
辛口の日本酒をさらに美味しく楽しむ。新潟の銘柄や、おすすめおつまみも紹介
辛口の日本酒を探すには、「日本酒度(にほんしゅど)」「酸度」「アミノ酸度」などの数値が参考になります。本記事では、辛口の日本酒を見つけるためのポイントや、辛口の日本酒に合うおつまみの他、酒どころとして有名な新潟の銘柄を紹介します。
探す
日本酒といえば「辛口」というイメージがありますが、近年は辛口一辺倒ではなく、華やかな甘口を好む人も増加傾向にあります。甘口の日本酒を探すには、日本酒度・酸度・アミノ酸度といった数値がポイント。ここでは、甘口の日本酒の上手な見つけ方やおすすめの銘柄、さらには甘口と相性の良い料理も紹介します。
目次
日本酒は、米・米麹・水を主原料とした日本の伝統的なお酒です。さまざまな味と香りが複雑に絡み合うため、「甘口」「辛口」だけでくくってしまうのは非常に困難です。とはいえ、個々の趣向は異なりますから、味わいを探るヒントが欲しいところ。甘口の日本酒を探す場合、どのような要素が手がかりとなるのでしょうか。
日本酒度とは日本酒の比重を表すものです。普通の水を基準にした場合、糖分などのエキス分が含まれれば含まれるほど液体自体は重くなります。プラスになるほど糖分が少なく辛口、マイナスになるほど糖分が多く甘口ということになります。一般的に、アルコール度数が同じ場合、日本酒度 -1.5から-3.4が「やや甘口」、 -3.5から -5.9が「甘口」とされています。
しかし、日本酒は複雑かつ繊細な飲み物であるため、日本酒度だけでは甘口辛口をはっきりと区別することは困難。糖分以外にも、アルコール度数や酸度とのバランス、香りなどによっても味わいや甘さ・辛さの感じ方が大きく変わってくるのです。
日本酒の味を造り上げるための重要な成分として挙げられるのが有機酸。有機酸は日本酒に酸味・旨味をもたらしており、この含有量を相対的に示しているのが「酸度」になります。
酸度が高いものはコクを感じる濃厚な味わい、逆に低いものはさっぱりとした味わいの日本酒が多いです。さらに、酸度が高ければ辛口に感じ、逆に酸度が低いと甘口に感じることが多いです。日本酒度同様、あくまで目安程度に考えてください。
アミノ酸度も日本酒の味わいを左右する指標の1つ。アミノ酸は主に旨味やコクを生み出しているものです。アミノ酸度が高ければ高いほどコクと旨味をしっかり感じられるので、一般的には甘口の日本酒として分類されます。逆に数値が低ければすっきりとした辛口の日本酒ということになります。
ただし、上記で紹介した日本酒度・酸度・アミノ酸度は、必ずしも日本酒のラベルに記載があるわけではありません。
日本酒度・酸度・アミノ酸度・アルコール度数などの数値は、味わいの参考になり、ある程度、甘口の日本酒を探す手がかりになります。ただし、日本酒はとても複雑なものなので、これらの成分のバランスによって甘口、辛口などの感じ方が変わるので、単独の成分値だけではわかりえません。また、甘味そのものに関しては、日本酒に含まれているブドウ糖の量を測ることで、その甘さをある程度推定することができるとされています。
どのようなお酒が自分の舌に合うのかは、表記されている情報だけでは判断が難しいもの。実際に試飲してみたり店員さんと相談してみたりして、好みのお酒を探してみるのが良いでしょう。
ひと口に日本酒と言ってもその種類は多く、産地もさまざま。甘口の日本酒を探す人の中には、種類や産地が「甘辛を判断する手がかりにならないか」と考える人もいるのではないでしょうか。そこで、甘口の日本酒にまつわる疑問のあれこれについて考察します。
甘口と言っても、日本酒度や酸度で味わいが変わり、「淡麗甘口」のもの、「濃醇甘口」のものとに分類されます。淡麗甘口と言われている日本酒は甘さこそ感じられますが後味がすっきりしたタイプ、濃醇甘口の日本酒は、濃厚で甘味が際立っているタイプです。
