商品画像

かんずりを冷奴にそのまま乗せても、大根おろしや岩海苔に混ぜてから乗せても美味しく味わえます。さっぱりとした冷奴の味わいに、かんずりの味が絶妙なアクセントに。かんずりと冷奴は相性が良く、軽やかな後味を感じられます。

シンプルな味わいの冷奴には、やわらかな口当たりとドライな飲み口が特長で、料理の味の邪魔をしない「久保田 千寿 純米吟醸」がおすすめです。冷奴の味わいがシンプルだからこそ、かんずりや酒の美味しさが引き立ちます。

久保田 千寿 純米吟醸
1,800ml    2,800円(税込3,080円)
720ml    1,300円(税込1,430円)
300ml    650円(税込715円)

焼き鳥(タレ)×朝日山 純米吟醸

朝日山の商品画像

かんずりはタレと肉の旨味と相性抜群で、かんずりの辛さが肉の油っぽさを中和してくれます。焼き鳥にそのままかけたりタレに混ぜたりと、楽しみ方は豊富。日本屈指の酒どころとして有名な新潟県の焼鳥屋では、七味や一味の代わりにかんずりを提供するお店もあるほど愛されています。

透き通った穏やかな香りで、口に含むとさわやかな旨味と甘味を感じられる「朝日山 純米吟醸」は、ピリ辛のかんずりを合わせた焼き鳥にぴったり。冷酒やぬる燗など、さまざまな温度帯で美味しく味わえます。

朝日山 純米吟醸
1,800ml    2,350円(税込2,585円)
720ml    1,100円(税込1,210円)
300ml    550円(税込605円)

栃尾の油揚げ×久保田 碧寿

久保田 碧寿

栃尾(とちお)の油揚げは、新潟県長岡市栃尾の名物です。一般的な油揚げの約3倍という大きさで、ずっしりとした味わいのものもあれば、ふんわりとした軽い口当たりのものもあります。焼いてから醤油やかんずりなどの薬味を上からかけるか、味噌やかんずりなどの薬味を中に詰めてから焼くとおすすめです。
かんずりはほのかに感じられるアクセントとして活躍します。

そんな栃尾の油揚げには、山廃仕込みの「久保田 碧寿」がおすすめです。油揚げの旨味と碧寿の味のふくよかさの相性は抜群。ぬる燗などの燗酒にすると、温度とともに変化する味わいを楽しめます。

久保田 碧寿
1,800ml    5,030円(税込5,533円)
720ml    2,230円(税込2,453円)

かんずりを使った料理やおつまみと、日本酒を楽しむ。

かんずりの使い方は幅広い上にさまざまな料理やおつまみと合うので、楽しみ方は無限大です。いろいろな料理やおつまみにかんずりを合わせて、日本酒との相性の良さを実感してみてはいかがでしょうか。かんずりやおつまみ、日本酒の組み合わせを堪能してください。