新潟の春を楽しむ!定番~穴場のお花見スポットと春の日本酒
新潟の長くて寒い冬も過ぎ去り、暖かな日差しが心地よい春が到来。春と言えば、やはり桜ですね。例年、新潟では4月上旬頃に桜が開花し始めます。この記事では、新潟のお花見スポットと、春を楽しむのにぴったりな日本酒をご紹介します。この春は、国花を愛で、国酒を楽しみませんか?
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花見酒とは、その名の通り「花見の時に飲むお酒」のことです。日本では古くから花見が催され、全国各地で思い思いの日本酒が飲まれてきました。つまり、花見酒は日本人となじみ深い存在なのです。この記事では花見の歴史と花見酒の始まり、花見酒に合う日本酒の選び方とともに、おすすめの日本酒と酒器を紹介します。
目次
春の訪れを感じさせる花見酒のルーツには、誰もが知る有名な武将が深く関係しています。まずは花見酒の意味と由来、花見の歴史と花見酒の始まりから見ていきましょう。
名前の通り、花見酒は「花見で飲む日本酒」のこと。この“花見酒”という言葉は、落語の噺(はなし)が由来だそうです。俳句において春の季語として使用されるなど、花見酒は日本人となじみ深いものと言えます。
現在の日本でイベント化している花見は、平安時代に定着したものです。平安時代よりも前、奈良時代に生きた人々は桜よりも梅を愛でていました。奈良時代の万葉集に、梅が題材の歌が多く記録されているところからも、当時の日本人にとっては桜よりも梅が身近な存在であったことがうかがえます。
時代が流れ、平安時代に入ると貴族が桜を鑑賞するようになり、桜の木の下で宴を開くように。この宴こそが花見の原型であり、ここから「花見と言えば桜」と言われるようになったのです。平安時代前期の古今和歌集には、桜を題材としたものが多く詠まれています。
古くから神に供えるものと考えられ、祝い事に飲まれてきた日本酒は、花見の席でも欠かせない存在とされてきました。この花見酒のルーツには、かの有名な武将・豊臣秀吉が深く関係しています。
1598年、京都の醍醐寺(だいごじ)で「醍醐の花見」が行われました。豊臣秀吉の側室である淀殿(よどどの)を始め、1,300人もの親族や側近が参加した大規模な宴と伝えられています。醍醐の花見のために、全国から700本もの桜が醍醐寺の境内に移植されたそうです。
そんな宴をさらに盛り上げようと集められたのが、日本全国の名酒でした。桜の花を静かに愛でていた平安時代の貴族たちとは違い、豊臣秀吉ら一行は桜の木の下で日本酒を飲み交わしながら大いに盛り上がったそうです。この醍醐の花見こそが、花見酒のルーツと考えられています。
その後、江戸時代になると花見の文化は庶民にも広く浸透。江戸時代の中期~末期頃には、現在の日本に生息する桜の8割を占めている「ソメイヨシノ」が作りだされ、桜とともに花見酒も全国に広がっていったのです。
各々が好きなお酒を持ち込んで行われる花見は、人々が抱く日本酒への想いが表れる場でもあります。日本酒好きとしては、花見にマッチするお酒を選びたいところです。こちらでは、花見酒にぴったりの日本酒を選ぶポイントを3つに分けて解説します。
花見は屋外で長時間過ごすことが多いので、常温で美味しく飲める日本酒がおすすめです。冷やすために必要な氷やクーラーボックスが不要なので、荷物を減らせて片付けも楽になります。
ちなみに、常温の日本酒は「冷や」と呼びます。冷蔵庫がなかった時代は常温の「冷や」か、温めた「燗酒」しかなかったためです。そして「冷や」は、花見が普及した当時から日本人に親しまれてきた飲み方です。そんな「冷や」の日本酒を桜の木の下で飲みながら、花見の歴史や花見酒のルーツに想いを馳せてみるのも良いかもしれません。
桜の下で日本酒を飲み交わす花見の文化が浸透するまで、庶民にとって花見は「豊作祈願の行事」でした。現在の日本では本来の意味は薄れ、春の到来とともに始まる新生活を縁起の良いものとするために祝う傾向にあります。そんな花見ですから、祝いの場にふさわしい縁起が良い名前の日本酒や、酒蔵こだわりの日本酒を花見酒にしてはいかがでしょうか。
