日本酒の正しい保存は?保存方法にまつわる素朴な疑問
日本酒に関する質問で多いのが、保存に関する質問。「古い日本酒が出てきたけど飲めますか?」「冷蔵庫で保存した方がいいですか?」など、意外に保存方法について知られていないようです。そこで、日本酒の保存方法に関する素朴な疑問にお答えします。
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家飲みが増えてきた昨今。自宅で日本酒を飲む方なら「日本酒はどのように保存したら良いのか」気になるのではないでしょうか?自宅で日本酒を保存する場合、冷蔵庫での保存がおすすめです。今回は、日本酒の冷蔵庫保存をおすすめする理由や保存方法とともに、日本酒専用の冷蔵庫「日本酒セラー」についても紹介します。
目次
日本酒をより美味しく楽しむためには、冷蔵庫での保存がおすすめです。ここでは、日本酒を冷蔵庫で保存した方が良い理由と具体的な保存方法について解説します。
食品には安全に美味しく食するための賞味期限が表示されていますが、日本酒には記載されていません。実際、日本酒にははっきりとした賞味期限が存在しないため、製造年月の記載のみが義務づけられているのです。
日本酒の賞味期限が明確でないからといって、いつまでも味に変化が出ないわけではありません。未開封の日本酒でも、常温か冷蔵かなど保存する環境によって、熟成のスピードや味わいに変化が出てきます。常温で保存すると熟成の度合いが比較的早く進むため、冷蔵で保管した方が良いでしょう。
日本酒は日光や高温の影響で味が変わると言っても過言ではありません。どの日本酒であっても、紫外線が当たらない冷暗所で保存することが大前提です。適切な場所で保存された未開栓の日本酒の場合だと、製造年月から約半年~1年程度は美味しく飲むことができるとされています。
しかし一度開栓すると、熟成が進みやすくなり、味わいが変化する可能性が高くなります。開栓済みの日本酒の場合は、約2週間を目安に早めに飲み切ってしまいましょう。
早く飲み終わるのが難しい場合は、冷蔵庫での保存がおすすめです。特に生詰酒や生酒、大吟醸酒などは、冷蔵庫での保存が基本。常温より冷蔵庫で保存することで、品質の変化のスピードを緩め、味わいや香りを維持しやすくなります。熟成のスピードをより緩やかにしたい場合は、冷蔵庫の温度を低めに設定しましょう。
ワインは横置きで保存しますが、それはコルクが乾燥して収縮し、入り込んだ空気による酸化を防ぐためです。日本酒を横置きにすると空気に接する範囲が広くなり、酸化が進みやすくなるといわれています。
また、日本酒に限らずお酒類は、温度だけでなく光の影響でも味が変わります。冷蔵庫の開け閉めによっても光の影響を受ける可能性があるので、化粧箱に入れるか新聞紙などで覆って保存すると良いでしょう。
日本酒の冷蔵保存には、普段使用している冷蔵庫に保存するか、「日本酒セラー」に保存する方法があります。そこで、日本酒セラーのメリットと使用方法を解説しましょう。
ワインを貯蔵するワインセラーはよく知られています。日本酒セラーとは、正にワインセラーの日本酒版です。日本酒の保存用に特化してつくられた日本酒セラーは、適度な温度が保たれ収納しやすいのが特徴。小瓶から高さのある一升瓶まで、サイズに合わせて保管することができます。
日本酒セラーの種類は、業務用の大型タイプから家庭向けのものまでさまざま。日本酒の人気が高まる中、家庭向けの日本酒セラーが注目を集めつつあります。適温で保存できる日本酒セラーを使用すれば、自宅にいながら好きな日本酒を長く楽しむことができるでしょう。
日本酒セラーのメリットは、日本酒の種類に応じた細かい温度調節や0度前後の低温冷蔵が可能なことです。
さらに、家庭用の冷蔵庫に比べて、日本酒セラーでは他の食品とのスペースの兼ね合いを考える必要がありません。また、ドアの開け閉めの回数が減るため、温度変化や光の影響を抑えられるのもメリットの一つ。日本酒のサイズに合わせてつくられているので、家庭用冷蔵庫では保存が難しい一升瓶も、縦置きのまま容易に保存ができます。機能性だけでなく、おしゃれなデザインの商品を選ぶとインテリアとして特別な存在感も。
日本酒セラーの使い方はいたって簡単。普通の冷蔵庫と同じように電源を入れ、各日本酒に適した温度設定をして保存するだけです。日本酒は、日光や蛍光灯などの紫外線の影響を受けても品質が劣化すると言われています。日本酒セラーの中には紫外線対策をしている製品もありますが、なるべく直射日光の当たらない場所に置くと、紫外線による品質劣化が抑えられるでしょう。
日本酒好きの人には、より美味しく飲むために日本酒セラーの使用をおすすめします。日本酒セラーを選ぶ際は、実際どのような点に注目すれば良いのでしょうか。日本酒セラーの選び方のポイントとおすすめの商品を紹介します。
家庭用の日本酒セラーは、コンパクトなサイズを選ぶと室内での置き場所に困りません。一升瓶を縦置するか、十分な数が保存できるかなど容量も必ずチェックしましょう。種類やサイズが異なる日本酒を保存できるように、棚板が外せて保存スペースが調節できるのを選ぶのもポイントです。
日本で販売されている日本酒セラーは、電気制御による「ペルチェ式」や、モーターで動かす「コンプレッサー式」などが一般的です。「ペルチェ式」のタイプは、価格が安く静音性が高いのがメリット。一方で、冷却能力が高く温度管理がしやすい点で選ぶなら、「コンプレッサー式」がおすすめです。ただし、振動や駆動音があるので、作動音を低減化しているものを選ぶと良いでしょう。
日本酒の品質を維持するためには、5℃以下の低温設定ができるものが望ましいです。長期保存をする場合は、0℃からマイナスの温度設定ができるタイプがおすすめ。種類によって適切な温度が異なるので、パーテーションで個別に温度管理できるかどうかも選ぶ時のポイントです。
ガラス扉はおしゃれな上に保存している日本酒の種類が見やすいですが、日本酒の品質を劣化させる紫外線には注意が必要です。紫外線は蛍光灯の光にも含まれています。紫外線を遮断するガラス扉やLEDライトを使用するなど紫外線対策をしたものを選びましょう。
日本酒セラーを探している方におすすめしたいのが、AQUAの「SAKE CABINET」です。日本酒の保存に最適と言われる「-5℃」を保てるのが特徴。温度は5段階式で設定が可能で、-10℃・-5℃・0℃・5℃・10℃から選べます。タッチパネル方式なので操作が簡単なのも魅力。
収納部分は3段に分かれ、上段に12本の四合瓶、中段には一升瓶を9本、下段には小瓶8本が収納できます。また、ドア部分には酒器などを冷蔵できる棚も設置。
光による酒質の劣化を防ぐため、庫内灯はLEDライトを使用しています。「SAKE CABINET」は機能性が高いだけでなく、七宝柄が採用された庫面のデザインが美しいところもおすすめのポイントです。
日本酒は適切に保存することで、上質な味わいを長く楽しめます。家庭用冷蔵庫の保存でも品質の変化を抑えられますが、日本酒に特化してつくられた日本酒セラーを使うと、より適した環境下で保存できるため、長期間好きなお酒を堪能できます。各々に合った保存方法で、自宅でも美味しい日本酒を楽しみましょう。