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酒造り歳時記「洗い付け」
2020.08.20

特集

酒造り歳時記「洗い付け」

「洗い付け(あらいつけ)」とは、今期最初のお米を洗うことです。この日から酒造りが開始します。

今年は前年より2日早く、松籟蔵で8月18日に「洗い付け」を迎えました。5月下旬の「甑倒し」で前期の仕込みを終えてから約3カ月。夏の蔵の大掃除期間を経て、新たな酒造期のスタートです。

久しぶりに稼働した洗米機は、この日を待ちわびていた歓喜の声のような音を響かせながら、力いっぱい洗米していました。

明日の朝には蒸米も始まり、蔵の煙突から上がる湯気も見ることができます。酒造りが始まったなあと実感する光景です。

朝日酒造では毎年、酒造りの始まりに合わせて「洗い付け神事」を行っています。その年の酒造りの成功と蔵人の安全を祈願する、酒蔵の伝統行事です。

今年は8月20日に「洗い付け神事」を執り行いました。松籟蔵の仕込み室に、社長、専務、杜氏、蔵人などが集結。代々、朝日神社の今井宮司にお出でいただいています。

今井宮司より、
「日本は『老舗』が世界で一番多い国で、多くの企業が幾度となく不況を乗り越えてきました。朝日酒造も老舗の一つです。今は新型コロナウイルス感染症拡大で大変な状況が続いていますが、それを乗り越えていくためにも、老舗企業に共通する4つの心構えをお伝えします。
一,『家訓』『社是』を大切に
一,守るべきものを守り、変えるべきところは変える
一,本業を重視した身の丈経営
一,顧客第一を貫き、社会貢献
朝日酒造の創業以来100年続いてきた『品質本位』を守るとともに、時代の一歩先を見据えた挑戦をこれからも続けてほしいです。長丁場が始まりますが、健康に十分注意して、良い酒を醸してください」と激励の言葉。

製造部部長・安澤は、
「令和2酒造年度の酒造りが始まりました。本年の原料米は、天候不順であったため、例年以上に原料米特性の把握が重要であるとともに、培った技術とその技能を最大発揮することが要求されます。神事では、まず、安全醸造のために、次に、お客様の美味しいの声・笑顔のために、さらに、コロナ禍の早期の終息の3つを祈念しました。加えて、長丁場となる酒造りにあたり、一人一人が健康で元気に酒造りを全うしよう」と意気込みを語りました。

「洗い付け神事」は、心新たに、さらなる酒造技術の向上を目指そうと気を引きしめてくれる、朝日酒造の大切な伝統行事です。
今年も皆様に美味しいと喜んでいただけるお酒を醸し出せるよう、社員一同、挑戦していきます。