杜氏おすすめ!フルーツと日本酒の組み合わせ
2021.10.28

楽しむ

杜氏おすすめ!フルーツと日本酒の組み合わせ

今日のおつまみに迷ってしまったら、フルーツも選択肢に入れてみてください。とっても手軽に楽しめるのに、甘味があるものから酸味が強いものまで味わいはバラエティー豊富です。そんな様々なフルーツと日本酒を組み合わせて楽しんでいる杜氏から、おすすめを紹介します。

目次

  1. 気軽に挑戦できるフルーツと日本酒の組み合わせ
    1. バナナ×久保田 千寿
    2. 梨×久保田 純米大吟醸
    3. マスカット×久保田 スパークリング
    4. 日本酒とパイナップルはNG!?
  2. フルーツと日本酒を組み合わせるポイント
  3. 日々を楽しくするワンポイントとして

気軽に挑戦できるフルーツと日本酒の組み合わせ

フルーツ盛り合わせ

「日本酒に何を合わせよう? できれば簡単に用意したい」
「昼間に飲む時に何を合わせたらいいだろう?」
「食事以外にも合わせてみたいなあ」
「デザートっぽく食後に日本酒を楽しみたい!」

そんな方にチャレンジしていただきたいのが、フルーツとの組み合わせです。酒造りを担う杜氏も試している、おすすめのフルーツと日本酒の組み合わせを紹介します。

今回、おすすめの組み合わせを紹介するのは、「久保田 千寿」などを造る朝日酒造の大橋杜氏です。30年以上酒造りに携わっているベテランで、2016年より朝日酒造の酒蔵の一つである松籟蔵の杜氏を務めています。

朝日酒造 松籟蔵 杜氏 大橋良策

杜氏曰く、フルーツとの組み合わせは「ふと思い立って、軽い気持ちでやってみた」とのこと。その言葉通り、種類によっては包丁いらずで、とっても気軽に挑戦できます。今回は、その中から3つの組み合わせをご紹介します。

バナナ×久保田 千寿

バナナ

日本人が最もよく食べるフルーツというデータもある、とても身近な存在「バナナ」。
包丁いらずで簡単に食べられ、優しい甘さが老若男女に親しまれています。

そんなバナナは、軽快な味わいや後味のキレが特長の「久保田 千寿」と一緒に楽しんでみてください。
千寿の綺麗な風味がバナナの持つ青さを薄め、かつ飽きのこない爽やかな甘味と際立たせてくれます。ついついバナナを食べすぎてしまうかも。
朝食やおやつに大活躍のバナナが大人のおつまみに早変わりで、大勢の人に愛されているフルーツの底力を見せつけられます。

杜氏曰く、バナナは完熟のものだと、その甘い味わいや香りがより久保田 千寿に合うとのこと。
様々な熟れ具合のバナナを組み合わせるのも面白そうです。

梨×久保田 純米大吟醸

梨

夏から秋にかけて楽しめる「」。
シャリシャリした食感や、噛んだ時にジュワッと口に広がるみずみずしさは、梨ならではの魅力ですよね。

今回は、華やかな香りと上品な甘みが特徴の「久保田 純米大吟醸」と合わせます。
純米大吟醸に梨の果汁が重なると、純米大吟醸の意志の強い味わいが優しく変化するように感じられます。

「他の久保田は飲みなれているけど、久保田 純米大吟醸は初めて飲む」
そんな方にぜひ挑戦していただきたい組み合わせです。

マスカット×久保田 スパークリング

マスカット

最近では種なしや皮ごと食べられる品種も多い「マスカット」。
味はもちろん、黄緑色の粒が房になった存在感のある見た目や、それでいて指でつまんで味わえる点から、才色兼備なフルーツと言えるかもしれません。

そんなマスカットには、のどを通る繊細な“しゅわしゅわ”が特長の「久保田 スパークリング」と組み合わせました。
芳純なマスカットの甘味を久保田 スパークリングの甘酸っぱさが穏やかにし、気が付くと一房、一瓶があっという間。

マスカットと、上品な装いの久保田 スパークリングは並べた時の相性も抜群です。
加えて日本酒にあまりなじみのない人からも人気のあるお酒ですので、仲間内みんなで飲む楽しい時間の彩りとしても一役買いそうです。

日本酒とパイナップルはNG!?

ちなみに、パイナップルを食べると酸味が舌に残ってしまうように感じる人もいるとのことで、唎き酒前は食べるのを控える杜氏もいるとか。大橋杜氏も酒造りへの影響が考慮し、パイナップルと日本酒の組み合わせは挑戦できていないそう。
ぜひ大橋杜氏の代わりに楽しんでいただき、美味しい組み合わせが見つかりましたら教えてくださいね。

フルーツと日本酒を組み合わせるポイント

 朝日酒造 松籟蔵 杜氏 大橋良策

大橋杜氏によれば
「反対の個性を持つものでなく、協調する風味を持つもの同士で組み合わせる」
というのが、日本酒とフルーツを合わせる際のポイントだそう。

協調する風味を持つもの同士の組み合わせを考える時、日本酒の香りに着目していただくのがおすすめです。
日本酒には吟醸香と呼ばれるフルーティーな香りを持つものがあり、その香りは、日本酒に含まれている2種類の成分の強弱が関わっています。1つ目がカプロン酸エチル、2つ目が酢酸イソアミルと呼ばれるもので、カプロン酸エチルが強いとリンゴ・梨系のサッパリとした吟醸香に、酢酸イソアミルが強いとバナナ・メロン系のやや甘い吟醸香になる傾向があります。

今回ご紹介したお酒の吟醸香は、次のようになっています。
バナナと合わせた久保田 千寿… バナナ・メロン系
と合わせた久保田 純米大吟醸… リンゴ・梨系
マスカット
と合わせた久保田 スパークリング… リンゴ・梨系

組み合わせる際には
「この日本酒の吟醸香はリンゴ・梨系? それともバナナ・メロン系か?」
と考えてみると、手がかりとして役立ちそうです。       

もちろん味の好みは人の数だけありますから、反対の個性を持つものを組み合わせても美味しく感じられる可能性は大です。ぬり絵を自由に楽しむような気持ちで、色々な組み合わせに挑戦し、自分のベストペアリングとの出会いをお楽しみください。

日々を楽しくするワンポイントとして

今日の日本酒のおつまみはあのフルーツにしよう! と選択肢が思い浮かんでいる方もいるのではないでしょうか? もし組み合わせに迷ってしまったら、日本酒の香りに心を傾けてみてくださいね。
杜氏も一押しの簡単に挑戦できる組み合わせですので、日頃の営みを楽しくするワンポイントとして気軽に取り入れてみてください。