日本酒に合う鍋はこれ!料理家おすすめの鍋レシピ8選
日に日に寒さが増してくると、温かいお鍋が恋しくなるもの。ついつい毎日お鍋にしてしまうなんて方もいるのではないでしょうか。毎日でも飽きない、定番のお鍋からちょっと一工夫加えたお鍋まで、人気料理家が考案した日本酒に合うお鍋レシピをご紹介します。お鍋のお供に日本酒も温めて、心も体もあたたかくなりませんか?
特集
11月25日から27日まで東京の日比谷公園で開催された「第9回ご当地鍋フェスティバル」。朝日酒造もご当地酒蔵めぐりブースに参加し、「久保田」5種を提供しました。人気鍋と「久保田」の相性を、朝日酒造社員が体を張って徹底レポートします。
目次
東京の日比谷公園噴水広場で毎年11月に開催され今年で第9回を迎えた、全国の鍋と銘酒を集めた一大イベントの「ご当地鍋フェスティバル」。全国各地から22種類の鍋料理が勢揃いしたほか、旬の海産や地元で人気のご当地グルメ、そして100種類以上もの日本酒が集結しました。
開催3日間は、土曜日は少し雨が降ったものの快晴に恵まれ、大勢のお客様で賑わっていました。
ご当地酒蔵めぐりブースには、鍋に合う全国各地の厳選された日本酒が集まり、多くの方が飲み放題や飲み比べセットで色々な日本酒を味わっていました。朝日酒造も26日の一日参加し、鍋に合うと厳選した「久保田 千寿」「久保田 千寿 純米吟醸」「久保田 純米大吟醸」「久保田 碧寿」「久保田 ゆずリキュール」の5種を用意。用意した四合瓶約50本は、一日でほぼなくなるほどでした。
そんな5種類の「久保田」と鍋、どれとどれが合うのか、これはもう実際に食べてみるしかない!ということで、朝日酒造社員が実際に10種類の鍋を食べ尽くしてきました。
北海道からは、仕入れた蟹を豪快に贅沢に使用した「3種カニ鍋」。
シンプルな味わいの鍋に「久保田 千寿」が存在感を隠すように最も自然に無難に合い、ただただ蟹の風味を引き立てます。「久保田 碧寿」では酒の酸味を強く感じすぎるため、出汁や風味を楽しむあっさりした鍋には向かないかもしれません。
岩手県からは、陸前高田市の「大和家の牡蠣」とマルコメの人気味噌「麹美人」を使用した「牡蠣の豆乳味噌鍋」。野菜の甘味と牡蠣の複雑なうま味を豆乳がまろやかにまとめています。
これに「久保田 碧寿」の豊かな深みと酸味が加わることで、鍋の味わいがさらに芳醇にふくらんでいきます。鍋の味わいを引き立てるだけでなく、碧寿のしっかりとした辛味や酸味、骨太な味わい、懐の深さを鍋が引き出すことで、碧寿が際立って美味しく感じられる組み合わせでした。
「久保田 ゆずリキュール」を合わせると、鍋のまったりとしたうま味にすっきり感や爽快感を加え、また違った味わいを楽しめます。
宮城県からは、あんこうの肝をたっぷり入れて季節の野菜と煮込んだ「あんこう肝鍋」。
あん肝の少しクセのある風味と「久保田 碧寿」の上品できれいな熟成香が合わさり、鼻に抜けていく香りがなんともいえず贅沢。あん肝鍋の強烈で個性のあるうま味に、碧寿のどっしりとしたうま味と強い酸味が加わることで、「美味しい」が多層的に広がっていきます。個人的には今回の中で一、二を争う美味しい組み合わせ。さすが第1回から3年連続グランプリで殿堂入りした鍋なだけあります。
千葉県からは、九十九里で獲れたハマグリの出汁で作った「ハマグリ鍋」。
上品なお出汁やお吸い物のような印象の鍋に「久保田 千寿 純米吟醸」のやわらかい酒質とほのかな甘味がきれいに寄り添います。鍋がやさしく、マイルドな味わいだけに後味がぼやけるような印象があるところ、千寿 純米吟醸のすっきりした酸味が全体を爽やかにまとめ上げていきます。
「久保田 ゆずリキュール」もおすすめ。塩味系のお鍋とゆずリキュールは間違いない組み合わせです。
新潟県からは、3年連続グランプリを受賞し殿堂入りした人気の「越後新潟天然鴨ネギ鍋」。