仲間と集まる花見の席には、誰もが飲みやすい日本酒がおすすめです。炭酸ガスを含んだスパークリング日本酒は、お酒初心者や女性でも飲みやすいと評判です。可愛いボトルやおしゃれなデザインのものも多く、幅広い年齢層の女性から人気を集めています。
また、春を感じられるラベルの日本酒や、酒蔵のこだわりが詰まった春限定の日本酒も花見酒にマッチします。
「久保田」で知られる新潟県長岡市の朝日酒造が手がける、花見酒におすすめの日本酒を3つ紹介します。
※こちらの記事内で紹介した商品の価格は2024年3月28日現在のものです。
新潟の地でこだわりの日本酒を造り続けている朝日酒造と、アウトドアブランドのスノーピークがコラボレーションした「爽醸 久保田 雪峰」。大自然の中で、春の麗らかさや新緑の爽やかさを楽しむために造られたお酒です。
寒造りの低温発酵と氷温貯蔵をすることで、マスクメロンやマスカットのような爽快でフレッシュな香りを維持しています。口に含むと、甘味と酸味が調和した味わいの中に、米の旨味もほんのり感じられます。
爽醸 久保田 雪峰
500ml 3,500円(税込3,850円)
純米酒をベースとしたスパークリング日本酒で、瑞々しい果実のような甘さと酸味が特長です。飲み切りやすいサイズで、ボトルのまま飲めるところも魅力的。
デザインが可愛い上に飲みやすいので、女性が参加する花見の席にぴったりです。
ノムネ
250ml 465円(税込511円)
桜の花が咲く2~4月だけに限定出荷される「越州 桜日和」は、正に花見にぴったりのお酒。「桜のイメージに合う華やかさを持つ酒」にするため、蔵人が議論と試作を重ねて完成させた努力の結晶です。口に含むと軽やかな甘さと雅びやかな香りが広がり、春の楽しさを感じられます。
こちらのお酒は、ラベルの和紙と書も見逃せません。蘇芳(すおう)染めの原料を混ぜて作られた和紙ラベルに、新潟市の書家である坂爪叟玄(さかづめそうげん)氏に揮毫してもらっています。酒質・ラベル・書の3つに込められた究極のこだわりを体感してください。
越州 桜日和
720ml 1,860円(税込2,046円)
「冷酒」や「燗酒」など、日本酒は温度帯で味わいが変化することで有名です。しかし、日本酒の味わいを左右するのは温度帯だけではありません。日本酒を注ぐ酒器の違いによっても変化していくのです。こちらでは、酒器と日本酒の味わいの関係と、花見酒にぴったりな酒器を紹介します。
日本酒の味わいに影響を与えるのは、酒器の「形状」や「素材」などです。
「形状」は主に、日本酒の香り方に影響します。日本酒の香りを存分に感じたい時には、飲み口が狭い酒器をチョイスしてみてください。飲み口から香りが逃げないので、口に含んだ時に日本酒の香りが一気に広がるはずです。
「素材」は、日本酒の味わいを変化させます。例えばガラス製の酒器は、お酒の邪魔をしないため本来の味わいをクリアに感じられます。
水を浄化する作用がある錫(すず)で作られた酒器に日本酒を注ぐと、味わいがまろやかに感じられるでしょう。
陶器の酒器はやわらかで丸みのある口当たりに、磁器の酒器はすっきりとした口当たりになるとされています。
「まどろむ 酒器 桜」は、新潟県のものづくりの町・燕市と、岐阜の陶器業者とのコラボで生まれた逸品。
熱伝導性が優れた銅の上から、お酒の旨味を引き出してくれる錫をメッキ加工しています。お酒を注いだ瞬間から冷たさを指と唇で感じることができ、触感も楽しめる酒器です。
酒器の表面温度が16℃を下回ると、酒器に描かれた桜の木が色づいて満開に。花見酒を注ぐ酒器としてはもちろんのこと、自宅で花見気分を味わいたいときにもおすすめです。
豊臣秀吉が行った醍醐の花見がルーツの花見酒は、日本人にとってなじみ深い存在です。酒蔵こだわりの日本酒や春限定の日本酒を花見酒にして、酒器や温度帯を変えて味わいの変化も体感しながら、仲間と一緒に乾杯してみてください。