梅雨はいわしが絶品!栄養たっぷりのいわし料理で梅雨を乗り切ろう
2023.06.02

楽しむ

梅雨はいわしが絶品!栄養たっぷりのいわし料理で梅雨を乗り切ろう

ジメジメとした湿気、毎日の雨で何となく気分も盛り上がらないような梅雨シーズンがやってきました。ところが、梅雨の時期だからこそ美味しくなる食材があるのです。特にいわしは一年で最も脂のりが抜群、舌の上で溶ける脂を食べなきゃ損!絶品いわし料理を食べれば毎年の梅雨も待ち遠しくなることでしょう。日本酒との相性もぐっと上がる定番料理のちょい足しも紹介します。

目次

  1. 実は出世魚!脂たっぷりの梅雨いわし
    1. 栄養満点のいわしを日本酒と一緒に堪能しよう
  2. 絶品!梅雨いわし料理
    1. 久保田 千寿 × いわしのさっぱりなめろう
    2. 久保田 碧寿 × いわしのスパイス梅煮
  3. 梅雨が旬のいわしで元気に

実は出世魚!脂たっぷりの梅雨いわし

梅雨 いわし

日本で流通しているいわしは、マイワシ、ウルメイワシ、カタクチイワシの3種類で、6~7月の梅雨の時期に水揚げされるマイワシを「梅雨いわし」または「入梅いわし」と呼んでいます。産卵前で脂を蓄えているため、丸々太った身としっかりしたうま味、何よりとろけるような脂が特徴です。

いわしは昔から安く手に入るため庶民の味方の代名詞でした。しかし実は出世魚のように成長するに従って呼び名が変わるのはあまり知られていないかもしれません。出世で名前を変えるのは、武士の風習が由来。子供の頃は幼名、大人になると仮名を名乗り、地位が与えられればそれにふさわしい名前に改名していたのです。この風習から大きくなるにつれて名前を変える魚、特に代表的なブリなどは縁起物として親しまれてきました。いわしは、シラス(白い稚魚の状態)→コバ(10cm前)→チュウバ(15cm前後)→オオバ(20cm前後)と変化し、それぞれ調理方法によって使い分けたりするのです。

栄養満点のいわしを日本酒と一緒に堪能しよう

青魚は栄養豊富とよく聞きますが、実際にいわしも生活習慣病の予防に最適な栄養がたっぷり含まれています。
血液をサラサラにする効果の高いn-3系脂肪酸の一種、EPA。同じくn-3系脂肪酸の一種で脳の活性化に役立つDHA。カルシムとそのカルシウムの吸収を助けるビタミンD、抗酸化作用のある酵素を作るセレン。そしてうま味成分であるグルタミン酸。梅雨いわしにはこれらの栄養が豊富に含まれています。
いわしは鮮度の落ちるスピードが早い魚。新鮮ないわしを手にいれて美味しく栄養素を摂り入れましょう。

絶品!梅雨いわし料理

久保田 千寿 × いわしのさっぱりなめろう

いわしのなめろう 久保田千寿

梅雨いわしのなめらかな脂を余すことなく楽しむには、やはり生のまま食べるのがおすすめです。なめろうにすれば小骨も気になりません。魚をおろすのが苦手な方は、すでに刺身になっているものなら簡単に出来ます。お酒は「久保田 千寿」の冷酒で。すっきり軽快で抜群のキレの良さがいわしの脂を流してくれます。なめろうにはお酢をひと回しするのがポイント。いわしのクセもなくなり、千寿のキレが増します。

【材料(2人分)】 ※所要時間:約10分
・いわし:1尾
・生姜:1かけ
・味噌:小さじ1/2
・酢:適量

【作り方】
① いわしは三枚におろし、皮をむく。生姜はみじん切りにする。
② 味噌と①を一緒に包丁でたたく。
③ 器に盛り、酢をかける。

いわしのなめろう 久保田千寿

なめろうが余ったら丸めてフライパンで焼くとまた違った味わいに。このために多めに作っても良いほどの美味しさです。なめろうを丸めて大葉で巻き、フライパンで両面焼くだけ。味噌のコクと香りが立ってきて、いわしはふっくら食感に。「久保田 千寿」はぬる燗にすると、コクが増し口当たりが柔らかくなり、味噌の風味と良く合います。そして、季節の変わり目で体調を崩しやすい梅雨の季節には、体に馴染む燗酒が最適です。

久保田 碧寿 × いわしのスパイス梅煮

いわしの梅煮 久保田碧寿

脂の乗ったいわしを煮込むと、身はふわふわ、脂はとろとろとなって満足度の高い一品に。お酒は濃い味付けでも十分に受け止めてくれる「久保田 碧寿」を。山廃仕込みの碧寿は複雑な酸と程よいうま味の余韻、香ばしさと苦味があるため、家庭料理の梅煮に少量のスパイスを足すとグッと相性が上がるのです。惣菜の梅煮にスパイスを一振りして温め直すだけでも構いません。

【材料(2人分)】 ※所要時間:約30分
・いわし:4尾
・生姜:1かけ
・にんにく:1かけ
・赤唐辛子:1本
・梅干し:1個

A
-酒:1/2カップ
-みりん:大さじ4
-醤油:大さじ2
-コリアンダーパウダー:少々
-ターメリックパウダー:少々

【作り方】
① いわしは頭と内臓を取り、湯をかけて余分な脂と臭みを抜く。
② 生姜は薄切り、にんにくは半分に、赤唐辛子は半分に切って種を取る。
③ 鍋に①とひたひたの水を入れて火にかけてアクを取り、②と梅干し、Aの材料を加えて落し蓋をして20分煮る。

梅雨が旬のいわしで元気に

梅雨 いわし

一年中手に入るいわしの旬はあまり気にしたことがないかもしれませんが、梅雨いわしはとにかく絶品です。雨続きで出かけるのが億劫になったり、湿気の多さにうんざりしたり、胃腸の調子も良くないなんてマイナスイメージが付きまとう梅雨シーズンですが、そんな時こそ梅雨いわしで気分を上げて元気になりましょう。

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まゆみ

まゆみ

酒匠、料理研究家。 1日も欠かすことなく酒を呑み続ける、驚胃の持ち主。郷土料理を大事にし、添加物の無い食卓を心がけている。ブログ「スバラ式生活」は人気。著書に、うち飲みレシピ、スバラ式弁当がある。