甘味の強い鴨ネギ鍋に「久保田 千寿 純米吟醸」のほのかな甘味が加わることで、出汁の美味しさがより際立ちます。その後、千寿 純米吟醸のすっきりした辛味をうっすら感じると、それぞれの味わいが軽すぎず重すぎず絶妙なバランスを保っていきます。鍋単体ではとても強く感じられた鴨ネギ鍋の甘味は、千寿 純米吟醸のきれいな酸味と混ざり合い、鼻奥に上品な香りを残しつつ、心地よい余韻となって楽しませてくれました。
三重県からは、伊勢海老の頭を丸1匹使用した、海老の濃厚みそが溶け込んだ「伊勢海老の濃厚みそ鍋」。見た目の豪華さはこれが一番かもしれません。
海老味噌には「久保田 碧寿」がベストマッチ。海老味噌特有の凝縮されたうま味や苦味といったクセのある味わいを碧寿の重厚な味わいとシャープな酸味がしっかりと受け止め、マイルドな味わいに変えてくれました。
「久保田 千寿」も吟醸香がふわっと広がり、海老の香りとともに鼻に抜けていく感じを楽しめるのもこの鍋の醍醐味の一つ。鍋と合わさって温度が上がることで、隠れていた千寿の甘味が口内にふくらみ、具材や出汁のうま味と相まって味わいに深みや奥行きをもたらします。
同じく三重県から、松坂牛と黒毛和牛をじっくり煮込んだコラーゲンたっぷりの「松阪牛と特選黒毛和牛の牛すじ鍋」。
まったりして濃厚な味付けの牛すじは噛むほど肉々しい味わいや甘味を感じられます。これには「久保田 純米大吟醸」のしっかりとした甘味が負けずによく合い、牛すじを噛むほどにあふれだす強いうま味とともに味わいがボリュームアップしていきます。純米大吟醸のフルーティーで華やかな香りも相まって、よりゴージャスな味わいを楽しめます。
広島県からは、広島産牡蠣のうま味を引き出した定番の「牡蠣の土手鍋」。
先ほどの「牡蠣の豆乳味噌鍋」に合ったのは「久保田 碧寿」でしたが、こちらもやはり碧寿がぴったり。牡蠣特有の味わいと甘味の強い野菜と味噌の味わいを、碧寿のパワフルで濃厚な味わいがしっかり受け止めます。碧寿の複雑で奥深い味わいが鍋の味わいと拮抗しながら、味わいの幅をさらに広げてくれます。
「久保田 純米大吟醸」もその甘味とうま味が鍋の味わいに負けずに合い、華やかな香りが鍋の豊かな香りと調和することから、碧寿とはまた違った楽しみ方ができますよ。
福岡県からは、上質な牛丸腸を使い、ピリ辛のみそしょうゆスープに仕上げた定番の「博多もつ鍋」。
もつ鍋の甘く濃厚な味わいに、「久保田 ゆずリキュール」の強い酸味とさっぱりした味わいが口内をすっきりさせてくれます。ゆずリキュールのベースにもなっている「久保田 千寿 純米吟醸」とも爽やかにマッチしましたが、牛もつの濃醇なうま味と汁の甘味に柑橘系のエッセンスが加わることで、新しい美味しさを感じることができるゆずリキュールとの組み合わせがイチオシです。
最後は宮崎県から、宮崎地鶏の鶏ガラで出汁を取り、地鶏のつみれと宮崎県産の野菜で合わせた「地鶏塩鍋」。
汁は優しくマイルドですが、鶏つみれは鶏のうま味を凝縮した味わいで、しょうがや柚子胡椒の味わいがさらなるアクセントになっています。「久保田 ゆずリキュール」を合わせると、つみれの賑やかな味わい、出汁のやさしい味わいのどちらにもきれいに調和し、自身の味わいも主張しながら全体の味わいをまとめ上げていき、まるで鍋を整えるための調味料の一つのようです。あんこう肝鍋と並び、個人的には今回の中で一、二を争う美味しい組み合わせでした。
蟹や海老、貝類を使った出汁のうま味を楽しむような優しい味わいの鍋には「久保田 千寿」や「久保田 千寿 純米吟醸」が、一方であん肝や牡蠣など風味にクセのある素材を使った味付けの濃い鍋には、「久保田 碧寿」や「久保田 純米大吟醸」が合いました。特に、碧寿とあんこう肝鍋の組み合わせは秀逸です。そして、「久保田 ゆずリキュール」は鍋全般によく合っていました。ブースでも、ゆずリキュールの美味しさに何杯もおかわりする人が続出し、一番最初に品切れになったほど。
今年の冬、鍋を食べる時には、味わいに合わせて日本酒1種とゆずリキュールの計2種を用意してみてください。より一層鍋を楽しめますよ。