日本酒「久保田」と楽しむ、秋田県のご当地グルメ3選
2023.07.05

特集

日本酒「久保田」と楽しむ、秋田県のご当地グルメ3選

毎回1つの都道府県にスポットを当て、久保田ファンと朝日酒造社員が一緒にご当地グルメと久保田を味わいながら、その地域やグルメにまつわるトークを楽しむオンライン飲み会「久保田ご当地グルメ部」。今回は、秋田県をテーマに開催しました。ファンや社員おすすめの、久保田と楽しめる秋田県のご当地グルメをご紹介します。

目次

  1. 久保田ご当地グルメ部とは
  2. ハタハタ×久保田
    1. ハタハタの実食
  3. とんぶり×久保田
    1. とんぶりの実食
  4. だまこ鍋×久保田
    1. だまこ鍋の実食

久保田ご当地グルメ部とは

久保田ご当地グルメ部

久保田ご当地グルメ部」とは、毎回1つの都道府県にスポットを当て、久保田ファンと朝日酒造社員が一緒にご当地グルメと久保田を味わいながら、その地域やグルメにまつわるトークを楽しむオンライン飲み会です。
ご当地グルメには、全国的に有名なものから本当に地元の人しか知らないものまで、様々なグルメがあります。そんな知られざるグルメと日本酒・久保田を、地元の方はどんな風に楽しんでいるのでしょうか。

今回は、男鹿半島の風習であるなまはげが有名な秋田をテーマに開催しました。ファンの方おすすめのご当地グルメとともに、美味しく楽しめる久保田もご紹介していきます。

ハタハタ×久保田

ハタハタ

事前アンケートでも複数の方が秋田のグルメとして挙げていたのが「ハタハタ」です。秋田県の県魚にもなっており、秋田の冬の味覚の代名詞と言われています。「ハタハタがないと正月が迎えられない」とも言われるほど、秋田県民の生活には欠かせない存在です。お母さまが秋田県出身というファンの方も、「ハタハタは、秋田のおばあちゃん家に行くとよく出てきた。これ美味しいと思って」と話されていました。

ハタハタは、スズキ目に属する魚の一種で、体長20cm程度の魚です。塩焼きや煮魚、醤油漬けなど、様々な調理法で楽しまれていますが、10月下旬頃から1月頃までの漁期に大量に獲って保存するために、独特の発酵食文化も生まれています。ハタハタを発酵させて造る魚醤の「しょっつる」や、そのしょっつるとハタハタを使った鍋料理の「しょっつる鍋」、米と一緒に発酵させた「ハタハタ寿し」などが保存食として昔から食べられています。

さらに、ハタハタの卵である「ぶりこ」も見逃せません。プチプチとした食感と弾力があり、珍味として重宝されています。「ぶりこがあればあるほど高級らしくて。田舎の方ではぶりこをしょうゆ漬けにするんです」と教えていただきました。

ハタハタの実食

お取り寄せしたのは生のハタハタの冷凍なので、自分で調理して食べます。ファンの方のおすすめは煮付けということで、シンプルに酒とみりん、砂糖、しょうゆで煮ました。ハタハタ自体は淡泊ですが甘味が感じられ、身はほろっと柔らかく、骨以外に余すことなく一尾まるごと楽しめる、酒の肴にぴったりなおつまみです。

そして、何と言っても卵のぶりこ。ファンの方も「季節によって卵がしっかりついてる時とない時があるんです。今回は卵がしっかり入っていて、すごい嬉しいです」と話す通り、ぶりこが絶品です。煮ることで弾力が増し、つぶつぶの食感をより楽しめるとともに、凝縮したうま味と甘味、深い味わいが楽しめます。

ハタハタの煮付けに合う久保田として、アンケートでは「久保田 萬寿」や「久保田 碧寿」といった銘柄がおすすめされましたが、イベントに参加されたファンの方は「今、萬寿を飲んでいます。久保田は結構飲むんですけど、萬寿ばっかり。高いけど美味しいなと思って」と贅沢なペアリングに。ハタハタの煮付けと合わせると、「絶妙に美味しい。酒も進むし」とご満悦です。ハタハタに萬寿の香りが加わることで、華やかで芳醇な味わいが口の中に広がり、ハタハタの深いうま味のある味わいと萬寿の奥行きのある味わいが見事にマッチしています。どちらもより美味しく味わえる、最高の組み合わせといえますね。

とんぶり×久保田

とんぶり

秋田県在住のファンの方からご紹介いただいたのが「とんぶり」です。とんぶりとは、アカザ科の一年草であるホウキギの成熟した実を加工したもので、直径1~2mm程度の粒状のものです。

