春を楽しむ、にごり酒の飲み方アレンジ6選
日本酒「久保田」ブランドでは唯一のにごり酒「久保田 純米吟醸にごり」。にごりとは思えないほどなめらかで軽やかな喉の通りと、スッキリとしたキレのある余韻が特徴。にごり酒はちょっと苦手という方でも飲みやすい味わいです。フルーツやスパイスを使ってアレンジすると、さらに飲みやすさアップ。ドリンク&フードクリエイター・青山金魚さんが考えた、にごり酒をもっと楽しむ春らしい飲み方アレンジをご紹介します。
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どぶろくとは、米・米麹・水を原料として発酵させたもろみをこさない日本酒のことです。白く濁ったお酒でとろりと甘く、栄養が豊富で身体に優しいという特徴があります。この記事では、どぶろくの基本情報や美味しく飲むアレンジ、期待できる3つの健康効果を紹介します。
目次
「どぶろく」にどんなイメージをお持ちでしょうか。どぶろくは漢字だと「濁酒」と書くので、濁りのあるお酒というイメージをお持ちの人が多いかもしれません。しかし、濁りのあるお酒にはにごり酒もあり、どぶろくとは違うものです。まずはどぶろくの基本情報を解説していきましょう。
日本酒と同じように米・米麴・水を発酵させて造るどぶろく。日本酒と同じように考えられがちですが、通常の日本酒で行われる「上槽(じょうそう)」がないという大きな特徴があります。
上槽とは、もろみを原酒と酒粕に分ける工程のこと。もろみをこしていないため、酒税法上では清酒ではなく、「その他醸造酒」に分類されます。
どぶろくの味は、お米の甘味とほど良い酸味、しゅわっと弾けるようなのどごしがあるのが特徴です。華やかな香りもあり、日本酒初心者でも飲みやすいでしょう。甘酒やマッコリに近いと感じる人もいるかもしれません。
どぶろくは神様に供える「御神酒(おみき)」として古くから造られていました。豊作を願い、収穫を感謝するときに、お米から造られるどぶろくを神様にお供えしており、現在清酒として広く流通している日本酒の原型と言われています。
現在では、基本的にどぶろくを含めたお酒の自家醸造は禁止されています。しかし伝統的な神事を行う際に、どぶろくを用いるいくつかの神社では醸造が許可されているケースも。
例えば、約1300年前からどぶろくが神事に用いられる白川郷では毎年10月頃に豊作や家内安全を願って「どぶろく祭り」が行われています。この他にも全国各地ではそれぞれの地域に根差したどぶろく祭りが行われており、各神社の酒蔵で造られた昔ながらのどぶろくが振舞われています。
明治時代後期まで、どぶろくは一般家庭や農家でも造られるものでした。しかし、酒税法が制定されて以降、日本ではどぶろくを含め、お酒を自家醸造することが禁止されたのです。
その後、2002年に地域振興の観点から「どぶろく特区」が設けられ、特区内の農家民宿や飲食店を併せ営む特定農業者に限り、どぶろくの製造や提供が許可されました。どぶろく特区は北海道から九州まで日本各地に存在し、地域おこしのツールの1つとして機能しています。
どちらも濁りがあり、見た目が似ているどぶろくとにごり酒ですが、この2つは異なるお酒に分類されます。
粗くではありますが、にごり酒はもろみをこす上槽を経ているため「清酒」。一方どぶろくは前途した通り、上槽をしないお酒であるため、「その他醸造酒」と呼ばれます。
ちなみに同じく白濁していて見た目が似ている甘酒は、酒という名がついているものの、「清涼飲料水」の扱いです。アルコールを含む酒粕を原料とした酒粕甘酒には1%未満のアルコールが含まれていることが多く、米麹を原料とした米麹甘酒はアルコールが含まれていません。