一般的に、純米酒は醸造アルコールを使っていないため、お米本来の甘味を感じやすい日本酒であると言われています。また、大吟醸酒は華やかな香りが感じられる上に、甘くフルーティーな味わいのものが多いです。
しかし、純米酒や大吟醸酒といった同じ種類であっても、酒蔵によって原料や造り方も異なるため、味わいは変わってきます。つまり、種類によって甘口・辛口を判断するのは難しいのです。
全国各地で日本酒が造られていますが、寒い地域では辛口の日本酒、暖かい地域では甘口の日本酒が造られていることが多いです。これは、その土地ごとの気候や水などの違いによるもの。しかし実際のところは、数多くの銘柄が出ていることで味わいが多様化しているため、地域によって甘辛を判別するのは難しいでしょう。
新潟県長岡市にある「朝日酒造」は、銘酒・久保田で知られる酒蔵です。久保田と言えばキリっとした味わいが特徴。そのため、「淡麗辛口」の日本酒が多いのでは、と思われる人も多いかもしれませんが、実は甘口の日本酒もあるのです。そこで、朝日酒造のラインナップから、女性でも飲みやすい甘口の日本酒を紹介します。
ブーケのような香りに、甘酸っぱくてフルーティーな味わいが特徴の「香里音」はSNSでも話題になっており、「まるでワインのような味わい」という声が多く挙がっています。冷酒で飲むと爽やかな甘酸っぱさが感じられ、燗にすると一気に甘さが引き立ち、まるでビターチョコのような味わいに感じられるほどです
甘味や酸味のある料理との相性が抜群で、エスニック系と合わせて飲むのもおすすめ。また、アルコール度数も10度と低めなので、日本酒を初めて飲む方にもぴったりの一本です。
希望小売価格(税抜)
300ml 440円
「朝日山 香里音 プレミアム」はアルコール度数が12度と「香里音」よりも高く、飲みごたえのある日本酒です。また、白桃のような濃厚な甘味が特徴ですが、一般的な甘口に比べるとシャープな口当たりで、キレのある酸味も感じられます。
食前酒としてはもちろん食事と一緒に楽しむこともでき、特にチーズやスパイスが入った料理との相性が抜群。また、甘味と酸味のバランスが良いお酒なので、デザートのお供にもぴったりです。
希望小売価格(税抜)
1,800ml 1,900円
720ml 950円
ワインに合う料理と合わない料理があるように、日本酒にも料理との「相性」があります。そこで、甘口の日本酒と相性が良い料理について詳しく解説していきます。
基本的には和食と日本酒は相性が良いとされていますが、より美味しく料理とお酒を楽しむためには、それぞれの味わいとバランスを考えなくてはいけません。まずは味の強さ。どちらか一方が味が濃くてもう片方が薄いとバランスが悪く、日本酒を美味しく飲むには一歩およびません。
また、日本酒と料理の味そのものが合っているかどうかもポイント。お互いがお互いの味を補い合えるようなバランス感であることが大切です。
淡麗甘口は、甘く軽快な口当たりで、すっきりとした後味が特徴の日本酒です。天ぷら・唐揚げ・焼き鳥といった脂っこい食べ物であっても、日本酒を飲むことで脂っこさが流されます。また、日本酒の甘味は辛味とも相性が良いので、エスニック料理やスパイス料理とも合わせやすいです。
濃醇甘口は濃厚な甘味が特徴の日本酒。そのためすき焼きや角煮など、甘味・コクが深い料理と合わせるのがおすすめです。また、デザートとの相性も良く、チーズやチョコレートを使った濃厚な味わいのデザートとマッチします。
甘口の日本酒を見つける手がかりは、日本酒度・酸度・アミノ酸度・アルコール度など、ラベルの裏にある数値を見れば、甘口・辛口の判断はつきやすくなるはずです。しかし、日本酒の味はさまざまな要素が関係しあう繊細且つ複雑なもの。個々の好みや感覚の違いもありますから、自分に合った「甘口」を見つけるには、実際に飲んでみるのが一番です。合わせる料理との相性も考えながら、好みの甘口を見つけてみましょう。