あまり聞き慣れないですが、それもそのはず。とんぶりが生産されているのは、日本国内では秋田県大館市のみとのこと。「地理的表示保護制度(GI)」に登録され、「大館とんぶり」としてブランド化をしています。
収穫した実を乾燥させた後、いったん茹でてそのまま一晩おいた後、周りの皮を取り除き、また水を入れて皮を取り除くという作業を何度も繰り返します。手間暇かけて完成したとんぶりの味は淡泊な味わいですが、プチプチとした食感を楽しむ食材で、「畑のキャビア」や「山のカズノコ」などとも呼ばれています。

ちなみに、とんぶりという名前は、ハタハタの卵であるぶりこに似た形と、唐(中国)から伝わったということで「唐ぶりこ」が訛ってとんぶりになったと言われています。

とんぶりの実食

まずはとんぶりをそのまま食べてみると、とんぶり自体には特に味わいがある訳ではありませんが、草花のような、土のような、自然を感じる香りがします。とんぶりの楽しみ方として、「山芋の千切りにのせて、ちょっとしょうゆをかけて食べると最高なんです!」とファンの方から教えていただきました。早速試してみると、とんぶりの香りが和ハーブのように鼻をくすぐり、山芋のシャキシャキ、ザクザクといった食感にとんぶりのプチプチした食感が相まって、とても賑やかな食べ心地を楽しめる一品になります。

とんぶりそのものには濃い味がついていないため、香りを味わいながら酒を飲むならスッキリした千寿が合うと思います」とおすすめいただいた「久保田 千寿」を合わせてみると、千寿のクセのない綺麗な酒の味わいが引き立ちます。酒だけで飲むよりも千寿の洗練された上品な甘味、力強いうま味を感じられるようになり、酒を引き立てる存在になるようです。

おろした山芋に卵黄を落としてとんぶりをのせて、ごはんにのせて食べると、お酒の後に美味しい」という食べ方も教えていただき、酒の肴としてから〆のご飯としてまで、とんぶりは食と酒の引き立て役に大活躍ですね。

だまこ鍋×久保田

だまこ鍋

秋田の鍋といえばきりたんぽ鍋が有名ですが、新潟県生まれで結婚して秋田県と縁のできたファンの方が紹介してくださったのは「だまこ鍋」。きりたんぽ鍋は、県北の鹿角(かずの)地方が発祥であるのに対し、だまこ鍋は県央の八郎潟町や五城目町周辺の南秋地方が発祥の鍋料理です。

比内地鶏をベースにしたスープに、鶏肉やマイタケ、長ネギ、ごぼうなどの具材を入れる鍋で、きりたんぽ鍋と似ていますが、違いは入れるお米の形です。きりたんぽ鍋は、潰したお米を棒に巻きつけ、表面をこんがりと焼いた棒状のものを入れますが、だまこ鍋は、お米をすり鉢で潰して一口サイズに丸めたものを入れます。ちなみに、このお米を潰すことを「はんごろしにする」と言ったりするそう。
きりたんぽよりも作るのが簡単なため、家庭でもよく食べる鍋で、学校の給食にも出たりするそうです。ファンの方も、「だまこ鍋は義理の母から教えてもらったもので、一般的な家庭はきりたんぽ鍋よりもだまこ鍋の方が多い」と話されていました。

だまこ鍋の実食

だまこ鍋も具材が届くので自分で調理しますが、ファンの方からポイントとして教えてもらったのが、「だまこには焦げ目をつけた方が断然美味しいんです。秋田の方では炭火焼きするんですよ。香ばしさが美味しいんです。なので、フライパンで焦がしてもらったら最高です。焼くとカリッとしてさらに美味しい。酒飲みはカリッとしている方が好きなんだと思う」とのこと。イベント当日は知らずにそのまま入れてしまいましたが、撮影用はきちんと焦がして作りました。

きりたんぽ鍋は食べたことがあるけれども、だまこ鍋は初という朝日酒造社員が食べてみると、「味は濃いですね。野菜のうま味も染み込んでいる。だまこがそんなに味がないので、しょっぱさが欲しくなる。汁を飲みながらだまこを一緒に食べるのがいいですね」と、だまこと汁の一体感が美味しさを倍増させます。
特徴的なのは、だまこのもちもち感。「きりたんぽよりもお餅っぽい感じ。美味しいですよね。お米はコシヒカリよりあきたこまちがいいんです。ねばりとかが違うんですって」と、もちもち感の秘密はお米にあるようです。

このだまこ鍋におすすめいただいたのは、「久保田 百寿」。「20代の時から久保田を飲んでいて、久保田がすごく好きで、毎日飲むなら百寿が好き」と話すファンの方のイチオシです。具材やあっさりの醤油ベースのスープの味わいや風味を損なわず、バランスよく楽しめる組み合わせとなりました。