どぶろくは、お米の甘味とほど良い酸味が、爽やかな印象を与えます。とろりとした飲み口でもともと飲みやすいお酒ではありますが、日本酒初心者の人でもさらに美味しく飲むアレンジを紹介します。
瓶詰されたどぶろくは、もろみが下の方に沈殿しています。そのため、上の方がさらっと、下の方がとろっとした状態に。瓶を空ける前に傾け、もろみを混ぜ合わせて濃度を均一にしましょう。混ぜ合わせることで全体的に口当たりが良くなります。とろりとした優しい口当たりのどぶろくは、初めてでもトライしやすいでしょう。
初めてどぶろくを飲むなら、まずは冷やして飲むのがおすすめ。冷やすことで、甘味と酸味のバランスがとれた絶妙な味わいを感じられます。しゅわっとした口当たりも冷やすことでより引き立つでしょう。
どぶろくに限らず、お酒は冷やして飲むことでさっぱりとし、飲みやすく感じる場合が多いです。温度で迷った時には、冷やして飲むところからスタートしても良いかもしれません。
そのまま飲むだけでなく、リキュールとして幅広いアレンジを楽しめるのもどぶろくの魅力です。炭酸で割ってすっきりとした飲み口にしても良し、牛乳やカルピスなどの乳製品と割って濃厚な味わいを楽しむのも面白いでしょう。とろっとした口当たりがさらにまろやかになるので、ついついお酒が進んでしまいます。
オレンジジュースなどフルーツジュースで割れば、女性も飲みやすいジャパニーズカクテルの完成です。どんな飲み物で割るかは自由。さまざまな飲み物と割ってみて、自分なりの飲み方を見つけてください。
どぶろくの甘味をしっとり味わうなら、ロックで飲むのがおすすめ。ロックで味わうことで、もろみの甘さや酵素の弾けるような口当たりを堪能できます。
甘酒と清酒の中間のような、ほど良い甘味を持つどぶろくは料理との相性も抜群です。いつものお酒のラインアップにどぶろくを加えてみてはいかがでしょうか。
もろみをこさずに造られるどぶろくは、米と米麴の栄養がたくさん入っていることでも知られています。数年前から甘酒の美容効果が注目されるようになりましたが、どぶろくも同じく女性に嬉しい栄養が満載。ここでは、今注目されているどぶろくの健康効果3つを紹介します。
アミノ酸やコウジ酸などが含まれているどぶろくは、これらの栄養素は女性の肌に嬉しい効果をもたらすことが知られています。
アミノ酸は肌や髪の調子を整え、身体の疲労軽減効果が期待できる栄養素であり、コウジ酸はシミの素となるメラニンの生成を抑えてくれる栄養素。
美味しいだけでなく、美肌効果のある栄養素も取り入れられるどぶろくは女性の強い味方です。
60度以下で加熱処理されたどぶろくには生きた酵素が含まれており、酵素は消化吸収を助けたり腸内環境を整えたりすると言われています。免疫の鍵を握ると言われる腸内環境を整えることで、身体を健やかに保ちます。
また、どぶろくの特徴である弾けるような口当たりも生きた酵素のおかげです。同じく腸内環境を整えるといわれる乳製品との相性も良いので、その組み合わせも試してみてください。
どぶろくのにごり成分である酒粕には、レジスタントプロテインが含まれています。レジスタントプロテインは消化酵素による分解を受けにくく、栄養として吸収されにくいです。しかし、食事で摂取する脂質を包み込み、脂質の吸収を抑える効果が期待できると考えられています。
居酒屋などの外食では、ついつい脂質の多い食事に偏りがちに。そんな時にはどぶろくを合わせてみてはいかがでしょうか。しゅわっとした爽やかなのどごしも、こってりとした食事にぴったりです。
どぶろくはロックでも割っても楽しめる、アレンジ幅の広いお酒です。御神酒としてはるか昔から造られてきたお酒としての貫禄を感じる一方で、どんな飲み物にも合わせやすい柔軟さも併せ持っています。女性に嬉しい栄養素が豊富に含まれるどぶろくで、いつもの晩酌に変化を取り入れてみてはいかがでしょうか。