酒造り歳時記「元旦しぼり 絵馬修祓入魂祭(えましゅうふつじっこんさい)」
2020.12.15

特集

酒造り歳時記「元旦しぼり 絵馬修祓入魂祭(えましゅうふつじっこんさい)」

朝日酒造の定番商品「元旦しぼり」には、12月の神事「元旦しぼり 絵馬修祓入魂祭」で祈祷した絵馬がかけられています。1986年の元旦しぼり発売当初から続いている、冬の伝統行事です。

「元旦しぼり」は1986年に誕生し、今や年始の定番商品となりました。その名の通り元旦に搾られたお酒で、翌朝出荷され、搾りたてのフレッシュな味わいを楽しめます。

元旦しぼり

商品の「顔」とも言えるラベルには、その年の干支のオリジナル絵画が入り、毎年異なる表情を見せてくれるのも魅力のひとつです。

元旦しぼりのラベル

さらに瓶には、神社でお祓いを受けた「開運絵馬」がかけられています。

開運絵馬

元旦しぼり発売前の12月中旬、朝日酒造と同じ越路地域にある朝日神社で、元旦しぼり用のすべての絵馬を祈祷します。これが冬の伝統行事、「元旦しぼり 絵馬修祓入魂祭(しゅうふつじっこんさい)」です。

今年は12月15日に「元旦しぼり 絵馬修祓入魂祭」を執り行いました。大雪の影響により、今回は朝日神社ではなく、朝日酒造の製品棟での開催となりました。

元旦しぼり 絵馬修祓入魂祭(しゅうふつじっこんさい)

社長や杜氏をはじめとする社員が集結。来年の絵馬とともに、日本酒とお米、天然の鯛などもお供えし、ご愛飲いただいている皆さまの一年のご多幸をお祈りします。

今井宮司

今井宮司より、
「昨日発表された今年の漢字が【密】であるように、新型コロナウイルス感染症拡大で大変な一年となりました。コロナの終息を日々祈願しています。
私の食卓には『努力する人は希望を語り、怠ける人は不満を語る』という井上靖の名言を飾っています。今こそ一丸となり希望を持ち、過去の不況を乗り越えてきた経験を生かし、大変な時期を乗り越える時です。乗り越えなければ『希望』はないでしょう。
これまで全社一丸で取り組んできた『元旦しぼり』こそ、その大きな契機の時です。老舗の底力を楽しみにしています」
と激励のお言葉をいただきました。

今年の漢字

絵馬の祈祷は終えましたが、酒造りはまだ続いています。新年に一番美味しい状態で皆さんに届けられるよう、杜氏と蔵人が入念に仕込んでいます。

集大成を迎えるのは、除夜の鐘の音が響く元日0時。新年の幕開けと同時に搾り始め、濾過、瓶詰め、検品…と各担当へ次々とバトンが渡されます。社員が直接酒屋さんまで届け、元旦の翌朝には全国の店頭に並びます。

社員の技と想いがたっぷり詰まった「元旦しぼり」を、今年も楽しみにしていてください。